今年はサザンオールスターズのアルバム「Young Love」がそしてそのアルバムツアーである、Southern All Stars Stadium Tour 1996「ザ・ガールズ 万座ビーチ」から25年という年に当たりますね。そこで(?)このライブのセットリストについて今更&見たことがないのにも関わらず偉そうに(?)振り返ってみようという雑文でございます。
例によって何となくのコーナー分けをしまして、そのブロック毎に書いていくスタイルで進めていこうと思います。
1.お願いD.J.
2.フリフリ'65
1~3曲目から振り返っていきましょう。
1曲目は「お願いD.J.」ですね。当時の代官山通信ライブレポートによりますと、メンバー登場前に当時、そしてその後も長く桑田佳祐のやさしい夜遊びでオープニング曲として起用されていたピンク・フロイドの「原子心母(Atom Heart Mother)」が流れていたそうですね。ラジオのオープニング曲からラジオがテーマの曲で始まる、というのが物凄く良いですよね…。まさに「あんたのすべてがMusic」ですよ(?)。そして台風による中止で順延となった横浜スタジアム公演では「いとしのエリー」に。これは沖縄公演でのダブルアンコールという形で披露した、尚且つ順延である意味おまけ公演としてのサービス的な側面もあったのでしょうか。
2~3の流れは一転してザ・野外ライブというコンビですね。とはいえ2曲目常連といえます「フリフリ'65」師匠は実はどちらかというと年越しライブでの2曲目登場が多いので(夏は「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」の方が2曲目が多い)、貴重といえば貴重かもしれませんね。とはいえ「ROCK IN JAPAN FES.2005」でも2曲目だったので割と珍しい感じではないのかも知れませんが。
4.Young Love(青春の終わりに)
5.あなただけを~Summer Heartbreak~
6.マリワナ伯爵
7.Moon Light Lover
8.Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)
9.汚れた台所(キッチン)
10.恋の歌を唄いましょう
4~10曲目は所謂アルバム「Young Love」のコーナーですね。アルバムタイトル曲である「Young Love(青春の終わりに)」から始まるというのが、ベタというと失礼ですが、ある意味で王道といえるスタートともいえるのかもしれません。その次に前年のヒットシングルであり、「ホタル・カリフォルニア」では終盤の核ともいえるところで演奏されていた「あなただけを~Summer Heartbreak~」が来るというのが、あくまでアルバムの1曲、として演奏されている感じが良いですね。その後がYoung Loveの陰の方になる曲が続くというのが、後のアルバムツアーを見ると意外といいますか、早いともいいますか…。このあたりの流れが何となく次回作の「さくら」に繋がっている気がしますね。
「ドラマで始まる恋なのに」をもし演奏していたらこのコーナー(あなただけをの次あたり?)でしょうか…?
11.平和の琉歌
12.C調言葉に御用心
13.夏をあきらめて
14.涙のキッス
15.愛は花のように(Ole!)
16.希望の轍
17.真夏の果実
11~17曲目に参りましょう。
最初のYoung Loveの15曲目こと(?)「平和の琉歌」はコーナー的にどっちに入れるか迷いましたがこちらに。ここは夏のザ・王道コーナーですね。この前後の屋外ライブを見ましてもこれだけの並びはなかなかないと思いますね。「愛は花のように(Ole!)」以外は2年後の「海のYeah!!」に収録されていますね。だからザ・王道とも感じてしまうのですが。
夏のツアーとなりますと、「THE音楽祭-1991-」以来5年ぶりとなりますので、お久しぶりの出血大サービス、ということもあったのでしょうか。
サザンのアルバムのツアーですと、割と過去のアルバムから連続で選曲されるコーナーが設けられることが多いのですが、このツアーでそういうコーナーがあるとすれば、「稲村ジェーン」収録曲が続く15~17曲目になるのでしょうか…。夏曲が続いている流れなので、アルバムのコーナーという訳ではないかと思いますが、結果的こういう形で稲村ジェーンに触れる結果になったのは面白いと思います。
18.太陽は罪な奴
19.胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ
20.愛無き愛児~Before The Storm~
21.恋のジャック・ナイフ
22.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
23.マチルダBABY
24.マンピーのG★SPOT
25.ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)
26.みんなのうた
27.愛の言霊~Spiritual Message
18~27曲目まで一気に行きましょう。
夏曲の流れのまま「太陽は罪な奴」から再びYoung Loveコーナーへ。所謂煽りコーナー前のバラード枠ではありますが、ここに「愛無き愛児~Before The Storm~」が入るというのも、また珍しい緩急の付け方、といいますかアルバムの繋がりの中ではありますが、意図的に強調されている感じがありますね。
「恋のジャック・ナイフ」からの煽りコーナーはまた凄まじいですね。ちなみに初日のつま恋多目的広場公演では「マチルダBABY」がなかったらしいです。アンコールで演奏されていますが、「勝手にシンドバッド」抜きで新曲を加えた時のベストセレクトという感じがありますね。1998年の「スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』」以降は、「ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)」→「マンピーのG★SPOT」という流れで固定されていますので、マンピー→ボディスペ、となっているのは今見ますとレアな流れですね。
本編ラストは「愛の言霊~Spiritual Message」、センター中央の球体が開き花のセットになるという仕様でしたが、ビデオ/DVDでのダイジェスト版ですと開いてそこへ桑田さんが、というシーンで終わってしまうので、どういう結末(?)を迎えるのか気になるところですね。
En1.ニッポンのヒール
En2.勝手にシンドバッド
En3.心を込めて花束を
En4.いとしのエリー
アンコールでございます。
「ニッポンのヒール」から始まりますが、これは1994年の桑田さんソロツアー「さのさのさ」と同じですね。1999年の「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」でも途中「My Foreplay Music」に代わるまではこの曲でしたので、この頃は仕切り直しの頭に使いやすい曲だったのでしょうか…。
2曲目はシンドバッド、このツアー毛ガニさんが腰痛で残念ながら欠席となりましたが、毛ガニさんが居ない時にシンドバッドを演奏する時はアンコールで演奏されることが多い傾向があるのは偶然なのでしょうか…(2005年「みんなが好きです!」、2008年「真夏の大感謝祭」(この時は一応この曲で登場してはいますが)。2003年の「SUMMER LIVE 2003「流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~」は本編ラストですが、25周年+3年ぶりのサザンというのがありそうですね)。
ラストはYoung Love最後の曲でもある「心を込めて花束を」、CD版では編曲が宮川泰となっていてメンバーの演奏ではない曲ではありますが、それをバンド演奏という形では初披露となる、というのがライブらしくて、尚且つそれが締めとなるというのが何か良いですよね…。
そして沖縄ではダブルアンコールという形になるのでしょうか。急遽「いとしのエリー」を。こちらも平和の琉歌ビデオ/DVDにフルが収録されていますが、仕方ない事情だったとはいえ毛ガニさんがいなかったことだけが残念だったと思います…。
さて雑に振り返ってみました。こう見ますとアルバムツアーにも関わらず、渚園や2000年の「茅ヶ崎ライブ」に負けず劣らずなセットリストになっていたのだな、と改めて感じましたね。
よく「Young Love」というアルバムは原点回帰という言葉は付くのを目にしますが、ライブに関してもある意味サザン=夏というイメージに乗っかった、ある意味での原点回帰ともいえるような感じがあったのかもしれませんね。だからこそこの年と翌年の年越しライブ「牛」や「おっぱいなんてプー」のセットリストがあのような形になったことや次のアルバムが「さくら」というのが反動、というと違うのかも知れませんが、そうなっていったのはある意味で必然だったのかしら…と。
最初に書きましたが、当時を体験していませんので、セットリストから読み取っただけの都合の良い解釈な妄想と嗤って流して頂ければ幸いでございます。このシリーズの次は…果たしてどうしましょうか…。