サザンのwikipediaを何となく見ていましたら、「1998 スーパーライブ in 渚園」の記事の中で、ビデオでの桑田さんの煽りコーナーを指して答えていたインタビューを引用し、最後に歌舞伎町以降は元のパターンになっている…とありましたが、果たして本当にそうなのかを検討してみようと思います。
まずは歌舞伎町ライブから無観客ライブまでの煽りコーナーの曲順を挙げてみましょう。
・歌舞伎町ライブ
Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)~フリフリ’65~ボディ・スペシャルⅡ~勝手にシンドバッド
・晴れ着DEポン
Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)~フリフリ’65~ボディ・スペシャルⅡ~勝手にシンドバッド
HOTEL PACIFIC~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~マチルダBABY~フリフリ’65~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT
・ゴン太君のつどい
HOTEL PACIFIC~匂艶THE NIGHT CLUB~勝手にシンドバッド~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT~みんなのうた
・「流石(SAS)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~
涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~~イエローマン~星の王子様~~みんなのうた~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT~勝手にシンドバッド
・真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~
君こそスターだ~夢に消えたジュリア~みんなのうた~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT~勝手にシンドバッド
・暮れのサナカ
君こそスターだ~夢に消えたジュリア~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~マチルダBABY~HOTEL PACIFIC~愛と欲望の日々
・みんなが好きです
ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~ ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~マチルダBABY~イエローマン~星の王子様~ ~BOHBO No.5
・真夏の大感謝祭
I AM YOUR SINGER~希望の轍~OH!!SUMMER QUEEN~夏の女王様~ ~エロティカ・セブン~HOTEL PACIFIC~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT
・灼熱のマンピー!!G★スポット解禁!!
ピースとハイライト~マチルダBABY~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~みんなのうた~マンピーのG★SPOT
・ひつじだよ!全員集合!
爆笑アイランド~愛と欲望の日々~イエローマン~星の王子様~ ~怪物君の空~BOHBO No.5~ボディ・スペシャルⅡ~勝手にシンドバッド
・おいしい葡萄の旅
東京VICTORY~アロエ~マチルダBABY~エロティカ・セブン~ボディ・スペシャルⅡ~マンピーのG★SPOT
・キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」
東京VICTORY~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~匂艶THE NIGHT CLUB~HOTEL PACIFIC~みんなのうた
・“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎
シュラバ★ラ★バンバ~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)~マチルダBABY~イエローマン~星の王子様~ ~マンピーのG★SPOT
・サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」
東京VICTORY~匂艶THE NIGHT CLUB~エロティカ・セブン~マンピーのG★SPOT~勝手にシンドバッド
まずは演奏回数が多い曲を並べてみましょう。
・ボディ・スペシャルⅡ、マンピーのG★SPOT 9回
・勝手にシンドバッド 7回
・ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)、マチルダBABY 6回
・イエローマン~星の王子様~ 4回
次にラストを務めた回数の多い曲を並べましょう。
・勝手にシンドバッド 6回
・マンピーのG★SPOT 5回
・みんなのうた 2回
単純に回数だけで判断しますと、渚園ライブまでの煽り六人衆(?)といえます、勝手にシンドバッド、ボディ・スペシャルⅡ、マチルダBABY、ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)、みんなのうた、マンピーのG★SPOTの全てが顔を出しており、確かに元のパターンに戻った…と書かれても間違いではないですね。
しかし、ちょっと待って下さいねェちゃんです(?)。
ゴン太君のつどいから真夏の大感謝祭、までを見ますと1つある変化が見られます。それは六人衆の中でシンドバッド・ボディスペ・マンピー・みんなのうたとミスブラ・マチルダの2つに煽りコーナーに置いては分かれるようになったという点です。
マンピー以外が揃った90年代前半のライブを見ますと、この六人衆の半数以上が常にミックスでご登場というライブがほとんどでパターン化されつつあった側面が見えていますが、この頃は四天王(ゴン太君・流石・海の日・大感謝祭(…はボディマンピーコンビのみですが))とデジタルコンビ(サナカ・みんな)とおそらく意図的に分けている事が分かります。
そして灼熱のマンピー以降を見てみますと六人衆から数曲を選抜してプラス数曲、という組み方がパターン化されています。その中で歌舞伎町以降煽りコーナー登場回数トップであるところのボディスペさんはひつじと葡萄の2回登場になってしまう一方で、ライブ的にはひつじから登場しました東京VICTORYが3回煽りコーナーの先頭打者ポジションで起用されるなどの変化も見えていております。
演奏回数にも反映されていますが、渚園以前に揃った六人衆にイエローマン~星の王子様~
・HOTEL PACIFIC、そして東京VICTORYという3曲が所謂定番に含まれるようになったのが構成変化の大きな要因の1つになっているのではないのでしょうか。40年で見れば六人衆と新世紀トリオ(?)(イエローマンの年数は大目に見て下さいませ…w)がほぼほぼ歴史の半分で分かれますので、CDリリース数を見ると定期的に登場しきっちり終盤曲枠に定着するペースはあまり変わらないと言ったところでしょうか。
大感謝祭以降はエロティカ・セブンの登場率が高くなっておりますね。ちょうど大感謝祭以降のミスブラが2曲目に演奏されたライブ全てで煽りコーナーの1曲として演奏されているという謎の方程式が誕生していますので、セオーノでの2.3曲目で続けて演奏された時に何らかの関係を持った可能性がありますね(?)。今までのライブでの曲順を見ますにエロティカ先輩もあまり前後で繋げにくいという曲がなさそうなタイプに感じますし、TSUNAMIが演奏されていない状況を考えますと、TSUNAMIに次ぐシングル売り上げ数2位のこの曲に働いて貰いたいというエロティカ党の意向があるのかもしれません(?)。
さてだらだらと書いてきましたが、結局のところ歌舞伎町ライブ以降の煽りコーナーはどうなのかと私なりに出した結論としましては「パターン化されてはいるがワンパターンではない」という如何にも曖昧 中庸 シャイ 気まぐれと言ったお家芸な(?)ところでしょうか。
確かに歌舞伎町とそのセットリストを多く反映させた晴れ着は元のパターンと言われてもその通り、というところですが、茅ヶ崎ライブでの中盤シンドバッドやゴン太君での順番シャッフルと言ったところに良い意味での「いつもの」を残しつつも、同じ事は避けたいという試行錯誤が見て取れるように思います。ラスト曲にマンピーが歌われることが多くなったのも、どうしてもシンドバッド締めになりがちなところを打開したい、尚且つシンドバッドに近い(もしくは全く違う異質な)パワーを持つマンピーに世代交代、とは言わないまでも任せたくなったというところでしょうか。その分ラストマンピー率が高くなってしまいパターン化されてしまっている感も出てきてしまっているのですが、この辺りについては以前「近年のサザンと桑田ソロライブ本編ラスト曲についてふと思ったことを」という雑文に薄らと感じたことを書いていますので、今回こちらでは省略させて頂きます…。
wikiの一文に戦いを挑んではみましたが、見事に惨敗でしたね(?)。やはり身の丈に合った雑文をこそこそと書いているのが性に合っているのだと再認識致しました(?)。