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開幕延期で野球本を読みたいと思った方へ勝手に10冊ピックアップしてみた

タイトルの通りでございます。野球を欲している方で野球関係の本を読みたいと思った方へお薦め…といいますか押し付けたい本リストでございます(?)。

とりあえず手軽なところで文庫本と新書本を5冊ずつおそらく絶版になっていない物を10冊ピックアップさせて頂きました。

ただ私の趣味(古い野球関係)にかなり寄りますのでその辺りはご注意を…。

 

文庫本

「最弱球団 高橋ユニオンズ青春記」長谷川晶一

1954~56年に3年だけパ・リーグに存在した高橋ユニオンズについて書かれた1冊。

もしかするとチーム名だけは知っている方はそこそこいるのかもしれません。チームの誕生経緯・企業ではなく個人経営という点からして仕方ないのですが、タイトルにあるように弱いチームでした。しかしどこか惹かれてしまうのですよねえ…。球団は唐突に悲劇的最後を向かえてしまいますが、選手達は愛着を持ち続け、メンバーの高齢化・減少に伴い開催終了となりましたが、2017年まで毎年OB会が開かれておりました。

 

根本陸夫プロ野球のすべてを知っていた男」高橋安幸

西武・ダイエーなどで監督、実質GMを務めた根本陸夫を追った作品。

根本の関わりのあった人物へのインタビューがまとめられており、王貞治関根潤三工藤公康…などと証言者の顔ぶれだけでも根本陸夫という人物の凄さが分かるといいますか…。

何といいますかこういう人物だったからこそ強いチームを作り上げることが出来た…というところが垣間見える本ですね。

 

「戦火に散った巨人軍最強の捕手」澤宮優

この本の主人公はジャイアンツの捕手として活躍もビルマで戦死した吉原正喜の生涯を追ったノンフィクションですね。

熊本工業で川上哲治とバッテリーを組み、その川上とともに巨人に入団、沢村栄治スタルヒンともバッテリーを組んだ正捕手でありました。

吉原の生涯とともに当時の職業野球の空気も感じられる1冊ですね。また作者の澤宮優氏の書いた野球本にはスカウトや三塁コーチ、打撃投手にスポットを当てたものがありますので、興味がある本を1冊読んで見るのも良いと思います。

 

「勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇」中村計

駒大苫小牧高校野球部の監督を務めていた香田誉士史氏を描いた1冊。

中村計氏は高校野球を長く取材していることもあり、より内容が丹念に書かれているといいますか。所謂苦悩と栄光を書いた作品ですが、栄光ではなく苦悩が先にくる印象ですね…。北海道を去るところは何とも言えないものがありましたね。

余談ですが文庫本ですと500ページ以上ありますので、少し読むのが大変かも知れません…。

 

「負けに不思議に負けなし 上下 完全版」野村克也

所謂ノムさん本です。

最近復刊(実質新刊版でしょうか…?)された本で、野村ノート以降の同じエピソードが書かれることの多くなった作品とは違い、83~84年に雑誌で連載された当時の評論をまとめたものとなっており、解説者・野村克也の視点本というのは今となっては貴重かもしれません。下巻では西本幸雄森祇晶との対談が収められているのも必見ですね。

 

新書本

「二軍監督奮闘記」小笠原道大

今年から北海道日本ハムファイターズのヘッドコーチを務める小笠原コーチの中日2軍監督時代に書かれた1冊。

発売は2019年シーズン終了後ですが、夏頃に書かれた本なのでファイターズの言及はなく、ドラゴンズの選手達について書かれていますね。ドラゴンズファンはここで名前の出た選手に、ファイターズファンは指導法に注目できる本ではないでしょうか。

最後にこの本はインタビューをまとめて頂いた本ですというように一言付け加えているのが小笠原道大らしいといいましょうか。

 

「長嶋巨人 ベンチの中の人間学元木大介 二宮清純

元木大介二宮清純両氏の対談をまとめた1冊。

長嶋監督時代、毎年多くの大物選手が入団してくる中でどのように元木が1軍で生き残っていたのかが大まかでテーマとなっています。この対談中にジャイアンツのコーチ就任が決まった事で元木コーチとしての発言もあり、今年ヘッドコーチに昇格したこともあるので共通点やここは経験して変わったところかな、という視線で読むのも面白いかも知れません。

 

国鉄スワローズ1950-1964」堤哲 

スワローズのスタートである国鉄スワローズの歴史をまとめた1冊。

球団誕生の経緯やエピソード、試合スコアも載っている国鉄スワローズ史を知るきっかけには良い1冊ではないかと。

こういう本を読めば読むほど改めて国鉄スワローズ金田正一のチームであり歴史であるということを感じますね…。

 

阪神タイガース 1965-1978」中川右介 

阪神タイガースの1965~78年の歴史をまとめた1冊。

筆者の中川右介氏が冒頭に書いているように、あくまで資料を元にした事実だけを載せた1冊なので(とはいえ主人公として村山実江夏豊田淵幸一の3人を中心に置いている)、この時代の数ある本・エピソードを知る前の最初のタイガース史入門本として良いのではないでしょうか。

また新書本には珍しく(?)400ページ近くあるので読み応えもあります。

 

江夏の21球」・「衣笠祥雄 最後のシーズン」山際淳司 

ノンフィクションライターの山際淳司氏の作品から野球作品だけをまとめた傑作選ですね。2冊取り上げていますが2冊とも傑作選なので両方載せさせていただきました。

江夏の21球があまりにも有名ですが、その他の作品も素晴らしいので自分の好きなエピソードが1つ見つかるのではないのでしょうか(私は「異邦人たちの天覧試合」が好きです)。

山際作品は殆どが絶版となっているので(近年電子書籍化されてはいますが)、紙媒体で山際作品に触れたい方には良いかと思います。

 

ということで10冊ピックアップしてみました。

見事に私の趣味が反映された内容になってしまいましたね…。

もしそんな声があれば単行本編も書くかもしれません…が期待はしないで頂けると…(誰もしていない)。