適当文集

140文字でも書けそうな事を引き延ばして雑に書くところ

6.25の長嶋茂雄とサザンオールスターズ

6月25日といえば、主にここの文を読んで下さっている方にとってはサザンオールスターズのデビュー記念日というのが多くを締めるのだろうか。最もこの雑文もその日に更新する前提で書いているので(故に何か告知があったとしても反映はされていない)、私にとってもサザンの日、というのが染み付いていると言えようか。

そしてもう1つ私に、そしてプロ野球という存在にとって重要な日でもある。

 

66年前の1959年6月25日に昭和天皇・皇后両陛下が後楽園球場で行われた讀賣ジャイアンツと大阪タイガース(現阪神タイガース)との試合を観戦された所謂「天覧試合」が行われた日である。

この試合でプロ2年目ながらジャイアンツの4番打者を務めた長嶋茂雄は試合を決めるサヨナラホームランを含む2本のホームランを放ち、自らを国民的ヒーローとしての座を決定的なものにするのと同時に、地位の低かった職業野球をプロ野球という国民的娯楽に押し上げ、プロ野球人気を不動にしたのである。

 

その19年後の1978年6月25日、サザンオールスターズは「勝手にシンドバッド」でデビューした。発売当初こそ売れなかったものの、テレビ出演をきっかけにブレークを果たし、いきなりデビュー作がヒットソングとなり、瞬く間に人気者へなっていくことになる。

偶然にも両者は「6.25」に転機が訪れたのである。とはいえ立教大学時代から名が知られ、プロ1年目から大活躍を見せ、既にプロ野球の花形スターであり、そのイメージ、そして象徴として決定的となった日になった長嶋とは違い、この日にデビュー作として発売した1枚のシングルレコードのヒットにより、世に知られ人気者になって「いく」サザン、という大きな違いはあるにしても、国民的野球選手、でありヒーローと呼ばれる長嶋とやがて国民的ロックバンドと呼ばれるようになるサザンと「国民的」というワード(個人的には少し引っかかる、使うのに違和感のある言葉ではあるが)で交わることになるというのは、興味深いし、長嶋もサザン(特に桑田佳祐、といえるだろうか)もそういった言葉や世間のイメージを守るためのある種のペルソナを被っているようなところ、そしてそれを被っていることを皆何処かで感じてしまう、本当の「神様」ではない、人間らしさのようなものを思わせてしまうところもまた共通しているように思えるのである。

 

天覧試合は長嶋のサヨナラホームランで決着がついているが、このサヨナラホームランを打たれたタイガースの投手である村山実は生涯このホームランを「あれはファールだった」と言い続けている。とはいえ同じタイガースのチームメイトでレフトを守っていた西山和良やキャッチャーの山本哲也は、はっきりとホームランであったと振り返っており、マウンドにいた村山の位置からはポール際の当たりはファールに見えたのでは、という説を唱えている。打倒巨人・打倒長嶋に野球人生を捧げ、長嶋最大のライバルとなった村山にしてみればその原動力として、そう言い続けていたという側面もあったのだろう。そういえば長嶋がホームに戻ってくる際に狙ったかのように、長嶋がホームインする直前、その後ろを通り村山は三塁ベンチへ戻っていくシーンが残っているが、そういった「交差点」を作る村山も、ある意味では長嶋に負けない役者っぷりを発揮している。

 

勝手にシンドバッド」で早くも売れたサザンであったが、その曲調や所謂ジョギパン姿に「目立ちたがり屋の芸人」発言もあって、コミックバンド、という評価がされてしまうことになり、そのイメージ先行によるギャップに翌年1979年発売のシングル「いとしのエリー」のヒットまで悩まされることになる。ある意味で「勝手にシンドバッド」のヒット、というのはデビュー作でホームランを打っているのと同時に、そういった自分達が想像していなかったところにイメージが作られ困惑してしまうというある種のファール的側面があったのではないのだろうか。

試合はその場で判定が下り、ファールではなくホームランとして永遠に残る。そして今年野球の星へ帰った長嶋は永久に不滅の存在となった。

 

一方、サザンは今日デビューから47年目の記念日を迎え、現役として活動を続けている。あの1959年6月25日の天覧試合のように「結果」が残ってはいるが、まだ現役である以上、あの時の「評価」はまだ判定が下ってはいないと言えるのだろう。1978年6月25日のデビューとその後というところでは、ホームランかファールの判定は未だに下っていないのかもしれない。いや、もしかすると本人達は村山と同じく「あれはファールだった」と思っていたりするのかもしれない。

 

サザンの6.25にはまだゲームセットは告げられていないのである。

 

マンピーという言葉のサザン的な立ち位置を何となく考えてみる、の補足版のようなものを

本日は「マンピーのG★SPOT」さんのシングル発売30周年ですね。そんなマンピーさんへの大感謝を込めまして(?)。

以前、2020年12月にこんな雑文を書いておりました。

「マンピーという言葉のサザン的な立ち位置を何となく考えてみる」

https://wawakko.hatenablog.com/entry/2020/12/09/221619

 

私個人の考え方としましては、正直ここからさほど変わってはいないのですが、5年経ち、思った事をちょこっと書いてみようかしら…と。言葉の立ち位置というよりかはマンピー雑談といったところになりますか(前回もそうよ)。

 

5年経ちまして、更に大御所感、と申しますか、ますます「サザン=マンピー」というイメージであり、演出が固まってきた感があるわね…と。

サザンとして再び(もはやいちいち何回目、というのも野暮な気がします)活動再開となりました2023年の「茅ヶ崎ライブ2023」、そして翌年、最後の夏フェスとして出演しました「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」でも本編ラストを務めるなど、(その前からありましたが定着したという意味で)2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」以降の本編ラストマンピーさんの流れという系譜は受け継がれていましたね。

一方で本編ラストの帝王(?)とも言えました「勝手にシンドバッド」大師匠は、アンコールラストに回り、抑えの切り札とも、ゲームで言う真のボス的ポジションとなり、盛り上がりポジションを2つ作り、盛り上がったまま終わる、という長らく定番となっていましたバラード終わりとは違う、明確に区切らない(分かりやすい終わりを作らない)という組み方が定着したことも一因としてありそうですね。この終わりを作らない、というのはまた長くなりそうですので、またいつか何処かで書くとしまして(求められていない&多分忘れる)、おそらく活動ペースが増えれば、また違う形も披露されるとは思いますが、ある程度限られてしまいますと、どうしても求められているサザン、というのもを優先してしまうところがあるのではないのかと思うのですよね。桑田さん自身も偉大なるマンネリ、なんて言葉を使っていたことがありましたが、ドラマ「水戸黄門」における印籠のように、サザンとしての「お約束」というものを現時点では大事にしていると思うのですよね(水戸黄門における印籠が、サザンではイコールマンピーになる、というのがとてもサザンらしくないですか(?))。もちろんそういった予定調和に異を唱える声、というのもあるとは思いますし、そういった(特にライブをよく見ていらっしゃるような)方々もいるというのも分かっているとは思いますし、難しいところでもあるのでしょう。

とはいえ、そういった方でも「次はどんなヅラを被ってマンピーをやるのかしら…」という期待だったり、楽しみもあったりするとは思うのですよね。それまでマンピーのヅラ、というのは、ある意味でマンピーを歌うための、あのダンサーさんやモニター映像の演出をするためのある種の「変身」をする必要があり、それが表面化した姿、という印象があったのですが、最近ふと、あの毎度変わるヅラは実は「マンピーのG★SPOT」、という桑田さん(サザン)本人からもマンネリ、と言われた中での最も新鮮で、最も古典的であり、定番ではあるが、マンネリではないという部分を表わす「キーアイテム」のような気がしたのですよね。

もちろんこれは私の特技であります(?)「都合の良い解釈」ということになるのですが…。とはいえごくたまにありますヅラを被らないマンピー、というのも事件(ネタ)になりますし、意外と深いところがある…、いやそんなこともない(?)ものだったりするのではないかと思ってしまうのですよね。

そんなマンピーさんも30年でございますが、(「希望の轍」もそうですが)かつての「勝手にシンドバッド」や「いとしのエリー」のような封印発言をされることなく、ここまで来てしまっていますし、10年後に不惑を迎える前に、血迷って(?)封印発言されてしまう世界線も見てみたいですね(ここはメジャー挑戦としますか(野球好きおじさんの例え)すぐに帰国してはいけませんよ(?))。そうなった場合に誰がマンピーさんの代わりを務めるのか、シンドバッド先輩が再びその座に着くのか…という妄想くらいはさせてください。

…書いていましてこの流れ、中西社長が退任し、大里会長が社長も兼ねる流れに似ていますね。つまり中西くんはマンピーだった…(?)(不適切発言)。などと考え始めてしまいましたので、そろそろ締めた方が良さそうですね(そして私はアミューズに締められるのでしょう(?)私はいつでも心にAmuseです、大里会長(?))。

 

何と申しましょうか…。実はマンピーさん自身が現在の立ち位置に関して1番困惑しているのかも知れませんね。いや私、こんなに使われているけど結局はマンのピーだし…。G★SPOTだし…。桑田は桑田で、ヅラを被って歌うし、挙げ句の果てにはピーをコにするし…。酷いわよ、なんて思っていたりして。

でもこれは何となくサザンオールスターズという、所謂国民的バンド、と呼ばれることについてある程度は受け入れつつも、いつも何処かちょいとだけ困惑しているような存在と似ているような気がするのですよね。これがロックの子、ならぬサザンの子なのかしら…と思ったり思わなかったりするのでございました。



以下、余の談(…という名の言いたいだけシリーズ)

どうしても言いたい(書きたい)ことがございまして…。マンピーさん30年のどさくさに言いたいと思います。

 

今、ある芸能ニュースが世の中で話題になっているではありませんか…。私自身、その報道や内容についての興味は正直薄いのですが、それ関係のニュースを眼にする度にどうしても頭に浮かんでしまうネタを吐き出したいと思います。




「(マンピーさんのB面である)メリージェーンと琢磨仁ならぬ、メイージェーンと田中圭ですね」

 

…お後がよろしくないようで(それはいつものこと)。

 

サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025 「THANK YOU SO MUCH!!」の感想のようなものを(石川編)(ネタバレあり)

1月12日に石川県産業展示館で行われましたサザンオールスターズ LIVE TOUR 2025 「THANK YOU SO MUCH!!」にうっかりこっそりとお邪魔してしまいました。その感想のようなものです。

 

この時期に公開している、ということはライブの内容・セットリストに思いっきり触れておりますので、まだライブに行っていない・ネタバレは絶対NG、私が嫌いな方(?)は、しかるべき時期にお越し頂ければ…と思います。

 

さて今回は石川の2日目にお邪魔することとなりました。SNS等での反応を見ますと、どうやら応援団先行は原則1人1公演の当選、というような形になっていたようですね。石川公演は個人的にはまさか…でしたね。エントリーした中で一番当たらないと思っておりましたので…。

 

ライブにお邪魔するのは2023年の2月以来、ほぼ2年ぶり、サザンのライブは2019年6月以来、実に5年半ぶりとなりました。

さて、当日新幹線を乗り換えるという、2019年に名古屋へ向かった時以来の事態でしたね(大袈裟)。しかしここまで来てもライブはある、という実感が無く、別な意味で困惑して向かっておりましたね。

何だかんだで4時間はかからない位で金沢駅に到着、生まれて初めての石川県でございました。

いざ会場へ。よむ展に向かったのですが、ここで急に「あっ、今日ライブにお邪魔するのね…」という実感が。そして出ましたライブ前のマリッジブルー的体調不良&精神不安定(ただ人酔いした説)。さて、ここからはトイレと共に戦いのスタートです(慣れてはいるので人前では出さないのです)。

何とか持ちこたえ(その間にお逢いしました皆様ありがとうございました。様子のおかしなおじさんだったことでしょう(?))、いざ会場へ。座席の書いてある用紙の発券時に近くの方が何と1列目を当てておりまして、心の中でおめでとうございます、と思ってニコニコしておりました(16時30~40分くらいに引き当てた方、もし見ていましたら、改めておめでとうございます、でした)。私の座席…?ちゃんと身の丈に合うような座席でしたよ(?)。



会場内に入りますよ。ネタバレNGな方、本当にここで引き返して下さいませ…。



会場内へ。もう自分との戦いが辛いところで、「本日は」のナレーション。ピークです(?)。確かナレーションが流れた時点で17時になっていたような。

そしていよいよメンバーご登場。最後に桑田さんが出てきましたが、他のサザンのメンバーが登場してからちょっとだけ間があったような…。

いざ開演。さて私は無事にいられるのでしょうか…?。



1.逢いたさ見たさ病めるMy Mind

キーボードの音がちらっと流れましたが、もしかするとイントロ無しの曲かしら…?と思っていた中で「夜毎〜」の歌い出しが。何となんと大好きな「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」先輩ではありませんか。1998年「Act Against AIDS’98 オールリクエストショー」や2011年のやさしい夜遊びでの生歌披露はありましたが、サザンのライブでは1991年「THE音楽祭 -1991-」以来34年ぶりの披露となりました。しかもこの音楽祭はムクちゃん(関口さん)が体調不良で欠席していましたから、ムクちゃんとしては1982年「青年サザンのふらちな社会学(ツアーTHE NUDE MAN)」以来、43年ぶりのライブ演奏となるのですよね。そう言う曲を演奏する時の心境というのが気になりまして、ムクちゃんの方を見たのですが、まあ見えません(?)(身長が低いのでしゃアない節です、座高は高い方ですが(?)(つまりは))。ちなみに34年ぶりというのは、1980年「サザンオールスターズがやってくるニャーニャーニャー」→2008年「真夏の大感謝祭」で28年ぶりに披露された「働けロック・バンド(Workin' for T.V.)」の最長ブランクを更新することになりました(この時は…ね)。

今回は席的にステージが殆ど見えないところではあったのですよね。それもありましたが、新作アルバム「THANK YOU SO MUCH」は読み物を意識した、という桑田さんの発言を思い出し、今回は両サイドにあるモニターで新旧の曲を問わず歌詞を読みつつライブを見る、という形で見て見ようかしら…という考えになりまして臨むことにしました。

「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」という曲名がまた良いではありませんか…。45周年のライブであった2023年「茅ヶ崎ライブ2023」に前年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」、そして桑田さんソロの「JAZZと歌謡曲シャンソンの夕べ~R60」と、ライブ活動や動員数がどうしても限られてしまう中で、ファン心理としては、やはりサザンに「逢いたい」という思いが、45周年以降で最も強くなっている時期だと思うのですよね。その今のファン心理を具現化したような曲名(曲の内容としては違いますが)を持ってくる、というのが、サザンなりのみなさんお待たせしました、というメッセージが込められているように感じてしまったのですよね…。

終盤の英詞部分はカットも短くすることもなく、きっちり歌っておりましたね。やはり「茅ヶ崎ライブ2023」以降は変に短くせずに1曲を丁寧に演奏する、というのがあるのでしょうか…。

原曲のラストの英語で桑田さんが叫んで、コーラスがイェーというところ(相変わらずの説明下手)で、桑田さんが「THANK YOU SO MUCH!!」と言っていましたが、これがまたピタリとハマっていまして。もしかしてこれが前提の1曲目だったのかしら…とも思ってしまうくらいでございました。

 

2.ジャンヌ・ダルクによろしく

「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」ラストの「THANK YOU SO MUCH!!」から、繋がったように、アルバム「THANK YOU SO MUCH」に収録されます、この曲が始まりましたね。流れて的に、もしかしてアルバム曲が来るのかしら…とは頭にあったのですが、「世に万葉の花が咲くなり」のアルバムツアーであった1992年「歌う日本シリーズ1992~1993」以降、最初のMC明けにアルバム曲をコーナー的に演奏する、という流れが定着していましたが、果たしてそれを崩してくるのかしら…とも同時に思っていたのですよね。

そこでご登場されたのが、この曲ですから歴史が動いた、というのは大袈裟ですが、長年のパターンを崩して来た、というのが驚きといいますか、新鮮さを感じたのですよね…。同時に1999年「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」がニューサザンを目指した、というものとはまた別な意味でニューサザンをやろうとしているのでは…ということを感じてしまいまして、ここである程度頭の中に持っていたサザンの方程式(?)は今回無意味であると、捨てました(?)。

歌詞に「熱いステージが始まるよ」というフレーズがあるように、序盤の早い段階で演奏しやすい曲、というのもあるのかなとは思います。また「昔話をするようで悪いけど」というフレーズを聴きますと、桑田さん曰くこの曲はサザンという訳ではなくロートル・バンドのイメージ、ということでしたが、どうしてもサザンとして受け止めてしまうわけでして、「昔話を~」というフレーズは、逆をいえば昔話が出来るくらいの歴史と曲が積み重なっているサザンだからこそ歌えるフレーズだと思うのですよね。

この曲の始まりとともに、バックの幕が開きサザンのロゴが出てきましたね(サザン応援団の公式Instagramに投稿されているあれです)。セットっぽく見えましたが、よく見るとモニターの映像でしたね。あのセットのままライブを進めるのかしら、と思いきやそんなことはなく。

この曲で銀テープがパーン。突然キャッチが出来ない距離ではありましたので、そこはさほど気にしていませんでしたが、いつの間にか前の席の方々が持っている…?。なるほど、「ジャンヌ・ダルクによろ(46列目)しく」ということでしたか(?)(49(しく)列目の方々に行き渡っていたのかは不明)。

 

MC

こんばんは。と2回でしたかありましたね。

「生まれ故郷の金沢に戻って参りました」と言っていましたが、若干金沢が神奈川に聴こえまして、色々な意味で間違っていないのでは…と思っておりました(?)。長くやっていますが、THE ALFEEよりも年下です、で笑いを取っておりましたね。ネタにする方も、される方(失礼)も長い・凄い(?)。ライブは30分で終わります、といういつもの一言もありましたね。そういえば今回名乗りで違うグループを言う件はありませんでしたね。残念(残念?)(あれ好きなのよ)。

 

3.せつないに胸に風が吹いてた

アルバム「THANK YOU SO MUCH」の収録曲から演奏する、といういつものアルバムコーナーにはやはり入らず、でしたね。「ジャンヌ・ダルクによろしく」のところでも書きましたが、ここで今までのライブのパターンが崩れたことを完全に悟りましたね。故にここからどう組み立てていくのか…というところに興味と楽しみが向くことになるのですが。

MCを挟んでいますが、「ジャンヌ・ダルクによろしく」からの流れ、というのがまた良いですね。そちらの曲がロートルバンド、ベテラン感のある主人公であるのに対して、この曲は学生時代の「音楽(夢)」から離れて行く仲間たちを歌っている、というのが、過去と現在を表しているのと同時にサザンの歴史、というのも表しているといいますか…。「THANK YOU SO MUCH」には「悲しみはブギの彼方に」というアマチュア時代に作った曲を収録している、というサザンの50年史のような形になっているこのアルバムにも繋がっているように思うのですよね。ある種、サザンの歴史が本になった際に、最初と最新のページになっているような、そんな感じを受けたのですよね。

ジャンヌ・ダルクによろしく」には「虹を掴むまで辞めれない」というフレーズがありますが、この曲にも「虹のように消えたストーリー」「愛だけじゃ奪えない七色の未来」と虹(七色)という共通するフレーズがあるではありませんか。何と申しましょうか…。サザン、として見るならば、こちらから見れば十分「虹」を掴んでいるように見えるではありませんか。でもまだ掴んでいない、若き時代から「虹(七色の未来)」を求め続けている、というように感じてしまうのですよね…。と、完全にこの流れに惑わされている愚かな私でございました。

今回も英詞部分を歌っていましたね。良いことです(?)。間奏のギターを桑田さんではなく誠さんが弾く、というのもそういった学生時代からの流れを汲んでいるところがあるのかしら…と。

ライブでは2018年に「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」と「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」で披露されていましたが、個人的にはこの2回とも画面越しでの鑑賞でございましたので、ようやく生でお逢いすることが出来ました。

 

4.愛する女性とのすれ違い

この曲も大好きでして…。1音目で分かりました(?)(多分みんな分かると思いますが)。

2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」以来、12年ぶりの演奏と、ちょうど干支が一周してしまいましたね。アルバム「THANK YOU SO MUCH」が前作の「葡萄」以来10年ぶりですから、それに近い(それ以上ではありますが)という意味では、時間的にサザンのオリジナルアルバム、もしくはアルバムツアーとのすれ違い、というものもあったのもしれませんね(きっと偶然)。

何と申しましょうか…。「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」がサザン側から見たファン心理の曲名&選曲感がある、というのは既に書きましたが、この「愛する女性とのすれ違い」もそれに近いような感覚があるといいますか、そういう心理を理解しつつも、そこに答えられないもどかしさといいますか、新曲だったりライブを求められていることはもちろん分かってはいるのだけれども…というサザン側の思い、という意味でのすれ違い、という意味もあるのかしら…と。

アルバム「KAMAKURA」のDisc1と同じ4曲目、というのも良いですね(そういえば「せつない胸に風が吹いてた」もアルバム「世に万葉の花が咲くなり」と同じ3曲目でしたね)。「KAMAKURA」の流れとは勿論違いますか、同じような安心感といいますか、こういったバラッド(敢えてこう書いております)もまた所謂1つのサザンよね…というものを感じさせるのにはちょうど良い場所だったりするのかもしれません。まあ私はそんなバラードナンバーに後方彼氏面をしながらも(?)、心の中で小躍りするくらいには喜んでいたというサンキューミスマッチテンション(?)だったのでした(そういうのをもう少し表に出しなさい、あんたは)。

 

5.海

前年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」に続いての演奏となりましたね。ロッキンと同じく冒頭に波音のSEがあってからイントロに入りましたね。

個人的には2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」では日替わりの1曲目であった為に聴くことが出来ず(「Ya Ya(あの時代を忘れない)」の日でした。というよりは1dayの宮城公演でしたもので…)、その後の2020年「サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」」にロッキンのライブビューイングと、ライブというものに行くようになってから、それまで演奏されている3回とも現地での逢瀬という点ではご縁がなく(無観客配信ライブはそもそもどうしようもありませんが)、今回ようやく画面越しではない「海」を聴くことが出来たというのは、嬉しいのはもちろんでしたが、お待たせしました、といった感じが強かったですね(表現が逆では)。

スクリーンには江ノ島が映っていましたが、個人的にこの曲にはそういった所謂湘南の海、というよりも、異国(海外)の海、というイメージを持っていますので、ちょいとだけ違和感があるといいますか、SNS風表現(なのかしら…?)でいいますと、所謂公式との解釈違いとやらになりますね(?)(そこまで違いに対して感情を剥き出しにしている訳ではないですが)。

今回もラストのサビ「言葉じゃ言えない"好きよ"」を2回繰り返して歌っておりましたね。曲から一部カットをしない、というのはありましたが、付け足す、というのは勿論今までに無かったわけではありませんが、逆を付いて来ているような感じがあり、それもまた珍しいなと…。

 

6.ラチエン通りのシスター

この曲も2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」以来と、灼熱のマンピー以来、というのが、頭に付くような曲が多い感じがありますね。2013年、というのは2008年からの無期限活動休止を経てのサザン活動再開の年ですから、ある意味でそういったリセットした時間以降の、現在のサザンに続いている源流である、というところから考えますと、もしかするとそういったところを多少は意識している選曲だったのかもしれません。

灼熱のマンピーはアコースティックコーナーでの披露だったので、バンドスタイルでの披露は2004年「真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル〜」以来となりますね。

バックモニターではラチエン通りの映像が使われていましたね。確かちょいとレトロ(フィルム)風な映像になっていたような記憶があります。

夜遊び(2024.12.14放送回)で初期の曲の話になった時にこの曲名を出していましたが、ライブ選曲・リハーサルの時期と重なっていましたし、その流れでポロっと出た感じだったのでしょうか。

 

7.神の島遙か国

もうイントロ前の三線の音で分かってしまいますね。とはいえ1%位は「もしかすると「ナチカサヌ恋歌」をやるのでは…」とは思ってしまう私(だってそちらも聴きたいですからね)。

この曲がリリース前に行われたドームツアーであった1999年「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」を除き、それ以降に行われました、ドーム公演の4回中3回(2015年「おいしい葡萄の旅」でのみ演奏されず)披露されているなど、沖縄がテーマになっている曲でありつつ、実はドーム向けの曲、という何とも不思議な立ち位置にいる曲になっている気がしますね。

以前、桑田さんが「イエローマン~星の王子様~」をリリースの際に「東京ドームの5万人が腕を振る姿を想像して作っていた」ということを発言していた、ということですが、この曲も手拍子が他のサザンには無い独特さがあり(そういうリズムを何拍子とかいうのかもですが、私には分からないのよ)、サビも沖縄音楽的なノリで客席が腕を動かす、というのも客説側を含めた演出の1つとして、この「イエローマン~星の王子様~」の時の考え方と近いものがあっての、ドーム向き選曲、になっているのかもしれませんね。

スクリーンに流れておりました、珊瑚などといった沖縄の海を連想させるものたちがちょいとファンシー感があって、可愛いなとおじさんは思っておりました(あんた気持ち悪いよ、シリーズ)。

私の前列右側におられましたおじさまが、その沖縄音楽風ノリの腕の動かし方がまた良い動きでございまして、基本棒立ち後方彼字面スタイルの私としましては、ノリの悪い私の分までよろしくお願い致します、といった心境で見守っておりました(?)。ちなみに前列左側にいましたおじさまは動きも少なめで私と近いスタイルの方でしたので親近感がございました(?)。

 

8.愛の言霊~Spiritual Message~

冒頭、和の雰囲気がありましたがちょいとした軽さのようなものを感じておりまして(いよー、ポン、というよく聴くBGM(名称分からぬ…))、「盆ギリ恋歌」か「愛と欲望の日々」あたりかしら…と思っていたところにあのイントロですから、不意を突かれたようなところがありましたね。同じ和がテーマでもこうも変わってくるのね、と改めて思った次第でございます。

スクリーンの前にセットがありまして、それが時々ステージに現れるのですが、どこか襖のような感じがありまして、そのセットがまたこの曲に合っていたのですよね。

アレンジは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」と同じだったでしょうか…。ロッキンと同じく、ラストのラップを原曲通りにカットもなく歌って下さったのは良かったですね。それを生で聴けたのですから更にです。

ライトや炎などの演出もありますし、ドームだとさらに映えるのだろうな…と思いながら見ておりました。そういえばドームでの演奏は最初のドームツアーでした、1999年「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)〜素敵な春の逢瀬〜」のみでの演奏だったのですね。どうしても夏の野外ライブでのイメージが強いですから、そういう曲が冬〜春のアリーナ・ドームツアーという真逆、といえますライブで今後どう進化していく・披露されていくのかがとても楽しみですね。特にこういった完成されている曲は特に。

 

MC

ここでアルバム「THANK YOU SO MUCH」に触れていたのですが、16枚目のオリジナルアルバムと10年ぶりのリリースが混ざったようで、「10枚目のアルバム…」や「16年ぶりの…」と間違ってしまう桑田さん可愛らしかったですね。そんな桑田さんの裏で原さんの笑い声をマイクが拾っていたようで、小さく聴こえていたのも良かったですね。原さんのマイクを切らずにいて下さって「THANK YOU SO MUCH」、でございました(?)。

 

9.桜、ひらり

アルバムから新曲を、と披露されました。「ジャンヌ・ダルクによろしく」が前年の配信リリース・「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」で歌われていることを考えますと、この曲も1月1日にアルバムから先行配信されているとはいえ、実質アルバム「THANK YOU SO MUCH」から最初に演奏された曲、ということになるのでしょうか。

そういった所謂新曲の第1弾としてこの曲が演奏されるというのもまた意味合いがあるように思いますね。特にこの石川公演を皮切りにツアーをスタートするということもありますし、何より曲からその温かさといいますか、優しさが感じられるのですよね。

意図的なのか偶然なのかは分かりませんが、今回はこの石川に神戸、そして宮城とこの30年の間で、特に大きな震災に見舞われた場所を回るツアーでもあるのですよね。しかもいずれの場所も1月、そして3月という時期に震災に見舞われたところでもありますし、勿論この「桜、ひらり」が収録される「THANK YOU SO MUCH」というアルバム制作時に当たっていたこともありますが、この石川という場所はもちろんのこと、未だ癒えない傷を持つ場所、いや日本全体を歌った曲であるのだと改めて感じまして、曲の受け取り方もまた変わったような感じがあったのですよね…。

とはいえ、ちょいとご登場が早かったような気がしましたね。まあサザン(3×3)が9で、9曲目にそういった想いを抱いている新曲を披露、というところを狙っていた故の選曲だった、ということにしておきましょう(?)。

 

10.神様からの贈り物

続けて演奏されたのはこの曲でしたね。

2番ではスクリーンに「ザ・ビッグ・ヒット・タイム(あれ…パレードだったような(記憶でパレードの方として残っていますが、歌詞優先(弱気)))」と歌詞に登場するフレーズと同じタイトルの番組風映像が流れましたね。尾崎紀世彦さんや坂本九さんといった歌手の方々や阿久悠さん、永六輔さん(だったでしょうか…)などといった作詞・作曲家の方(自分が知っている方の名前だけを書いています。他にも映っておりました)の映像や写真が使われておりました(作詞・作曲家の方々は静止画だった…はず)。

曲終わりに少しだけMCが入り、昔は良かったという曲なんですけど、こういう曲を作るともう…ね(笑)、と自虐的に話しておりました。

確かにこういった曲は割と珍しい気がしますね。ただ今回のアルバム「THANK YOU SO MUCH」全体に感じていたことなのですが、基本未来志向といいますか、先の方を向いて活動しているサザン(桑田さん)の中では、もちろんその先(未来)を見ていながらも、今までよりも、後ろ(過去)を振り返って見ている、という感じを受けていたのですよね。未来と過去への旅、とでも申しましょうか…。もちろん現段階でまだ解禁されていない曲がありますが、「悲しみはブギの彼方に」の収録だったり、まさにこの曲を最初にラジオで聴いた時にそういった思いを勝手に感じてしまったといいますか…。

とはいえ、そういった昔は良かったが書ける、というのもそれだけ活動を続けてきているということがありますし、そういったことが許される、自虐出来る、というのもある意味で今を生きて、まだ先に向かっている、という裏返しでもある気がするのですよね。…などと考えて見ているのですから、嗚呼、私は面倒くさい奴ですよ。こういう奴がよっぽどタチが悪い(?)。まあ本人たちが「昔話をするようで悪いけど」と歌っているので、許して下さることでしょう(?)。

でもね、「あなたがいなければ」や「あなたが目の前に」のところでこっそり小さくステージに向かって指を指すくらいには、ステージの方々を想っているのよ(?)。

 

11.史上最恐のモンスター

「神様からの贈り物」終わりの短いMCが続き、次の曲はまだ自分のラジオでも流したことのない曲です、と紹介があってからのこの曲となりました。

個人的な話になるのですが、私がライブにお邪魔する方、というのは少なく、また基本的にライブに行くならその方(グループ)の曲は全て(頭の中であの曲だ、と分かるくらいまでは)聴かないといけない、というのが何故かありまして(厄介だと自分でも思っている)、なので知らない曲は無い状態で臨むのですが、今回はその知らない曲が2019年「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎」での「愛はスローにちょっとずつ」以来6年ぶりにここで来てしまいましたね。

イントロからしばらくは、おどろおどろしくなった原さんソロ「夜の訪問者」といったところで後半からロックオペラ(…でいいのだろうか…)のようになっていく、といった曲調でございまして(伝わらないわよね…語彙&知識が無く申し訳ございません)、歌詞は所謂風刺枠に当たりまして、環境問題や戦争(ウクライナというワードも歌詞に入っていました)といったところを歌っていましたね。少し前にたまたまラジオで聴きました(ありがとう、津田健次郎さん(?))、井上陽水さんの「最後のニュース」が何となくイメージに近いわね…と思いながら見ておりました。

今回の初聴きではモンスターとは、結局は人類のことなのか、はたまた環境問題に嘆き、怒る地球のことなのかしら…なんて思ったりもしていましたが果たして…。そして今後自分自身の解釈がどう変わっていくのかが楽しみでもありますね。

「ヤバい」というフレーズがありましたが、これは近年の頻出ワードにもなっていますね。桑田さんソロの「OSAKA LADY BLUES~大阪レディ・ブルース~」で初めて使われて以降はこの曲を含め10曲で使われているのですよね(今回のアルバムでも「ごめんね母さん」と「ミツコとカンジ」の2曲でも使われています)。若者言葉、という訳ではないかと思いますが、日常でも当たり前のように使われていますし、語感的にも意味的にも歌詞のフレーズに使いやすい、というのがあったりするのでしょうか。

 

12.風のタイムマシンにのって

曲が始まる前、幼少期からサザンデビュー後の原さんの写真が5枚ほどスクリーンに映っていたのですが、自分で恥ずかしくなったのか、2枚目くらいから原さんの笑い声が小さく聴こえ、更に客席からの「かわいいよー」という掛け声でまた笑ってしまう原さん、という流れがまた可愛らしかったですね。同時に笑って歌えなくなってしまったらどうしようかしら…と思っておりましたが、流石原さん、心配は無用でございました。

この曲、何処か原さんソロの「夢をアリガトウ」に近いものを個人的には感じてしまうのですよね。

原さんが「江ノ島」を歌うのは意外と珍しいのですよね。過去には「シャボン」の1つだけでそれ以外は桑田さんですから、無意識に分けているところがあったのかもしれません。

桑田さんのボーカルはソロのライブで聴いていたこともありますが(とはいえ生で聴くのは2年ぶりになってしまいました)、原さんのボーカル曲を生で聴くのは前回のツアーであった2019年「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎」以来でして(「原由子スペシャルライブ2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」」ですか…おっと涙が(大袈裟))、実に5年半ぶりだったのですよね。ここの原さんボーカル曲で、「嗚呼…これがサザンね…」と改めて感じておりました。もしかすると私も5年半という時間の風のタイムマシンにのっていたのかもしれません(?)(言いたいだけシリーズ)。

「史上最恐のモンスター」の次に演奏されていますが、アルバムではその前に収録されているのですよね。何と申しましょうか…。「史上最恐のモンスター」のような曲の前後に原さん曲を置きたくなることが今回とても良く分かりましたし、同時に原さんのボーカル曲があるからこそ、こういった曲がサザンで出来る、というのがあると思ってしまったのですよね…。

 

MC

アコースティックコーナーに入るということで、その準備もあるのかここでも短めにMCが入りましたね。

桑田さんが客席に「トイレ大丈夫ですか(以降連呼)」とやたら聴いてくるので、トイレが近い身で、ライブ中は極力トイレを意識しないようにしている私からしますと、「(思い出して尿意が来る恐れがあるので)聴くのはおやめください…」と祈っておりました(?)(何よそれは)(結論から申しますとトイレは大丈夫でした)。

 

13.別れ話は最後に

アコースティックなので座って下さいと。皆さん座っていましたね。そういえば座ってサザンを見る、というのもなかなか無いですから貴重といえば貴重な時間だったのかも知れません。

「別れ話は最後に」という曲を、という一言でまさか…と。2009年に「桑田佳祐の音楽寅さん」でのスタジオライブでのおまけパート、という形で披露されたことはありましたが、サザンのライブでの披露となりますと、1980年「コンサートツアー ゆく年・くる年」以来、なんと45年ぶりの演奏となるのですよね…(年を跨いだツアーですが、私はスタートした年を起点にしております)。ええ、大事件です(?)。1曲目の「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」の34年(AAAからですと、27年)という最長ブランク記録をあっさり越えてしまうのですから…。

何と申しましょうか…。だから、ではありませんが、そんな曲が目の前で演奏されている、というのが何とも不思議といいますか、実感がないといいますか…。今までに無かった感覚を持ってしまったのですよね…。ええ、半端にライブ演奏履歴を覚えているおじさんになってしまうとこういった時厄介なのです(?)。

とはいえ、基本冷静おじさんではありますので(?)、青学時代からこの曲を聴いていて自身でカバーしている(2003年のアルバム「WALTZ IN BLUE」)誠さんがサポートメンバーとしてこの曲のギターを弾いている、というのは(2009年の音楽寅さんでも弾いてはいましたが)、勝手に感慨深いものを感じたりもしておりました。

終演後の話になるのですが、外に出ると雨が降っていたのですよね。この曲には「雨が降ってるのに 空は晴れている まして今夜は雪が降る」というフレーズがありますが、この数日前、一時はライブ開催が危ぶまれる雪が降っていたこともありまして、「雪が降ってたのに 空は晴れている まして今夜は雨が降る」ね…なんて最初に思ったりもしておりました。

 

14.能登半島石川さゆり

おもむろにフリップを取り出し(取るというよりもスタッフさんから受け取ろうとしていましたが、流れで桑田さんギターを外そうとしていたりとしていて、最初動きがぎこちなかったのが可愛かったです(?))、今日のワンコーラスコーナー(だったかしら…)としてフリップに書かれた5曲の中から、拍手を貰って歌う曲を決めるということでした(初日は挙手にしたら見えなかった、ということを話していました)。確かそこに書かれていた曲は

1.希望の轍

2.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

3.LOVE AFFAIR~秘密のデート

4.能登半島

5.マンピーのG★SPOT

という順番だったでしょうか…。そして明らかに4に誘導しようとする桑田さん。

ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」さんはまだレーザーが暖まっていない、「LOVE AFFAIR~秘密のデート」はムクちゃん曰く「(多分不倫に対して世間が、もしくはアコースティックコーナーということもあるのか)うるさいからダメ」などといったやらない理由を付けておりました。

そして忖度もあり(?)無事4である「能登半島」を。「夏から秋への能登半島」というところは「冬から春」へと歌詞を変えて歌っておりました(表示されている歌詞も冬と春は太字になっていた)。所謂ご当地ソング枠(もしくは石川限定のコーナーなのかもしれませんが…)ということなのでしょうが、この「能登半島」発売が1977年とサザンデビュー前年に当たるのですよね。おそらく偶然なのでしょうが、この前に演奏した曲である「別れ話は最後に」もこの前後(前だとは思われますが)に作られている、というのが、関連性があって面白いな、と。

そういえば桑田さんが病気明けで出演しました、2010年の紅白歌合戦は桑田さんの次が石川さゆりさんで「次は石川さゆりです」と桑田さんがアドリブで紹介して締めていたのですよね。15年越しにその石川さゆりさんの曲を歌う、というのは少し面白いな、とも同時に思ってしまったのです。

面白いと言えば、アコースティックコーナー内なのにもかかわらず桑田さんはギターを外し、ハンドマイクで歌っていたのですね。実はしれっと、このライブで桑田さんが初めてギターを外して歌った曲でもありました。

 

15.夕陽に別れを告げて

桑田さんがギターを持ち直し、アコースティックで披露されましたのは、この曲でしたね。実はこの「夕陽に別れを告げて」まで新作アルバム「THANK YOU SO MUCH」以外の曲は、収録されているアルバムの被りが無かったのですよね。昨年末にサザンの過去のオリジナルアルバムのリマスター盤が配信・サブスクリリースされていたこともあり、もしかすると、そういう過去のアルバムからも1曲ずつ演奏したりするのかしら…と途中からこっそり数えていたのですがそんなことはありませんでした(ライブに集中しなさい)。

私の記憶にあるこの曲は2008年「真夏の大感謝祭」後に収録された夜遊びの生歌で歌った際のテイクなのですよね。確かライブの翌日の収録で声がボロボロだったのですけど、とても印象に残っていて。それで生で聴いてみたい曲の1つになっていたのですが、その願いは17年越しにようやく、といったところでございました。

2020年「サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」」の無観客配信ライブでも演奏されてはいましたが、有観客では大感謝祭以来の演奏となりました。個人的には「せつない胸に風が吹いてた」や「海」と同じく、ようやく生でお逢い出来た…という嬉しさだったりがありましたね。今回はそういった定番といえます曲であったけれども、ライブで生で見るのには今まで縁が無かった曲の方々と出会えた貴重な機会になったな…と。

 

MC

ここでメンバー紹介がありました。弘さんの腕組みMCを見ますとサザンを感じます(?)。毛ガニさんの紹介時に古希になりました、という話があった際に後ろの方にいましたお子さんがおそらくお母さんに「古希って何?」と聴いていたのが可愛らしかったですね。毛ガニさんは今回、野沢”香箱ガニ”秀行です、と自己紹介していましたが、拍手と被ってしまったのでもう1回と桑田さんに言われ、2回香箱ガニと言うことになってしまっておりました。そして桑田さんムクちゃんにウクレレの話を振り忘れ、ムクちゃん自らウクレレの話を。桑田さん「(ムクちゃん)怒ってます」。

今回は室内ということもあって、帽子原さんではなかったことが少しだけ残念でございました(?)。

 

16.悲しみはブギの彼方に

アルバムコーナー後半戦は50年近く前に作った曲を、という言葉と共にこの曲からスタートしました。

「別れ話は最後に」からメンバー紹介の流れから客席は座っていたのですが、イントロが始まっても座っている方が多く、立って良いのかしら…みたいな雰囲気で周りを伺いながらちょこちょこと立ち上がる人が出てくる、という感じでございました。私は前の方が立ち上がりステージが見えにくくなったタイミングで立ち上がりました(結局見えないのですけどね)。

「別れ話は最後に」とはまた違った感覚、といいますか、私にとってはきちんと(?)新曲なのですよね。当然「悲しみはブギの彼方に」という曲としての存在は知っていましたし、何でしたら云々を聴くチャンスはあった(今もあるといえばある…のでしょうか)、のですが、何故か今の今まで聴いて来なかったのですよね。だから新曲としてこの曲を受け止めることが出来た、というのは偶然とはいえ色々と考えてしまう厄介勢な(?)自分自身にとっては良かったのかしら…と。

もちろん半世紀前に作られている曲ですから、そういった昔の感覚はあるとはいえ、きちんと2025年のサザンの音として、新曲として世に出ようとしている感がしっかりあるのが流石だと思ってしまうのですよね…。

 

17.ミツコとカンジ

「悲しみはブギの彼方に」が夜遊びで初オンエアの際、アウトロに片山さんのシンセが入り次の曲とメドレーのような形になっている、という話が桑田さんからありましたが、そのシンセの音が入り、そのままこの曲に繋がりましたね。その繋ぎのシンセ音に関してはラジオで流れていないので、アルバムに入る音源と同じものなのかは分かりませんが、多分そうでしょう(ライブはライブで変える、という罠(?)もありそうですが)。

曲名である「ミツコとカンジ」は夫婦だったこともあった、倍賞美津子さんとアントニオ猪木さん(本名猪木完至)から取っているのだと思われます。2番の歌詞に「チョップ」や「チャンピオンベルト」などといったプロレス要素もありますし。

スクリーンの映像は子どもが描くような棒人間を2段階ほどクオリティアップさせた絵が使われていましたね(伝わらない)。タイトルには関係無さそうな、歌詞には沿っていますが、所謂男女の恋愛といったところでしたね。とはいえ主人公の格好を見ていますと、基本的に現在の様子は主に青いネクタイ、幼少期は黄色い帽子をかぶった姿だったのが、最後の最後、夕陽に向かって走るシーンで赤いマフラー(タオル)を身につけているのですよね。その後チャンピオンベルトに少し見たことがある気がする顔が映るのですが、最後に猪木要素を目立たないように入れてくる、というのがまた「粋」といいますか、「ミツコとカンジ」というのは男女のことである、というのと同時に主人公からすれば、ミツコ(好きな(だった)女性)とカンジ(憧れの存在)とも解釈出来るのかしら…とも考えておりました。そういえば歌詞に「ミツコ」は出てきますが「カンジ」は使われていないのですよね…なのでどちらとも解釈は出来ますし、明らかにその人物を歌っているのに、その人の名前は出さない、周囲にいる人の名前は出てくるという「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」や原さんソロの「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」と同じ作り方をしているのもまた面白いな…と。

 

18.夢の宇宙旅行

モニターが並んだ宇宙ステーション的映像からのこの曲でしたね。この曲からリストバンドが光りましたね。つまり我々は南十字という名の宇宙船に戯れる星だったのです(?)。

イントロから会場は盛り上がってきましたね。全てが公開されていませんが、アルバムの中では所謂盛り上がる、ライブにおける煽り枠の曲、といった感じでしたね。

オリオン座やまさにそのままである「冬」という単語があるように、実はサザンとしては珍しい冬の曲でもあるのですよね。ある意味で夏のイメージが強いサザン、という存在からすると(年越しライブの先駆者的存在ではありますが)、ある意味で冬のイメージというのは夢物語、のようなものなのかもしれないわね…などと歌詞を見ながら思っておりました。

歌詞を見ますと、子どもの見る「夢」なのか、大人の思う、もしくは人生最後の「夢」なのか、などというような解釈が分かれる曲であると思うのですよね。そういう考えさせられる曲というのは何と申しましょうか、個人的にそういう曲は作った桑田さんの中に答えがあったとしても、あまり出して欲しくない(例え間違っているとは思っても)、色々と解釈させて欲しい、と思ってしまうのですよね(こういう奴は嗚呼、厄介…厄介…)。

解釈といいますと(こら、早速の厄介はお止め)歌詞の中に「御守りはIggy Popイギー・ポップ)のサイン」と「目の前に大谷翔平のサイン」というフレーズがあるではありませんか…。ちょいと調べますと、イギー・ポップさんは1977年に日本初来日していたのですよね。1977年といえばサザンのデビュー前年でそのデビューのきっかけとなるバンドコンクールである「EastWest’77」に出場した年でもありますね。そして大谷翔平選手、現在アメリカ、メジャーリーグでの活躍は連日のように報道されていますが、日本のプロ野球でのデビューは2013年と、サザンが無期限活動休止を経て5年ぶりに活動再開した年にも当たります。その2008年、サザンは「I AM YOUR SINGER」という曲をリリースしていますが、この曲のMVでは宇宙飛行士に扮するなど、宇宙船でのシーンがありますね。これらを合わせますと、夢の宇宙旅行、というのはこれまでのサザンの活動を歌っているのかしら…とも思ったりもしてしまったのですよね…。サザンの活動を振り返りつつも、そして「目の前に大谷翔平のサイン」でまだ「夢(サザンの活動)」は続いていく…という風にも感じてしまうのですよね…(まあ大谷翔平のところは最初ベーブ・ルースにしようとしていた、と桑田さんは言っていたので間違いなく違う「厄介」な解釈になるのでしょうけどね)。「大谷翔平」というのは現在、というアイコンの1つにもあると思いますし…。

 

19.ごめんね母さん

アルバム曲とはいえ、ここでこの曲を持ってくるのか…というちょいと不意打ち感といいますか、驚きがありましたね。例えるとするならば桑田さんソロの2002年「けいすけさん、色々と大変ねぇ。」で煽りパートで披露された「Blue〜こんな夜には踊れない」的な感じになりますでしょうか…。ただ、今回のこの後の煽りパートの流れを見た後に振り返りますと、ここで披露されたこの曲はまた良いアクセントになっていたわね…とライブ後にじわじわと感じておりました。

「夢の宇宙旅行」からAI的映像に繋がり、そのままこの曲のイントロに繋がっていましたね。「能登半島」以外ではこの曲で初めて桑田さんはギターを外し、ハンドマイクで歌っておりました。「果てなき宇宙への旅は ママの呼ぶ声と消えた」からこの曲ですから、夢から現実へ…感がまた色々な意味で凄いですよね。お母さん、色々と大変ねぇ、です(?)(何かソロ要素(主に2002年)が多い曲になってしまった)。そういえばダンサーさん登場はこの曲からだったでしたっけ…(曖昧)(その前にも出てた記憶がある、が思い出せない)。

アルバムでの曲順もまた良いですよね。この歌詞で、もう一度死ぬまで踊り明かす曲から、タイムマシンにのる曲に挟まれているのですから(?)。もちろん褒めていますよ。こういう何処か無機質で、救いも優しさも薄い曲というのは大好きですから…。桑田さんも割と淡々と歌っているといいますか、感情の起伏を抑え気味に歌っているようにも感じてしまうのですよね。

そして思うのですが、最後のAIボイスくん・さんの声、微妙に桑田さんと原さんの声を加工したら、出てきそうな声していませんか(?)。そのAIボイスくんたちが原曲通りの台詞を述べた後に「そしてミラーボール、回転」とあの曲への伏線を。こういうのをわざわざ付けなくて良いのでは、をしっかりを付けてしまうのが最高にサザンしていると思ってしまいますね(?)。

 

20.恋のブギウギナイト

あれは(多分)ロッキンと同じOverture、Overture(マンピーのサビのリズムで読んで見て下さい(?))だったでしょうか。

初の生「恋のブギウギナイト」はまだ歌っている方が68歳の為、「キミとROCK(69)を味わい」が惜しくも果たせなかったことが残念でした(?)(そもそも私自身が69ではない)(一部ではベーブ・ルースと同い年説が唱えられております(?))。

「ごめんよ母さん」からの流れですと、「やっぱ秘密がバレたよ」「アレに手を出したら」というのが、実はこの曲で「もう心はSeventeen」になってしまうほどに惹かれてしまった「キミ」という手を出してはいけない存在を口説いてしまった結果…という物語になるのかしら…とも歌詞を見つつ思っていました。…終演後、もし「夢の宇宙旅行」からの流れでしたら、「もう心はSeventeen」→「Seventeen=17」→「大谷翔平のメジャー移籍後の背番号は17」というところから、絶対にまた都合の良い解釈をしたのだろうな…と思った事をここに告白致します(?)(要は何でもすぐ都合の良い解釈をするおじさんなのよ、あたしゃ)。

スクリーンには色々なフォントのサザンが出ていましたね。ちゃんと自分の好みを見つけておけば良かったですね(?)。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」と同じく、終盤に「タケモトピアノ」・「ピアノ売ってちょうだい」と言っておりましたね。ロッキンの時は定着するのかしら…なんて書いていましたが、定着しそうですね。

そして残念ながらロッキンで謎のインパクトを持ってステージに現れていたあの自動販売機さん、今回は登場せずでした。生であのシュールなセット見たかったです(?)。

 

21.LOVE AFFAIR~秘密のデート

アルバムの曲から、「ずっと可愛いがって貰っている昔の曲をやりたいと思います」的一言があってからのこの曲でございましたね。「能登半島」を歌う前のフリップに書いていた曲はもしかしてやらないのでは…と思っていたのですが、そんなことは無く(ここで書きますが結果的に全て演奏しましたね)。

スクリーンに映った観覧車の周り方がとても早かった(ような記憶)のが何故か印象に残っている気がします。

近年、すっかり煽り枠の仲間入りを果たしていますね。(多分)桑田さん的には歌いやすい曲で、間違いなく盛り上がる、という2つがあるのが大きいのかと思います。

現在、に限らずではありますが、有名人の所謂不倫が常に1つのトピックスとして世間で扱われている世の中ではないですか。近年は特にSNSの存在もあり、かなり厳しい目(もしくは過激な投稿)が向けられるようになっておりますし、そういった目が、この曲のように不倫がテーマにしている曲にも向けられ、今後歌いにくくなるのではという危惧もある、もしくはそういったコンプライアンスに抵抗、ではありませんが気にする必要がある時代は来たりするのかしら…などと暗いことを考えてしまう私は何なのか。やはり私は「私の世紀末カルテ」族でございます(?)。

ボウリング場で格好付ける桑田さん、しばらく生で見ないうちに更にキレが増したように思いました(?)(分かったような口をきく)。

2018年「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」以降定着していましたアウトロでの「Be My Baby」が今回はありませんでしたね。「恋のブギウギナイト」でのタケモトピアノ口ずさみに枠を取られてしまったのでしょうか(?)(「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」では共演しているので多分違う)。

 

22.マチルダBABY

ここで「マチルダBABY」さんがご登場された時点で、「あっ、これ煽りは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」と同じ流れになるな…」、とは感じました。でもここまでの曲数的にみんなのうたあたりはカットかも…という予想までしておりましたが、見事に当たってしまいましたね。どうやら、年に数回の貴重な冴えをここで使ってしまったようです(?)。

とはいえ、過去4回のドームツアーの内3回、しかもこの煽りパートで演奏されていますのでロッキンが無くても演奏されていたとは思いますが。そのロッキンではダンサーさん無しでのスクリーンにゲーム風画面、という演出でしたが、今回は逆にダンサーさん登場でそういったゲーム演出無し、と逆のパターンになっていますね。とはいえサザンのライブではこの曲でダンサーさん登場はマストになっていますので、こう見ますと、ロッキンはサザンのファン向け選曲をしつつも演出はサザンファンではない方に向けていたところがあったのでは、という点を感じされるのは面白いと思います。

歌詞に「逢いたい気持ちが So Much More」というフレーズがありますから、この「THANK YOU SO MUCH」というアルバム名のツアーにもぴったりといえばぴったり、なのですよね。

そしてサビの爆発音に毎回ビビってしまう弱気な僕。とはいえあれは空砲なのよね…とも思いつつも、またうっかり天井が燃えてしまっていないかを眺めてしまう謎の冷静さを持つ打たれ強い僕がいます(?)(何故TSUNAMIになったのかは分からない)。

 

23.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

おめでとうございます。5回目となりますサザンドームツアー、唯一皆勤が確定となりました…という曲なので、余程の心変わりがなければ演奏されるとは思っておりました。とはいえ過去の流れとしては、2曲目(「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」)→煽り(「みんなが好きです!」)→2曲目(「おいしい葡萄の旅」)→煽り(「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎」)と、2曲目と煽りコーナーを交互に来ていたのが、今回続けて煽りでの披露となっていますね。これはサザンのライブで2019年までの、3曲目後MCから2曲目後MCに変わった、というのが大きいのではないのでしょうか。1992年「歌う日本シリーズ1992〜1993」で3曲目というのはありましたが、基本的には繋ぎの曲(繋ぎというには随分強力な曲ですが)なのですよね。煽りでも本編ラストというのは、1984年年越しライブ「縁ギもんで行こう」の1度きりで、1〜3曲目、煽りコーナーと繋いでいく中で、より生きる曲、といった起用法なのですよね。故に曲が終わってMCへ、とは入りにくい曲になっていると思うのですよね。ですので、2曲目後MCという形が定番化していきますと、2曲目ミスブラさん、というのは見られなくなってくるのかしら…と思ったりしてしまうのです(もちろん今後どうなるかは分かりませんが)。

ドーム公演皆勤には触れましたが、アルバムツアー、という観点から見ましても自身が収録されたアルバムである「人気者で行こう」以降、今回の「THANK YOU SO MUCH」までこちらもまた皆勤なのですよね。特に所謂定番といえます曲が「セオーノ」と「おいしい葡萄の旅」で割と振り落とされていたので、これは本当に凄いことだと思いますし、同時にこの曲への絶大な信頼感を改めて感じてしまうのですよね…。

レーザー光線の演出がまた凄かったですね。分かりやすく技術の発展ということもあるのでしょうが、年々こういった照明演出は派手さを増していっている感がありますね。「現代(いま)この時代(とき)こそ「未来」と呼ぶのだろう」です(?)(だから今回演奏していない曲を出すでない)。しかしレーザーの緑はいつの間にか定着していますね。私の中では東京ヤクルトスワローズと同じような存在となっております(?)(ただおじさんですので、緑といえば南海ホークスなんですよね…おっと野球おじさんは帰りなさい)。

 

24.マンピーのG★SPOT

本編ラストはやはりこの曲でしたね。近年はライブイントロのベース部分カットでそのままイントロに入るアレンジになっていますが、あれはヅラの装着時間短縮による影響でしょうか(?)。多分違う&関係無いと思いますが、ヅラの進化による因果関係があったら面白いのではないですか(そこ面白がるのはあんただけよ)と思ってしまうのですよね。しかし今回の「G」は「THANK YOU SO MUCH!!」の「!」マーク下の「・」に隠されていたとは…(これ、伝わるのかしら…)。今回のあの「G」の出し方は最高に好きな演出なのですけどね。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」の煽りとほぼ同じになると思っていたところではあったので、やはり…と思いつつも「嗚呼、サザンをやりきるのね…」とも思ってしまったりしてしまったのです。所謂イメージのサザン、というものはいくつかあると思うのですが、そのうちの1つにこの曲とライブでの演出(主にヅラ)、というのが割と色濃くあるのだと思うのですよね。それを必ずやるというのはドラマの「水戸黄門」における印籠であったり、映画「男はつらいよ」で最後には必ず振られてしまう(例外もあるとはいえ)車寅次郎であったりの「お約束」であると思うのですよね。桑田さん本人も「マンネリ」という言葉を使うことがありますが、最後に「お約束」があるというのは、ある意味での期待通りであり、ある意味で(もしかしたら違う演出を…という思いを崩す、ということでの)期待外れ、ということでもあると思うのですよね。でもこれは「お約束」にすることによって明確な終わりを作らない、ということにも繋がると思うのですよね。ループではありませんが、ある種サザンに殉ずる、といいますか、最後までサザンで居続ける、というある種の覚悟を持っているようにも思えてしまうのですよね…。実際2008年「真夏の大感謝祭」(2006年「THE夢人島Fes.2006 WOW!! 紅白! エンタのフレンドパーク Hey Hey ステーション …に泊まろう!」からともいえますが)以降の大きな規模のライブでは必ずラストにこの曲を持ってくる、ということが尚更そう思わせてしまうのです…とライブ中、しかもこの曲の時に考えている私は何なのか(文章にすると余計にさ)(あと、もちろん違う曲も聴きたい欲は持っておりますよ)。

今回のヅラはロッキンでのヘルメット風のヅラに女性の像のようなものが新たに付けられたようなものになっていましたね(よく見えず)。そして今回もちゃんとマンピーと歌っておりましたね。それで良いのです(?)。

曲終わり、ラストはTIGERさんのまさに咆哮のようなボーカル。そしてスクリーンには実に分かりやすく叫ぶ「虎」が。本当にこの前までマンピーだったのかと思うくらいの(失礼)格好良さでした。そういえば2015年「おいしい葡萄の旅」もラストマンピーで最後は弘さんのドラムソロとまた格好良い締めをしていたので、そういったところでバランスを取っている、といいますか、あくまで主役はマンピーではなく、アルバムなことを(自分たちも)忘れずに、という思いも何処かにあるのかもしれませんね。

 

En1.Relay~杜の詩

アンコール待ちの間、スクリーンには「THANK YOU SO MUCH!!」のマークが映し出されていたのですが、時々たくさん登場して、積み重なっていたマークが崩れる、というのが、2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」での「ピースとハイライト」での映像感がありました。

そんなこんなで皆様がステージに。毛ガニさんが持ち場に戻った際に近くにいたあれはスタッフさんでしたか、グータッチをしていたのを私は見逃しませんでしたぞ(?)。桑田さんは大きなピースサインがあしらわれたTシャツを着ていましたね。まさかここで「ピースとハイライト」っぽさの伏線が回収されるとは(?)(偶然)。「あと1曲だけ…(桑田さん)」「えー(客席の皆様)」という流れ、まあ、お約束といえばお約束ですがアンコールなのですから1曲でも良いじゃない、と思ってしまう私(もっと欲を出しなさい)。

「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」と同じようにキーボード(ピアノ)の音が少しあった後(この曲の方が長かった)、披露されたのはこの曲。2023年に配信リリースされた3作の中で唯一ここまでライブ演奏が無かった曲をここで持ってくるのね…と。桑田さんが夜遊びで当初はアンコールの1曲目に「Oh!クラウディア」を演奏する予定だったけど変更した、と話していましたので、近いバラードナンバーが来る予感はあったのですが。

この曲の初披露が「茅ヶ崎ライブ2023」でも、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」でも、なくこの「THANK YOU SO MUCH!!」というアルバムのツアーで、石川という地になった、というのはとても意味があることだと思うのですよね。

この曲は神宮外苑再開発に関しての、テーマが明確な曲ではありますが、震災、能登半島地震にも繋がるところがあるのではないのかとも思うのですよね。人を想う心、復興への動きや自分の無力さへのもどかしさ、そして何よりもコミュニケーションが必要である、というのは変わらないことではないのかと思うのですよね。勿論実際にどう思っての選曲なのかは分かりませんし、ただの外からのこのことやって来た私の都合の良い解釈、だとは思うのですが、この日石川を訪れまして、「嗚呼、この今回のRelayはこの場所の為の歌なのね、きっと」と「ここに集って音楽(おと)を紡いだスタジオ(場所)歌がある」というフレーズを聴いて目にした時に、すっと感じてしまったのですよね…。バトンを繋いでリレーしなければいけないことがたくさん、たくさんあるのだと。今回のツアーはこの石川からのスタートですし、リレーのスタート、ともなりますからね。

両サイドのモニターはMVと同じようなモノクロ的色合いになっていましたね。ああいう色合いが何だかんだで落ち着いて(考えさせられて)好きなのですよね…。

 

En2.希望の轍

「Relay~杜の詩」を歌う前にあとは希望の轍しかない、と冗談交じりに、そしてごにょごにょとネタばらし(?)をしておりましたね。まあその前にフリップで「予告」してはおりましたが。ソロですが2011年「宮城ライブ ~明日へのマーチ!!~」や2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」のように、アンコールのラストに持ってくるのかしら…と口ぶりからは予想しておりましたが、しっかりと外しました。流石、私(?)。

ドーム公演、及びアルバムツアーでは、2015年「おいしい葡萄の旅」以外では全て出席を果たしている曲なのですよね(これは「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」と同じですね)。こう見ますと、如何においしい葡萄の旅のセットリストが特殊だったが、分かりますね…と10年前の話をするんじゃありません。

やはりやらない訳にはいかない曲でしょうね。「Relay〜杜の詩」の流れ、というのがまた良いですよね。バトンを繋ぎ、リレーする先には「希望」の轍がある(もしくは残る)、というのは。そしてこの日最後にバトンを受け取ったアンカーは…。

 

En3.勝手にシンドバッド

この流れでのアンカーはこの曲しかありませんね。2023年「茅ヶ崎ライブ2023」以降、この「希望の轍」からの「勝手にシンドバッド」という2018年紅白歌合戦出場コンビは必ずアンコールで演奏されていますし、これもまた2023年以降の「お約束」となっていますね。

冒頭は「砂まじりの金沢」と歌っておりましたね。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」では「ひたちなか」と歌っておりましたし、桑田さんソロ曲の「祭りのあと」の「眠れない街に」のところを「〇〇の街に」ライブの公演場所ごとに替え歌をする、ということがありましたが、今回の「勝手にシンドバッド」もそういった形になるのでしょうか。終盤には茅ヶ崎ライブ2023でありました、「フレー、フレー茅ヶ崎」のように、「フレー、フレー北陸」そして「頑張れ、頑張れ能登半島」という応援がありましたね。ここは石川だけの応援になるのでしょうか…。

金テープがパーンしていましたね。曲中に配っていたようでいつの間にか左隣の方々は持っておりました。テープ、手元にこないのは運もあるので、構わないのですが、曲中に配るのはちょっと控えて頂きたいわね…と(見るのに集中したいですから)。

そういえばラスト曲としての「勝手にシンドバッド」は生で初めて見ることになりましたね。正直に申し上げますと、ライブのラスト曲はバラードナンバー派ではあるのですが、実際に体験しますと、当たり前ですが「勝手にシンドバッド」も締まるのですよね。それにこうツアーの最初、というものもありまして、旅は続いていくのです…という感じもあってまた違う良さがあるのね…と。

 

勝手にシンドバッド」でライブが締まり、最後に皆様がステージ中央に集まりまして、「ありがとう北陸!!」の横断幕を掲げておりましたね。そしてサザンのメンバーが残り、「お互い頑張りましょう」と。元気が付くとソロになるなあ…と思っていた私(でもそういう方もそこそこいそう)(いますよね)。最後サザンの皆様が下がる時に、わちゃわちゃしていてそれがまた良かったのですよね…。

そしてライブは終わり、外に出ると雨が降っておりまして、サザンは雨バンド、までを体験することになりました。でも、それもまた良い想い出ではありませんか。何と言っても「思い出はいつの日も雨」なのですから…。



さて、ライブについて振り返ってみましょう。

アルバムツアーではありましたが、アルバム「THANK YOU SO MUCH」から演奏されない曲が「盆ギリ恋歌」「歌えニッポンの空」「暮れゆく街のふたり」の3曲ありましたね。2023年配信リリース曲の2曲が演奏されないのは意外でしたね。そしてまだラジオでも解禁されていない「暮れゆく街のふたり」一体どんな曲なのでしょうか&ライブで演奏しない理由が何かしらあるのでしょうか…という謎が残りましたね。でもそれもまた楽しきことです。公演時間はほぼ2時間30分でしたね。もしかするとアルバム発売以降この3曲がセットリストにプラスされ、3時間30曲、というパターンになる可能性もゼロではないのかしら…と。

もう1つ過去のオリジナルアルバムから最低1曲ずつ演奏するのでは、という予想をしていましたが結果的に「タイニイ・バブルス」「ステレオ太陽族」「Southern All Stars」「葡萄」からは選曲されませんでしたね。特に「葡萄」収録の「東京VICTORY」「栄光の男」が今回演奏されなかったというのも大きかったですね。まあこの2曲は長く定番にいましたから、今回意図的に外してきた感じはありますね。

そして何よりも「別れ話は最後に」ですよ。45年ぶりですよ。どうしましょうですよ(?)。恐らく「悲しみはブギの彼方に」の影響があったかもですが、演奏に至る理由はちょいと知りたいですねえ…。

 

今回もまた素敵なライブで、またまた素敵なものを頂いてしまいました。サザンの皆様を始め、サポートメンバー、スタッフの皆様、そして全てのライブに関わった皆様本当にまさに「THANK YOU SO MUCH」でございました。またいつかお逢い出来ます日を楽しみにしております。

「この歌たちと出会い あなたたちがいれば 何も怖くない」

 

…外に出た後の雷は怖かったなあ…(台無し)。



余の談

はい、綺麗に締めたのに(どこが?)余の談タイムです(カットしなさい)。読まなくて良いコーナーですのでスルーして下さい(?)(だから書かなきゃいいでしょ)。

今回うっかり、おっと無事にチケットが取れたわけですが、5年半ぶり、ということは茅ヶ崎ひたちなかもお邪魔することはございませんでした。茅ヶ崎は取れませんでしたし、ひたちなかは怖かった(詳しくは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」の感想のようなものにて(読まなくても大丈夫です))ですし。

とはいえ、心は意外と穏やかだったのですよね。変に諦めが良いのもあるのですが、縁がないものはどう頑張っても当たらない(行けない)、という考えがありまして(後、もしかすると自分はライブに行く、というプライオリティーが実はそこまで高くないのでは…と最近思い始めております)。

だから今回石川公演に当選した、というのは驚きだったのですよね。そこにどんな縁があるのかしら…という。なので「Relay〜杜の詩」を見て聴いて、感じたことが1つの「縁」だったのかしら…と今、振り返ると思ってしまうのですよね。後々、振り返った時にまた違う思いがあるかもですが、この「縁」は大切にしたいと思います。

そして私にしては珍しく人と逢う、というもう1つも「縁」もありました。長年きちんとした人付き合いをしていないことを悔やみつつ、こういったところでコミュニケーションのリハビリ、経験を今更ながらに積んでいるな…と。

これからは人としてもう少しちゃんとしようと改めて思いました。…という余談でした。はい。

ここまで読まれた方、いましたら大変失礼致しました。

 

「THANK YOU SO MUCH!!」

 

(…締めに便利なアルバムタイトルね)

 

サザンオールスターズ「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」の感想のようなものを(ライブビューイング編)

9月23日に行われました「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」のライブビューイングにうっかりこっそりとお邪魔してしまいました。その感想のようなものです。

 

ライブビューイング、そして映画館は去年の「茅ヶ崎ライブ2023」以来でございました。そもそもライブというものも、画面越しではございますがこの茅ヶ崎ライブ以来1年ぶりのお邪魔でした。

今回、私の住む地域は2ヶ所の上映場所があり、その1つに無事当選となりました。去年とは違う会場でしたが、2018年の「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」のライブビューイングは今回の会場で見ており、6年ぶりにやってまいりました。

トイレを済ませ(映画館まで車で1時間かかったものでして…)、いざ座席へ。ちょうどスクリーンは「結束バンド」のライブビューイングの告知映像でして、所謂中の人の映像が見れたので嬉しかったです(?)(アニメ見ていないのですが(ごめんなさい))(おや、前年も似たような事を書いていたような…)。

後ろの席の方がどうやらポップコーンを買ってきていたようですが、思った以上に量が多かったようで、上映中に食べきれるのか論争(?)が繰り広げられていました。

 

5分前くらいのタイミングだったでしょうか。会場との中継が繋がりました。その際上空からの映像で客席が映った際には、その人の多さに響めきが起こっていましたね。

少し映像が乱れるタイミングがあり、どこからか「頑張って」と機材さん(もしくは電波さん)へのエール(?)もございましたね。

映画館の環境なのか収録機材の関係なのか、会場の歓声が大きめで映画館の上を回るように響いていたのが、ちょいと耳(頭)にきつかったように個人的に感じました(これが原因かは分かりませんが、終演後頭痛がやってきてしまいまして…)。

 

時間になり、サザンの出番がやって来ました。「熱いステージが始まるよ」うです。

※今回曲の方を先に書いていましたら、MCについて割と忘却してしまっていますので、今回は省略させていただいております。

 

1.女呼んでブギ

9月21日の夜遊びで1曲目のヒントを求められた桑田さんが「令和の世の中では作らない」「弾圧を受ける曲」ということを話しており、となると…と思っていましたが、その通りでしたね(ヒントを受けてこの曲と予想した方は多そうですが)。

2005年に出演した際、1曲目が「チャコの海岸物語」というスタートがあったように、最後の夏フェスという注目が集まっている中ですかすような選曲、と見えなくもないところはあるのかもしれません。

去年もこの曲について「今の時代では…」といったお話をされていました中、去年の「茅ヶ崎ライブ2023」でも演奏されていたりと、時代に抗う、ではありませんが、そういった、でもやりたい曲はやります、という姿勢がサザンとしてのロック、というものが特に近年の桑田さんの中にはあったりするのかもしれませんね。もしくはこの曲はサザンのデビューのきっかけとなった1977年の「East West’77」の決勝大会で披露された曲でもあるではありませんか。こういったコンテストの大会、というのは見方を変えれば様々なバンドが集まる、サザンにとって見ればある意味で最初のフェス、ともなると思うのですよね。となると最初のフェスで演奏した曲を、最後の夏フェスの1曲目に…という思いも頭のどこかにあったのかも知れませんね。

1番と2番の永遠の未完成部分は替え歌になっていましたが、1番は聴き取れず…(衰え)。2番は「素晴らしい秋の日をありがとう」でしたかね…(自信なし)。

ラストの桑田さん・関口さん・誠さんが後ろを振り返り、お尻をフリフリするところでは、よく見ますと毛ガニさんも後ろで同じ動きをしていたのですね。何だかんだああいうシーンが1番良いものなのです(?)。

 

MC

 

2.ジャンヌ・ダルクによろしく

新曲を、とここでいきなりこの曲を持ってきましたね。TBSのパリオリンピック関係で使われていたという新鮮さと知名度があったというのもありますし、時間の制限が(ありますけど)ない、ワンマンライブとは違い、出演時間が決まっているフェスというライブだからこその曲順、というのもあるのかもしれませんね。

MCを挟んでいるとはいえ、サザン最古参な曲である「女呼んでブギ」の次、というのがこの曲のフレーズである「昔話をするようで悪いけど」と繋がっている感がありますし、「熱いステージが始まるよ」というフレーズもスタート近くに置きたくなる1つになっていたのかもしれませんね。まあ「女呼んで」の後に「此処は女神が舞うところ」ですから、揉んで抱いてしなかっただけで、女神様を呼んでいた故の結果なのでしょう(?)。

桑田さんが間奏のスライドギターを弾く前にあの指に付ける筒みたいなあれ(正式名称分からないおじさん)を手に取った瞬間の桑田さんの「ニヤリ」的表情が一瞬ありましてあれ良かったですね。すぐ違うカットになってしまったので本当に一瞬でしたが。そしてスライドギターのところなのですが、音の広い方なのか、映画館の音響の影響なのか、歪み、といいますが響き方にガビガビ感(伝わるのか…これ)がちょいとありまして、そういった音になれていないおじさんとしてはビクビクタイムでございました。

そういえば「七つの海」というフレーズは、この日の出演アーティストがサザンを含めて7組、ということに偶然ながらかかっている、というのは面白いわね…と終演後に思っておりました。

 

3.My Foreplay Music

新曲の次、というのは客席側の反応が掴める前で、しかもツアーとは違い、フェスという1日のみの公演ですからその反応が分からないまま進んでいくので、特に何を置くか、が難しいところである気がするのですよね。だからこその安心・安定、ではありませんが、ライブの定番曲で、前回の出演となった2018年、そして去年の「茅ヶ崎ライブ2023」と近年のワンマン・フェス問わず野外ライブで演奏されていますし、そういったところも選曲理由の1つだったりしたのかも知れません。

もちろんイントロの強さもサザンを知らない方も巻き込める力を持っていますし、ファンの方からすれば歓声も上げやすい曲というのも大きいと思います。

個人的には上空からの映像で映る客席と観覧車、そしてこの曲というところから1995年「ホタル・カリフォルニア」の映像が頭に浮かんでしまっておりました。

ラストのパーパラパーみたいな部分(説明下手過ぎおじさん)(ライブによってはカズーで吹いているところです)を桑田さん自身でやっておられましたね。

 

4.海

確か冒頭に波の音があってからのこの曲だったような…(曖昧)。ここまでの3曲は盛り上げてくる、といいますか、攻める曲からここで1つ、その熱を冷やす曲、といったところでしょうか。

またライトの赤や紫だったりの色から、落ち着いた、まさに海の色である青が使われていたのも、聴かせるパートに入った感がよりありましたね。

フェスでは、ソロといいますか、音楽寅さんの企画も兼ねていた「桑田佳祐&SUPER MUSIC TIGERS」名義で出演した「SWEET LOVE SHOWER 2009」でも披露されていましたし、そういったサザン(ソロ含め)のフェス史も偶然とはいえ兼ねた形になっているのが、面白い、といいますか、それだけの歴史を持っているバンドであることを改めて実感しておりましたね。

「海」→「My Foreplay Music」という流れは2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」にありましたが逆は今回が初でしたね。

ラストのサビ「言葉じゃ言えない"好きよ"」を2回繰り返して歌っておりましたね。2回も歌ってしまったら、それはもう「好きよ」が言葉になっているのじゃないかしら…と妙に冷静に思ってしまったのは私。

 

5.神の島遥か国

ひたちなかで沖縄ソングでございますよ。そういえば前の曲は「海」でしたし、「ジャンヌ・ダルクによろしく」で「七つの海を乗り越えて」と歌っていましたし、サザンの曲という七つの海を表していたのかも知れません(えっ…「My Foreplay Music」や「女呼んでブギ」ですか…。まあ「女は海」ですから(?))。

2005年のロッキンでも披露されていましたし、この曲もそういったサザンフェス史の流れを表しているというのも感じますし、この時がライブ初披露だったこの曲はやがてライブ定番曲となり、19年の時を経て、ひたちなかでのロッキンに「凱旋」した、と考えると感慨深いものがありますね。

曲が始まる前、ギターか何かの1音と共に両サイドのスクリーンに映像が一瞬映っていましたが、あれは何かミスだったのでしょうか…?。

この曲のライトは緑でしたね。個人的にはふざけるな等の青ライトのイメージが強いので、ちょっとだけ違和感がありましたね。

 

6.栄光の男

2018年のロッキンでも意外、と思っていましたが、ライブの定番曲とはいえ今回も意外と感じていたのですよね。とはいえその思いは「ハンカチを振り振りあの人が引退(さ)るのを立ち喰いそば屋のテレビが映してた」というフレーズを聴いた時、ハッとして全てが飛んでしまったのですよね。このフレーズが今まさにこの瞬間に当てはまってしまったといいますか…。このフレーズは、長嶋茂雄引退試合を書いたものになっている、というのは、既に知られた話だとは思うのですが、今年サザンはこのロッキンの出演を持って夏フェスを卒業することを発表していましたね。その「卒業」のステージでこのフレーズを歌うわけではないですか…。もちろん引退と卒業は(近いものはあるにしても)違うものではありますが、そのステージを映画館のスクリーンで見ているこの瞬間が、まさに歌詞の世界と同じようなところにいるように感じてしまったのですよね…。

何と申しましょうか…。スポーツ選手はその競技にもよりますが、ある程度の年齢で「引退」があるではありませんか。華やかなセレモニーがあったり、本人にとっては不本意な形でその舞台から去って行く、という違いはあるにしても何処かで区切りを付ける瞬間がありますね。バンド(歌手)ももちろんその瞬間がある訳ですが、サザンまで長く続けていると引退、というのはつまりイコール…という可能性を(大きめに)持っている訳で…。そうなると明確に区切り(引退試合)を持つ、判断する瞬間というのが難しい、もしくは無いままに…というところがある中で、このロッキンで明確に1つの「区切り」を付ける瞬間を作った、その瞬間を画面越しで見ている、というのが、桑田さんが1974年にテレビで流れる長嶋の引退試合を見ているところと勝手ながらリンクさせてしまったのですよね…。

まあ考え過ぎ、入れ込み過ぎといえば、そうですしそれまでなのですが、正直泣いてしまいましたし、とても色々と考えさせられる瞬間でございまして、まさに「優雅で感傷的なサザンオールスターズ」なのでしたよ…(最後の最後に某野球本のタイトルを拝借するんじゃありませんよ)。

1番のサビで中央のスクリーンに背番号「3」の後ろ姿が出ていましたが、あの「3」はちょいと綺麗すぎるといいますか、2024年の「3」の色味、といった感じがありまして、もう少しくすんだ色にして欲しかった、といいますか、1974年の色味で見たかったですね(?)(あんたどういう意見なの、それは)。

…色々書きましたが、曲の終わり次に「恋のブギウギナイト」が来たら、栄光の男と(小池)栄子の男(という桑田さんの願望…w)をかけていたということになるわね…と思っていたので、情緒不安定おじさんの戯れ言と思っていてください(?)(その理論ですと「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」でもOKですね(?))。

 

7.愛の言霊~Spiritual Message~

おっちょこちょいと睨んでいた月も、酔ってしまう曲がやって来ましたね(上手いこと言ったつもりしてますね。全然上手くないですけど)。どっぷりと日が暮れたタイミングでの披露がやはりこの曲には1番似合いますね。

冒頭のoverture的部分はデジタル要素を感じまして、そういった曲が来るのかしら…と考えていた中で、いや、もしかして…と思い直した瞬間にこの曲のイントロが流れて来たので、今年1番、そしてきっと唯一の冴えを使ってしまったようですね(?)。

間奏のラップパートはありませんでしたが、その間奏アレンジが、特に菅坡さんのトランペットがその若干怪しめなサングラススタイルと合わせまして(あのサングラスすがちんさんが何か物凄くこの曲にマッチしていたのですよね…)、また良かったですねえ。

最後のセリフ(ラップ)部分も原曲通りで、基本原曲バージョンをライブで聴きたいおじさんとしては嬉しい部分でございました。途中から「替え歌をしませんように…」と祈っていましたが、無事通じたようで、これが本当の愛の言霊だった、ということでしょうか(?)(また訳の分からない寝言を)。

 

8.いとしのエリー

ここでエリーさんのご登場でございましたね。去年の「茅ヶ崎ライブ2023」でもこの位置に近い形での披露となっていましたが、2018年「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」3曲目、2018年ロッキン2曲目と近年は序盤で演奏する曲、という感じになっていますね。それまではここ一番のライブで披露、という感じがあったのですが、序盤演奏が多くなった故に、演奏しやすく・セットリストに組み込みやすくなった…といったところなのでしょうか。

ラストの「エリー my love エリー」のところで左下に出ていた歌詞の字幕が出なかったのですね。一瞬何かトラブルかしら…と思ったのですが、ああ、これは意図的に映像に被らないようにしているのだな…と。現地のモニターにもサザンのライブと同じく歌詞が出ていたのは分かりましたが、この瞬間の現地モニターはどうだったのでしょうか…。

現地モニターと言いますと、ラストステージ全体を映したときにメンバー5人を映したかったであろう、モニターが中央桑田さん、左右のモニターが両方とも原さん・関口さん、という映り方になっていましたね。切り替えミスかトラブルだったのでしょうか…。もしくは映像切り替えの担当の方が青学ガチ勢で、青学出身ではない弘さんと毛ガニさんを映さない暴挙に出た可能性もありますね(?)(ある訳がない)(その理論(理論?)だと除籍されている方は1番映さないでしょ)。

 

9.思い過ごしも恋のうち

いとしのエリー」が終わり、MCに入るのかしら…と思っていましたが、その雰囲気がなく、まだ続くのかしら…と感じていたところにやって来たのはこの曲でした。

今回のライブで一番まさかの選曲、といったところかもしれません。盛り上がる曲といえば盛り上がる曲ではありますが、どちらかといいますとサザンファン向けであり、初めての方にはこういう曲もあります枠、といったところでしょうか。

今回の曲順ですと、いとしのエリーからのこの曲ですから、ちょうど3枚目シングル→4枚目シングルという流れをライブでも踏襲したという形になりますし、この2曲、どちらが3枚目のシングルA面曲となるのか…といったサザンの歴史を感じられるとともに、気になって調べた方がこの流れは…となったり、何故この2曲がシングル候補として争うことになったのか、ということを知るきっかけになったりするのかしら、とも思ったりしてしまうのです。

そういえば2006年「THE夢人島Fes.2006 WOW!! 紅白! エンタのフレンドパーク Hey Hey ステーション …に泊まろう!」では「勝手にシンドバッド」→「気分しだいで責めないで」というデビューシングル→2ndシングルという流れがありましたし、そういったところも踏襲していたのでしょうか…。

この曲の途中で、中央モニターに昔のライブ映像が流れていましたね。よく使われている1979年「Further on up the Road」の映像だったでしょうか。そういったところも含めてのサザンの歴史紹介コーナー的なところがあったのかもしれません。

 

MC

 

10.東京VICTORY

MCでのコールアンドレスポンスの流れからこれは…となってからのこの曲でしたね。

今回はサザンのワンマンライブとは違うため、光るリストバンドはなかったこともあるのか、おそらくサザンのライブに何度か行かれている方が、この曲のイントロ前後でペンライトをリストバンド代わりに振っていたところが映っていたのは印象的でしたね。

この曲で桑田さんはアコースティックギターに持ち替えていましたが、それまでは赤いエレキギター、で次の曲以降はハンドマイクでの歌唱となっていたので、アコギ持ちはこの曲が唯一となっていましたね。

ラストの部分は「イイね、ROCK IN JAPAN ‼︎」と替え歌をしておりましたね。ツアーでは「TOKYO」を各地に替えていたことがありましたが、「ひたちなか」と場所でなく「ROCK IN JAPAN」とフェスそのものとしていたのが、らしいと言いますか、そういったところで関係者の方はもちろん、もう1つの開催地でもあった千葉の「蘇我」という場所にも向けている感じがありまして(特に2022年、後に台風により中止となっては居ますが桑田さんはコロナ感染により出演をキャンセルしていて「蘇我」の地に足を踏み入れることは出来なかったということもあるのかもしれません)、それを長々とではなく、ワンフレーズで表わしているというのがまた良かったわね…と。

 

11.真夏の果実

2005年、2018年、そして今回とサザンのロッキン皆勤曲の1つとなりました。

フェスとなりますと、バラード枠は少なめになってしまう傾向がありますが、その中でも必ず選曲されているという「真夏の果実」という曲の知名度であったり強さ、絶対的信頼感を改めて感じた次第でございます。

この曲からハンドマイクスタイルで歌っておりましたが、長年定着していたスタンドマイクスタイルから、バンドマイクスタイルに変わったのも2006年「THE夢人島Fes.2006 WOW!! 紅白! エンタのフレンドパーク Hey Hey ステーション …に泊まろう!」から(2008年「真夏の大感謝祭」では一度戻りますが)でしたから、そういった意味ではある意味ではフェススタイル、とも言えるのかもしれません。

サビのところで歌声が聴こえる…?と思いきや隣の方が小声で歌っておりまして、女性だったものでてっきり原さんコーラスが謎の不具合で流れてきたのかと(?)。ちなみに聴こえて来たのがサビ部分だけだったので、より謎のコーラス感がありましたね(隣の私が何となく聴こえただけなので大きい声ではなく)。

 

12.恋のブギウギナイト

もう1つの新曲がこちらで演奏となりましたね。overtureがディスコっぽさがありまして、この曲かシュラバ のどちらかかしら…と思っておりましたが、曲数的に煽りコーナー突入、新曲は煽りの頭に来る傾向がある、ということからこっちかしら、と思っていたところでイントロが流れたので、私は騙されませんでした(?)(ツアー名風に言うでない)。

レーザー光線のライト演出が好きなので良かったですね。そういうところも煽りコーナーといった感じなのでしょうか。

ここでダンサーさんが大量登場でしたね。ここまで1度も出てこなかった(確か)のは普段のライブでは珍しいことだったような気がします。そしていつの間にかステージの両サイドには自動販売機が置いてあったのには思わず笑ってしまいました。とはいえMVやCDTVライブのように桑田さんが自動販売機前に移動して何かをするのではなくただセットとして、時折怪しい光を出すだけの存在となっていたのは残念でした(残念とは)。

やはりこういったライブ向けの曲、というのはサザンのお家芸の1つ、といいますかこういったライブでの披露・演出面を含めて完成する曲、といった感じが致しますね。

最後の方で桑田さんがぼそっと歌うように「ピアノ売ってちょうだい」「タケモトピアノ」とあのCMのフレーズを言っておりましたが、瞬間的に浮かんだアドリブだったのでしょうか。「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」アウトロでの「Be My Baby」のように今後のライブでも定着するのか、気になるところですね。

 

13.LOVE AFFAIR~秘密のデート

そのLOVE AFFAIRさんが次に来るとは誰が予想出来ますか(?)(出来る人はいるでしょう)。イントロ前の汽笛の音はお馴染みとなったのでしょうか。

お馴染みといいますと、終盤の所謂煽りコーナー曲の1つになりましたね。元々アンコール定番でありつつも、序盤・中盤・そしてこの終盤とマルチに起用されている曲ではありますので完全固定、という訳ではなさそうではありますが、今はこのポジションが主となっているということでしょうか。大洋の松原誠みたいですね(?)(伝わりませんよ、それは)。前回の2018年はこの曲の次に当時の新曲であった「壮年JUMP」を披露していましたが、今回は新曲の次というところに置かれているのを見ますに、新曲の前後を任せやすい曲、というのもこの位置で演奏されやすい要因の1つになっているのかとも思います。

この曲で桑田さんはステージの左右に移動されていましたね。その左右に移動していた時の客席からの歓声をライブビューイングですと、かなり大きめな音で拾っていまして、歌があまり聴こえなかった、というのは単純に客席側のマイク位置の関係だったのか、臨場感を出すという意味で意図的に大きめに音を拾っていたのか、はたまた…。

 

14.マチルダBABY

イントロの部分はちょうど上空映像になっておりまして、ステージの様子が分からなかったというのもありますが、この曲のイントロを弾く原さんの映像を抜いていないというのも珍しいといえば珍しい、といったところでしょうか。

中央のモニターにはゲーム画面と思われる映像が映されていましたね。ゲームをモチーフにした曲、ということではありますが、そのゲーム部分をフューチャーしているのは(しかも発売年の1983年当時にありそうな感じのゲーム画面で)意外と初なのかも知れませんね。この辺りは不特定多数の観客に向けたところもあったのかもしれませんし、久しぶりにこの曲でダンサーさん登場がなかったことで演出を替えようとした結果、だったのかも知れませんね。

ワンマンライブでは煽りの定番ではありましたが、アルバム曲というのもあるのか、フェスでの登場は発売年の1983年に行われていた、サザン主催という形の夏の野外フェスシリーズで披露された時以来となるのですよね。そういったフェス意識の選曲、というのもあったのでしょうか。

そういえばゲーム画面で1番・2番(はあったか覚えておらずですが)のサビラストでは「CONTINUE」と曲のラストでは「CLEAR」と出ており、そういったところも細かいと思いました。でも歌詞的に「CLEAR」したのかは、ちょいと怪しいところがある気がするのですが…w。

 

15.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

ライトのビカビカがまた凄かったですね。映像を通して故なのか、現地も凄かったのかは分かりませんが、ちょいと一瞬だけ見づらさを感じてしまいましたね。

その部分だけではなかったのですが、「身体と欲でエリ好みのラプソディー」を間違って歌っていたのは2015年「おいしい葡萄の旅」の間違えて歓声を貰っていたのを急に思い出してしまった可能性がありますね(?)。

この曲もサザンで3度出演しました、ロッキン皆勤曲となりましたね。まあこの曲から最後の曲まで全てロッキン皆勤曲となっているのですが。

盛り上がり、といいますか桑田さんのテンションがいつもよりも高かったように思いまして、この曲のサウンドとのある種のミスマッチ感が昔のライブで見たようなミスブラさん、といった感じがありましたね。

 

16.みんなのうた

overture的な歌がありましたね。「夏は暑過ぎる」的な部分で、汗を拭くような仕草をする弘さん、どこのパートかは忘れてしまいましたが、笑いを堪えている様に見える関口さんと毛ガニさんなどとある意味で本編の「みんなのうた」以上に見所がありましたね(?)。

そして放水でごさいますよ。前年の「茅ヶ崎ライブ2023」もそうでしたが、9月末の放水というのは、夏が長くなった今だからこその光景ともいえるのかもしれません。

映画館で見ていた際に、あれはお手洗いか何かに行った帰りだったと思うのですが、腕を振りながらダッシュで席に戻る方がいらっしゃいましたね。あれは桑田さんが乗り移ったのでしょうか(?)こういった会場ならでは景色を見られた気がして少しだけお得な気分となっておりました(?)。

「いつの日か この場所で逢えるなら やり直そう」、サザンとして最後の夏フェス、という宣言をした中でのこのフレーズに客席側、そしてステージ側は何を思ったのかしら…と思わず考えてしまっておりました(本当、こういう時にも冷静なのイヤね)。

 

17.マンピーのG★SPOT

本編ラストはやはりこの曲でございましたね。そういえば「マチルダBABY」からこの曲の流れは2013年「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」の時と同じになっていますね。

今回はヅラ、というよりもピンク色のヘルメットのようなものを被っておられましたね。なるほど、「みんなのうた」の放水でステージの床も濡れていますし、万が一の転倒に備えた安全策も兼ねていたのですね(?)(多分違う)。近年のマンピーさんはダンサーさんだったりがピンク主体の衣装になっており、マンピー=ピンク、という色が定着している感がありますね。もしかすると男女=紅白で、赤と白を混ぜるとピンクになる、というような発想からマンピーさんのテーマカラーとして採用されたと言ったことなのでしょうか。

そういえばサビのマンピーはちゃんとマンピーと歌っていましたね。これを意外、と思ってしまう辺り毒されているように思います(?)。

2018年のロッキンに続いて本編ラスト曲となりましたが、最後の夏フェスと宣言していたからこそ、敢えていつもの(もしくはイメージの)サザンをやり切る、といった意味でのこのポジションだったのかもしれませんね。

 

En1.希望の轍

アンコールでの、客席側からのスマホのライトの灯り、上空映像から見ますと綺麗でしたね。

そんなアンコールから始まったのがこの曲というのが、何と申しましょうか…。サザンとして初めてのロッキン出演は2005年でしたが、桑田さんはソロとして先に2002年に出演しているのですよね。その時の1曲目というのがこの「希望の轍」だったのですよね。あくまで「サザン」としての夏フェス卒業ですから、桑田さん(もしくはメンバーの誰かが)ソロで出演することは今後考えられるとはいえ、一区切りとしての(この曲が最後ではありませんが)、サザンのROCK IN JAPANは希望の轍に始まり、希望の轍に終わる。といったある種の美しさがあったのではないのかと思うのですよね。それ以上に夏フェス、というものはまだまだ続いていくものではありますし、そのフェスの出演者や観客といった関わっている全ての人にその道が末永く続いていきますように…という願いを込めた、まさに「希望の轍」を残す、といった意味もあったのではないのでしょうか。

 

En2.勝手にシンドバッド

夏フェスのラストはこの曲でしたね。「希望の轍」がアンコール1曲目と知った時点で最後はこの曲ね…と感じておりました。

個人的に最後はどの曲で締めるのかしら…というのがありまして、何となくバラードではないとは思っていたのですね。前述した理由のように「希望の轍」が最後かしら…とは予想していたのですが、湿っぽくさせないお祭り騒ぎで終わるのもまたサザンらしいですし、同時にその「顔」を選んだのね…と何処から見てるのよ、あんたという思いもよぎっておりました。

冒頭は「砂まじりのひたちなか」と歌っていましたね。茨城ですと茅ヶ崎と語感が同じになるので綺麗に嵌めるならばそちらになるのでしょうが、地域よりその場所を選んだ、というのが、「ROCK IN JAPAN」というフェスにとってひたちなかという場所が特別なところである、という敬意を表わしていたのかしら…と。

曲の終わる前にこの23日の出演者をステージに挙げるというまさに大団円というラストを迎えていましたね。最後は「吉井くん締めて」と、THE YELLOW MONKEYの吉井さんに無茶ぶりをしていましたね。その吉井さんのジャンプで曲を締めましたが、その際に両手を合わせてすみません、と礼をしていたのか愛おしかったですね(?)。かっこいい男を困らせてはいけませんよ、桑田さん(?)。

最後に出演者が集まってこの曲で締め、というのは2018年の「紅白歌合戦」でも似たような演出になっていましたが、この時のシーンが頭にあったのでしょうか。そういえばこの紅白の時も「希望の轍」~「勝手にシンドバッド」の流れであった、というのはこの2つの「強さ」を改めて感じるといいますか、そこまでの曲なのだな…と。

 

そして終演、他の出演アーティストを紹介したり、リスペクトしたり、弄ったり、無茶ぶりしたり(?)と、こういうシーンを見ますとサザンは大きい存在なのだな、と思います(?)(そういうところを実は意外と分かっていないおじさん)。

ステージから出演者、サザンが下がった後に上がった花火が、夏の夜に咲く花火が僕達を繋ぐ最後の絆だと誰かが「歌っていた」、ことがリピートし、花火が、そして中継が終わった後、ソロの曲ではありますが、「さよならSummer Days」が頭痛と共に頭の中で何処か淡々と流れているのを、座席に最後まで残り感じ続けていたのでした…。



さて少し振り返ってみましょう。最後の夏フェスと銘打っていましたが、2018年との差も付けたい、というところがあったのかしら…というセットリストだった、と言いましょうか。知名度の高い定番曲は抑えつつも、「思い過ごしも恋のうち」や「マチルダBABY」などサザンファン向けといえます曲を入れてくる辺りのバランスは取っていたということになりますでしょうか。また過去のサザンのフェス出演の歴史、を総括、思い出させるような選曲に(きっと偶然ながら)なっていたというのは、最後という魔法の言葉による都合の良い解釈ということになるのでしょうが、興味深いと思ってしまうのですよね。

 

ロッキンも終わり、次はアルバムの発売が大きな動き、になりますでしょうか。そのアルバムを楽しみに待ちつつ、ロッキンの終わりと共にやってきた秋、そして冬をひっそりと過ごしたいと思います。




以下余の談

読まなくても良いけど書いちゃうよパートでございます(厄介)。

今回ライブビューイングにお邪魔、とあります通り、現地へのお邪魔ではありませんでした。そもそも応募していないのですけどね…。

何故かと申しますと「怖かった」からです(情けない話だよ(「I Love Youはひとりごと」風に))。結果的に涼しくはなっていたようですが、年々夏の暑さに弱くなっており体力的に自信がなかったことと、何より私自身「音楽を知らなすぎる」ことが大きかったのです。

フェスとはそういう新しい音楽を見つける場所、でもあるとは思うのですが、私の場合「最近の音楽は分からない…」を越えた(越えた?)、昭和も、平成も、令和もサザン以外の音楽があまりにもさっぱりなのです(サザン好きになった、というのがレアケースと言うのでしょうか…)。

当然サザン目当て、という方もいらっしゃったでしょうし、そういった方々に対しての意見ではなくあくまで私が私自身に向けた感情であるのですが、そんな私がサザンだけを見るのにフェスに行くのは、あまりにも他のアーティストの方々やファンの方に失礼になる…という思いが、サザン最後の夏フェスというものを持ってしてもどうしても消えなかったのですね。

それで行かないことを選択したわけでしたが、心は割と穏やかでございました。

…まあ敢えて綺麗な言葉で要約して伝えるとしますと「今回の夏フェスは、先輩の、そして後進の素晴らしいサザンファンの皆様にロッキンは託したいと思います」という感情でした、という何処かのバンドのリーダーの言葉をオマージュして、余談を締めたいと思います(ここまで読んでくださった方、本当に申し訳ございません、、、ね)。

 

 

サザンオールスターズのROCK IN JAPAN FESTIVAL2005年と2018年のセットリストを雑に振り返ってみた

6月25日にサザンが「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」に出演すると発表がありましたね。サザンとしては2005年・2018年に続き3度目の出演となります。

ということで(?)(話の展開下手か)、過去2回のセットリストを何となく振り返ってみようかと思います。

まずは2005年から振り返ってみましょう。

 

2005年

1.チャコの海岸物語

2.フリフリ’65

3.マンピーのG★SPOT

4.神の島遙か国

5.愛と欲望の日々

6.汚れた台所(キッチン)

7.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

8.夏をあきらめて

9.真夏の果実

10.希望の轍

11.HOTEL PACIFIC

12.勝手にシンドバッド

13.BOHBO No.5

En1.天国への階段~みんなのうた

 

2005年は1983年以来22年ぶりのフェス出演というのが、1つ大きなトピックスとなっていましたね。

1曲目は「チャコの海岸物語」でしたがこの曲については、ある程度マニアックな面も見せたいというところから、敢えてロックフェスというところからズラした選曲にしたと桑田さんは述べていましたね。とはいえ「フリフリ’65」「マンピーのG★SPOT」と所謂ロックサウンドな曲を次に持ってくるというのはバランスといいますか、しっかりコンセプトに載せたところがありますね(はいそこ、去年の「暮れのサナカ」の2〜3曲目と同じとか言わないの)。そしてサザンのライブでも2回しかない3曲目マンピー(牛・暮れのサナカ)をここでやってくるというのはフェスという特別感がありますね。

「神の島遙か国」(2005年)と「愛と欲望の日々」(2004年)と「今のサザン」が続いた後に「汚れた台所(キッチン)」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」と続きます。汚れた台所も桑田さん曰く客席を引かせる曲ということでしたが、それが一番ロック、といいますかバンドしている曲というのがまた良いですよね。そして2曲目でも煽りでもない地味に珍しい中盤ミスブラさんという、「魅せる」コーナーにもなっていたと思うのですよね。

バラード〜煽りという流れの中で「夏をあきらめて」「真夏の果実」「希望の轍」と知名度の高い曲が続きますね。希望の轍の煽りコーナー入りも1993年の「しじみのお味噌汁コンサート」以来と曲数が限られるフェスだからこその選曲によって思わぬお久しぶりが出てくるのも面白いところではないのでしょうか。

HOTEL PACIFIC」「勝手にシンドバッド」「BOHBO No.5」と煽りが続きましたね。何と申しましょうか…。勝手にシンドバッドで締めではなく、その後に新曲(BOHBO No.5)が来る流れが好きなのですよね…。歴史の最初と最も新しい部分で本編が締まる、という歴史が繋がっている感じが良いのですよね…。それをフェスという場でやったというのがまたねえ…。

アンコールは「みんなのうた」で締め。これも暮れのサナカと同じと言ってしまえばそうなのですが、バラードで締めず、盛り上がる曲でしかも「いつの日かこの場所で逢えるならやり直そう」というフレーズのあるこの曲だからこその意味がある選曲だったと思うのですよね。

 

2018年

1.希望の轍

2.いとしのエリー

3.涙のキッス

4.せつない胸に風が吹いてた

5.栄光の男

6.My Foreplay Music

7.愛の言霊~Spiritual Massage~

8.闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

9.真夏の果実

10.LOVE AFFAIR~秘密のデート

11.壮年JUMP

12.東京VICTORY

13.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

14.HOTEL PACIFIC

15.マンピーのG★SPOT

En1.みんなのうた

En2.勝手にシンドバッド

 

2018年は前年桑田さんがソロで出演した時の反省(「昔のフェスの雰囲気でやってしまった」「暗い曲をやり過ぎた」等々)があったのか、かなりストレートな選曲になっていましたね。2005年のようにチャコで外す、というようなことはせず「希望の轍」というストレートでスタートします。このフェスの前に行ったライブである「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」ではこのフェスでやるために轍や「マンピーのG★SPOT」は温存した、と後に話していたこともあり、並々ならぬ思いがあったことは想像に難くありません。

2曲目からは.「いとしのエリー」からMCを挟んで「涙のキッス」「せつない胸に風が吹いてた」「栄光の男」と比較的落ち着いた曲を続けていますね。ここはどちらかというと良い意味でのベテラン感を敢えて見せるところがあったと思うのですよね。ストレートとはいえある程度押したり引いたりといったところのバランスはきちんと取っているといったところでしょうか。

「My Foreplay Music」「愛の言霊〜Spiritual Massage〜」「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」と徐々に盛り上げて行くといいますか、2005年の「汚れた台所(キッチン)~ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」の流れのような「魅せる」コーナーであると思うのですよね。愛の言霊知名度がある方だとは思いますが、こういうサザンの一面もあります、というのを新曲(闘い戦士)を交えつつ披露したと言ったところでしょうか。

真夏の果実」「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」「壮年JUMP」とサザンポップス、といった曲が続きましたね。「壮年JUMP」は新曲ではありましたが替え歌がされていて「夢とロマンのスーパー・ヒーローは未来のドアを開け待っている」と去って行かずに待っている、と替えていましたね。新曲の替え歌というのも珍しいですが、個人的に私はこの「待っている」が大好きなのですよねえ…。待っていると言うことは一緒に未来へ…という事ですし、曲のテーマとしてはズレてしまいますが、フェスという場ではぴったりと思ってしまうのですよね…。

煽りは「東京VICTORY」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」「HOTEL PACIFIC」「マンピーのG★SPOT」と4曲でしたね。この辺りはもう手慣れているといいますかきっちり盛り上げていくというところになりますね。アンコールに入っていたとは言え「勝手にシンドバッド」抜きで構成するというのがこういったフェスでは意外と珍しい選曲だったのではないのでしょうか。まあそれがなくても押し切れるところに強さがあるのでしょうが…。個人的にはマンピーでの(これは映像で見た物なので現地ではどうだったのか…ですが)、ライブのベースイントロ、多分曲名、もしくは画面に「G」が出た瞬間、イントロと爆発の3回歓声が上がるシーンが好きなのですよね。最初のライブイントロはサザンのライブに行ったことがあって知っている人、「G」でマンピーと分かる人と徐々にマンピーのそれもフェス独特の雰囲気が作られているような感じがあって良いなあ…と思うのですよね。

アンコールは.「みんなのうた」「勝手にシンドバッド」。「いつの日かこの場所で逢えるならやり直そう」を13年ぶりに果たした後に、最も盛り上がる曲で締める、というのが、40周年という特別感も相まって綺麗な締めになったと思うのですよね。

 

さて2005年と2018年を振り返ってみましたがここで今年の予想、とは言わないまでもこの2回の傾向から探ってみましょう。

まず過去2回両方で披露されたのは、「勝手にシンドバッド」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」「みんなのうた」「真夏の果実」「希望の轍」「マンピーのG★SPOT」「HOTEL PACIFIC」の7曲になっていますね。ちなみに桑田さんがソロで出演した2002年はサザン名義の曲も3曲披露していますが、その3曲というのは「希望の轍」「マンピーのG★SPOT」「HOTEL PACIFIC」なので、この辺りはほぼ確定といったところでしょうか(とはいえ過去と同じになると考え、敢えて外してくる可能性もありそうではありますが…)。

そして今回は最後の夏フェス、ということでサザンの出番は長めに取られると公式からアナウンスがされていますね。2005年が14曲、2018年が17曲ですから、2018年の17曲よりも少し多い20曲前後になるのでしょうか。上記した7曲が確定と仮定しまして、そこに新曲である「恋のブギウギナイト」は間違いなく入ってきますでしょうし、去年の歌詞に「「Rocking On」でShow!!」とあります「盆ギリ恋歌」や仮タイトルが「ひたちなかの海」でした「歌えニッポンの空」も候補曲になりますでしょうか。となりますとこれで10曲が埋まりますね。おそらくもう1曲くらいはライブ前に新曲さんがご登場しそうですので、そうなると残りは…と考えますと、切りが無くなりますのでこの辺りで締めましょう。

ただその「最後」を意識した選曲なのか、「(フェスをちょいとだけ意識した)いつものサザン」なのか、というのは気になるところではございますね。色々と考えつつ、9月23日の「正解」を楽しみにしたいと思います。

 

アルバム「さくら」について書いた、さくらを呟くのかいのまとめのようなものを

noteにて連載(?)していました、1998年にはつばされました、サザンオールスターズのアルバム「さくら」収録曲について、勝手にだらだらと書いていく、という企画のまとめのようなものでございます。

あちらで書いていたのに今更まとめる必要があるのか、という声もあるかと思いますが(そこまで興味持たれてないから大丈夫よ)、雑誌の連載が単行本化した、くらいのお気持ちで捉えて頂ければ(?)。

そして大変長くなっております…。

 

 

1.NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH

昔の個人ファンサイトには、新曲オンエアの予告なしで突然の初解禁だった、と書かれていた記憶がありますが、もしそうであったのならば、前年の1997年に「01MESSENGER~電子狂の詩~」というシングルを出しているとはいえ、次のアルバムが所謂ハードロック寄りの作品になると、ここで改めて明確に示された瞬間でもあったのでしょうか。
語感重視の歌詞とは言え歌い出しが「赤いビニール繊維」というのもなかなかない曲ではないのでしょうか。
このアルバムの収録曲は補足が多めに付けられていますが、ナイチンゲールにはあってDoraemonにはないのは何故でしょうか(?)(まああのDoraemonなのか、はたまた別の意味があるのか…という妄想の余地があるのが良いのですが(あのドラちゃんでしょ))。
途中に出てきます「さくらが咲いた」という歌といいますか台詞部分は逆再生で作られたものということですが、10月という「秋」の時期に発売された「さくら」というアルバムの何処か季節違いの狂い咲きを思わせる感じがありまして、そんな曲がアルバムの1曲目である、というのが狙っていたのかは分かりませんが非常に面白いと思ってしまうのですよね。
…と書いていましたが、発売当時の桑田さんのインタビュー記事を見まして、このギターリフが気に入ったこと、今までのサザンになかった感じが「海のYeah!!」は終わり、サザンとして究極的に尖ったところへいくという意思表示もあった、ということだったようですね。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~(2000年)
と、2回披露されています。茅ヶ崎ライブでの披露は何と申しましょうか…。2000年の「夏」に咲く「さくら」はこのNO-NO-YEAH/GO-GO-YEAHだった…というのはまた曲中の「さくらが咲いた」にかかった「浜辺に咲いた紫の涙」とはまた違うサザンの花の1つを見せた瞬間だったと思うのですよね…。

発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では12位

 

2.YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~

発売当時に公式サイトで行われた「さくら」収録曲人気投票でシングル4曲をも抑えて1位を獲得したのがこの曲でした。投票理由として「歌詞」を挙げている方が多かったですね。日本語だと思わなかった、歌詞のメッセージ性などというコメントがありましたね。サラバ(sarva)は日本語でなくサンスクリット語、という補足が入っているように、このアルバムは特に歌詞へのこだわりといいますか、そういう意味合いを知って貰いたい、というのが強く表れている感がありますね。そして日本語詞だけれども英語に聞こえる、所謂桑田流歌唱が全面に出ているというのも大きな要素だったのではないのでしょうか。もちろん改めて歌詞を見てもらいたい、という思いもあったのかもですが。
歌詞もそうですが、サウンド面でも意外とサザンの中ではこの曲と近い、似たような曲調の曲が実はあまりないような感じがあるのですよね(詳しい方からすればこれはこういう系譜で近いなどとあるかと思いますが…(まさに「嗚呼跳梁跋扈する系譜を見…」ですね(?)(言いたいだけシリーズ)))。そういったサウンド面での新しさやインパクトといった面が投票1位に繋がったと思ったりもしたのです。
最後の最後、フェードアウトする中で「YARLEN SHUFFLE」を絶叫するように歌う桑田さんがかすかに聞こえるところが個人的には大好きなところだったりします、
アルバム収録曲投票1位、という実績を持っているのにも関わらずライブでは、
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
とさくらのアルバムツアーでの1度きりの演奏に留まっておりますね。
しかし去年末のM-1グランプリで、この曲からコンビ名を付けたという「ヤーレンズ」が準優勝という結果を収め(つまり実質1位と2位の実績を持つ曲とも言えるのですね(?))、桑田さんも年明けに夜遊びでその事に付いて触れていましたし、次回のライブで25年ぶりの演奏となりますか、注目されるところでありますね。

 

3.マイ フェラ レディ

…さて、どうしましょう…。とのっけから曲名に早くもノックアウト寸前でございますが(?)進めて参りましょう。
ジャンルとしましては所謂1つのジャズとやらになりますでしょうか(皆様そういうので、そうでしょう(無知))。アルバム発売前年の1997年に行われたネット配信企画「01MESSAGE」の中で、「美しく青きドナウとは程遠い音楽(仮題)」という仮タイトルの状態で披露されています。この番組の中では未発表曲が3曲披露されており、歌詞などに違いがありますが、この曲は歌詞は既に完成されておりほぼほぼ正式音源版に近い形になっていましたね(サウンド等細部の違いは分かってないおじさん)。でもまさかこの仮タイトルからこの曲名に正式決定するとは思いませんよね…。ネタ元の「マイ フェア レディ」さんもさぞかしびっくりだったことでしょう(?)。
1996年の「Act Against AIDS’96 夷撫悶汰レイト・ショー~長距離歌手の孤独 in Jazz Cafe~」はこの名の通りジャズをテーマにしていましたし、自らもそういったジャズを作りたい、という思いがあったのでしょうか。その夷撫悶汰をきっかけに出会った、島健さんが編曲とピアノで参加されていますね。編曲名義が島健サザンオールスターズとなっていますので島健さん主体の編曲だったことが分かりますね。
歌詞はフランス語に聞こえる日本語詞、という桑田さんワールド全開となっていますね(その内容を含め)。後に「パリの痴話喧嘩」でも同じような手法を見せていますが、こちらはより暴走している感がありますね。前回も書きましたが「YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~」では英語に聞こえる日本語詞というのを見せていますし、歌詞へのこだわりとある種の難解さ、そしてそれぞれ凝ったサウンド…と1曲目からここまで「さくら」の色をこれでもか、と見せ付けてきているのが、新しいサザンとして物凄く攻めてきている感じがあるのですよね…。
2007年1月20日の夜遊びでは、Four Freshmen and 5 Trombonesの「Angel Eyes」を流した後、「マイ フェラ レディに似てるでしょ?」「マイ フェラ レディはこの曲を参考にしました」と発言しておりました(もしかするとその前にも話していたのかも知れませんが)。
ライブでは、
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
と現段階で1度のみの披露となっておりますね。
曲が始まる前のOverture的な感じでブラスによるスローな勝手にシンドバッドが使われておりましたね。ちなみにこれは01MESSAGEで披露された時にも使われていたアレンジでした(…とつい最近知った)。
ちなみに桑田さんはインタビューでこの曲の歌詞について原さんに何か言われましたか?と聞かれていますが、「原坊は何も言わないですねぇ(笑)」とのことで…。流石サザンのフェアレディでございます(?)。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では7位

 

4.LOVE AFFAIR~秘密のデート

今更何を書く必要があるのかしら…な曲でございますね(2曲続けて余計な前置きを付けるんじゃない)。
弦編曲のクレジットには島健さんのお名前がありますね。2010年の桑田さんがお休みで斎藤誠さんが代行DJをしていた期間で島健さんのゲスト回があった(11月27日)のですが、この中で始めて参加された曲と話していましたが、前回の「マイ フェラ レディ」にも書いたようにこちらの曲の方が先に出来ている感じはありますが、先に世に出た曲が先、ということなのでしょうか…(ちょこちょこ直しがあって完成は後だったのかもしれませんが)。
作詞は横浜のガイドブックを参考に作られた、ということでしたが、当時のファンの方は該当のガイドブックを探したりしたのでしょうか…。桑田さん曰く「いかにも桑田が知ってそうなユーミンとは別ルートを行く横浜デートコースっぽいでしょ」とのこと。
とはいえ「大黒埠頭で虹を見て」は桑田さんの勘違いで実際には虹(レインボーブリッジ)は見れない(ベイブリッジが見れる)、という説明がWikipediaなどで見られますが、結果的にはこの間違いによって、よりこの不倫がフィクションの物語、というある種の綺麗さを持った、まさに「夢」の物語になったのではないのかな、と思ったりもするのです。
この曲、アルバムですと4曲目ではありませんか…。「NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH~マイ フェラ レディ」までの3曲がまた濃い曲ではありませんか。そこにイメージのサザンらしいポップさが来るというのが、1985年のアルバム「KAMAKURA」での「Computer Children~古戦場で濡れん坊は昭和のHero」という3曲からの4曲目「愛する女性とのすれ違い」に近いある種の「安心感」のようなものがあると思うのですよね…。
サザンでは(多分)珍しくイントロがカワチョーことプログラマー角谷仁宣さんによる音出しになっている、ということもあるのか演奏初期のライブでは桑田さんが「カワチョー!」と叫んでからイントロが始まる、ということが何度かありましたね。
そんなライブでは、
・おっぱいなんてプー(1997-98年)
・スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』(1998年)
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・晴れ着DEポン(1999-2000年)
茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~(2000年)
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
・暮れのサナカ(2004-05年)
・みんなが好きです!(2005-06年)
・真夏の大感謝祭(2008年)
・SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」(2013年)
・ひつじだよ!全員集合!(2014-15年)
・キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」(2018年)
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018(2018年)
・“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎(2019年)
・ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」(2020-21年)
茅ヶ崎ライブ2023(2023年)
ソロでも
Act Against AIDS’98 オールリクエストショー(1998年)
・伊豆だらけのローラ(2000年)
・宮城ライブ〜明日へのマーチ!!~(2011年)
と演奏しないライブの方が珍しいくらいの演奏率となっております(文章よりもこっちの項目の方が長いのは内緒…にもなりませんね)。
ライブでは最初のご登場(おっぱいなんてプー)がアンコールだったこともあるのか、アンコールでの多い印象ですが、全体で見ますと序盤・中盤・終盤とどのポジションでも起用された経験があり、その使い勝手の良さも演奏率の高さに繋がっているのでしょうか…。
近年ではボウリング場での格好付けのリアル化(?)と共に(2018年「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」からでしたでしょうか…)アウトロでロネッツの「Be My Baby」を歌う、というのが定着しておりますね。

発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では4位

 

5.爆笑アイランド

「YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム〜」と並び所謂社会風刺枠の曲、といったところになりますでしょうか…。こちらはアルバム発売時のミュージックステーションでも披露されていましたし、アルバムのリード曲という扱いだったのでしょうか。
ネット配信企画「01MESSENGER」では、「川長の子供(仮題)改め白鳥の湖とはかけ離れた音楽(仮題)」という仮タイトルで披露されていました。歌詞は完成版とはだいぶ違うものになっていますね。間奏でのラップといいますか、台詞といいますか、あの演説部分は「もう少し笑いが欲しかった」ということで最後の方に足したそうですね。その笑いが欲しかった、というのがタイトルの爆笑にもかかっている感じがありますし、何よりこの台詞部分を曰くインターネットで検索して作った、というのが、「01MESSENGER」ということにもかかっているようにも見えて面白いですし、そんな曲が実質アルバムリード曲にもなった…というのがまた興味深いと思ってしまうのです。
アルバムでは「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」の次ということもありデジタルサウンドの流れとなっていますね。こう見ますと、さくらはハードロック路線とも書かれたりしますが、(当たり前ですが)そういう括り一辺倒では語れない、語らせないというような幅といいますか、そういうコンセプトでは終わらないという何でもありがサザンなのかしら…と。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・晴れ着DEポン(1999-2000年)
茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~(2000年)
・真夏の大感謝祭(2008年)
・ひつじだよ!全員集合!(2014-15年)
と定期的に演奏されていますね。ライブにおける社会風刺枠という感がありました「ニッポンのヒール」からポジションを譲り受けたようなイメージが個人的にはありますね…(実際このライブ以降ニッポンのヒールはライブで演奏されていない)。野外ライブに年越しライブ、中盤・メドレー・終盤と季節やポジションを問わずに起用されている、というのもライブで使いやすい曲、というのを表しているのではないのでしょうか。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では5位

 

6.BLUE HEAVEN

記念すべき40枚目シングルのA面曲であり、サザンには珍しい秋にシングルとしてリリースされた曲でもありましたね。その8cmシングルをパソコンで読み込むと特設サイトでPVを見ることが出来たそうですが、前作シングル「01MESSENGER〜電子狂の詩」でネットやパソコンについて危機感を表わす歌詞を歌っていてからのこのCDの仕様、というのが、どこか皮肉といいますか、ある意味でサザンの多面体感だったり前作との繋がりを持った感じがありますね。
サウンド的にも01MESSENGERのロックサウンドから、繊細なバラードサウンドと真逆なところを付いてきているという感じがありますね(とはいえ「さくら」の曲はロック調の曲でも繊細に、荒っぽさを感じない作りになっているような感じがしますが…)。
発売時期が近いこととバラードシングルという点から「TSUNAMI」と比べられる印象があり、どちらが好きか、という論争を昔のサイトではちらちらと見た記憶があります。サビの英詞のように英語の多いこの曲と殆どが日本語詞で書かれたTSUNAMIという違いがこの売り上げの差になったのでは…というような考察をされている方がいてその一言が今も残っているのですよね。と書いていて思ったのですが、この曲とも歌詞に「夏」は出てきますが、夏を振り返る曲であり、リリースも夏ではない、でも夏曲に扱われがち…という点も共通しているのですよね。まあ秋に「さくら」というアルバムを出すくらいですから…。
ライブでは
・おっぱいなんてプー(1997-98年)
・シークレットライブ’99 SAS 事件簿in歌舞伎町(1999年)
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
・真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~(2004年)
・ひつじだよ!全員集合!(2014-15年)
と披露されていますが、実は全国ツアーでは1度も演奏されたことがないのですよね。横浜、時々東京という関東エリアでしか演奏されていない曲でもあるのですよね。しかも現時点では年越し(横浜アリーナ)→ファンクラブ限定ライブ(ライブハウスキャパ)→年越し…というサイクルで披露されているというのも興味深いですね。BLUE HEAVEN…青い天国は関東にあったのです(?)。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では6位

 

7.CRY 哀 CRY

ハードロックサウンドに古文の歌詞、という挑戦的な1曲でもありますね。B面だからこその挑戦だった…と言いたいところですが、タイアップ付き(三菱電機CM)というのも、ドラマの主題歌でもあったA面の「PARADISE」と共に挑戦的で新しいことをしているけど、(良くも悪くも)サザンだから許される、というところがあったと思うのですよね。
サザンには「和」を感じるテイストの曲があったりするではないですか。例えば「愛の言霊〜Spiritual Message〜」や同じく古語を交えたような歌詞の「JAPANEGGAE」だったりと。この辺りの曲は色々な音楽的要素が混ざり合った結果「和」のテイストになっていった感があると思うのですよね。こうサザン的和を醸し出す、ではなくサウンドをロック色で染め上げたところに、古文という「和」を歌詞に良い意味で無理矢理はめ込んだような、一見ミスマッチになりそうなのだけど、絶妙なバランスを持った他の「和」テイストの曲とは違う1曲になったのかしら…と。
ちなみに2019年の夜遊びでこの曲を流した際に桑田さんは「A面のPARADISEよりもいいね」と話しておりました。
ライブでは
・スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』(1998年)
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎(2019年)
と3回披露されていますね。ちなみに終盤のセリフ風な感じで登場する「ますらをや〜」のところですが、渚園は桑田さん、セオーノは清水美恵師匠、ふざけるなツアーではTIGERさんとそれぞれ担当する方が違ったりするのですよね。
ちなみにDVD「SPACE MOSA」にはこの曲のライブ映像がマルチアングルで収録されており、様々な角度から見ることが出来る、というサザンの中では珍しい映像テイクがあったりするのです。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では16位

 

8.唐人物語(ラシャメンのうた)

アルバムに1曲入ります原さんボーカル曲でございますね。当時の代官山通信を見てみますと(第66号)、レコーディングは1998年の4月からと記載があり、まさに春の時期なのですよね。「NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH」には逆再生されたセリフ的「さくら」は出てきますが、歌詞カードに表記されしっかりと歌っている「桜」はこの曲だけですから原さんがこの「さくら」というアルバムの春要素を独り占めしているということになりますね(?)。実際桑田さんはインタビューで「桜」は他の曲で使わずに原さんの曲で使いたかった、と述べています。
この前年には原さんソロシングルとして「涙の天使に微笑みを」が発売されていましたが、こちらの曲もサウンド面では似た繊細さがあるといいますか、音の作り方を細かいところまで見て作っている感じがありますね。もしかすると「涙の天使に微笑みを」は元々さくら用に製作していた曲を朝ドラの話があって、原さんのソロ曲になった…みたいな流れがあったのかもしれませんね。個人的には唐人物語の方がもう少し打ち込み要素が薄いといいますか、生っぽさのようなものを感じるのですが…。
歌詞は実在の人物、唐人お吉についてとなっていますが、サザンの中では唯一の女性である原さんに歌ってもらうなら、世の中で強い意思を持って生きたお吉のような、女性の強さのようなものをテーマにしたかった、というようなことを桑田さんは話しておりますね。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
原さんソロでは
原由子スペシャル「はらばん」鎌倉ライブ(2010年)
と披露されています。更に珍しいところでは、
Act Against AIDS’98 オールリクエストショー(1998年)
で桑田さんボーカルバージョンとして披露されているのですよね。しかも原さんがライブで披露される前にしれっと歌ってしまうというのもかなり珍しいことではありますね(去年2023年のようにやさしい夜遊びで「私はピアノ」を生歌で披露したというようなことはありますが)。もちろんオールリクエストショーということで桑田さん版も聴きたい…というのももちろんあったと思うのですが、原さんに歌ってもらうために…という前提で作った曲でしたから、そういう曲だからこそ逆に自分自身でも歌ってみたい、というような想いもあったりしたのかもしれませんね。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では8位

 

9.湘南SEPTEMBER

サザン=湘南、というのは一般的にもファンの間でもイメージの1つとしてあるとは思うのですけど、長いキャリアの中で曲名に「湘南」が入るのはこの曲のみで、歌詞の中に入るのも6曲のみ(この曲以外ですと、勝手にシンドバッド・Bye Bye My Love(U are the one)・東京サリーちゃん・メリージェーンと琢磨仁愛の言霊~Spiritual Message~)で2024年5月現在では最後になっているという、ある種の意外性を持った曲ともいえるのかもしれませんし、9月という秋がテーマとなっている曲だからこそ「さくら」というアルバムに収録されたのかもしれませんね。
曲調はワルツとのこと。そうなのですね…(無知)。
「雨は子守唄」という後に雨の音が入るというのはベタなのかもしれませんが、また良いですよね。ただ雷らしき音が入っているのが、その後の「夢見る間もなく大人になるのさ」に繋がっているような、子守唄と大人のある種の境界線にもなっているような感じにも思えてしまうのですよね…。
さくらのツアーだった「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」ではBLUE HEAVENやSEA SIDE WOMAN BLUESなどと夏寄りバラードソングと共にセットリストから外されてしまいました、ライブでは
・暮れのサナカ(2004-05年)
での1度きりの演奏になっていますね。前年発売されたイメージDVD「Inside Outside U・M・I」に収録されているので、その影響もあったのかもしれません(余談ですが「Inside Outside U・M・I」の湘南SEPTEMBERは写真がスライド風に使われていて個人的にはあの映像が好きなのですよね…)。このDVDに収録された曲は基本本人が好きな曲という感じですので(桑田さん自身の選曲なので当たり前かもしれませんが)、タイミングが合えば今後もライブでお目にかかれるチャンスがあるのかもしれませんね。最もこの(大きく括れば秋というよりも)夏のバラード枠は大激戦になるというのが難しいところなのかもしれませんね。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では9位

 

10.PARADISE

デジタルサウンドの「愛の言霊〜Spiritual Message~」を目指した感じがありますね。和風から洋風へ、と言った感じでもありますでしょうか…。「さくら」のリリース前の先行シングルと言うこともあるのかデジタル色が強いA面曲、B面の「CRY 哀 CRY」がハードロックな作風と、さくらの二面性、もしくは多面性の中で大きくスポットを浴びている曲調をこのシングルで表わしているという見方も出来ますでしょうか。
「核」についての歌詞になっていますね。「「PARADISE」みたいな曲調だったら、そういう不安材料を詞に乗せても許される・煙たがられないと思ったんです。」と桑田さんはインタビューの中で話していますが、後の「ピースとハイライト」や「Relay~杜の詩」にも通ずるところがあるようにも思うのですよね。「PARADISE」も今リリースされればこの2曲のような話題に巻き込まれていたのかも知れません。幸か不幸か当時はその辺りについてそれほど話題になっていなかったようですが…。
代官山通信第66号に載っています、スタッフインタビューによりますと、ボツになった膨大なラップが存在したようですね。
42枚目のシングルと日本では忌み嫌われる42(死に)番に当たるというのが、ある種歌詞のテーマとしても、その後の曲の運命(セオーノ以降演奏されずでベスト盤「海のOh,Yeah!!」にも収録されずという不遇)を暗示していると言えばそうなのかもしれませんね…。
20周年緊急特番「バカさわぎの腰つき!!」の中でザ・ベストテンが復活という企画があり、その中でこの曲が披露されたのですが、曲紹介の際、司会の久米宏さんが「原さんは最初夕焼けの歌と思ったそうです」と話していましたが、その後代官山通信内にて(第66号)、「最初に「空は真っ赤に燃えている」のセリフ部分だけをみて夕焼けの空を思い浮かべたけど歌詞全体を読んで本当の意味は違うことに気付き、ぞっとするというか鳥肌が立った(要約)」というような内容を演出の方に話したのを短くされてそうなってしまった、とありますね(原さんらしい可愛さに溢れた(本人曰く)言い訳は前後含めて原文を見て欲しいものです…)。
ライブでは、
・スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』(1998年)
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
とシングル発売直後と収録アルバムのツアーでのみの披露となっていますね。
…「棺の中で I called your name.」とは自分自身を指していたのかも知れませんね(?)。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では15位

 

11.私の世紀末カルテ

シングルですと「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」の、アルバムでは「PARADISE」の次の曲という位置になっていますね。更にベストアルバム「海のOh, Yeah!!」では「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE~」と、サザン的ポップソングであったり、打ち込み中心の凝ったサウンドの曲の次にギター1本の曲が始まる、というのは逆にインパクトがありますね。そういう並びを各収録作品でしているということはある程度狙っているのでしょうか…(もしくは置き所が難しいからこそ、敢えてそういう並びにせざるを得ない、というのもあるのかもしれません)。
最後の方にオルガンが入りますとはいえ、ギター1本にハーモニカという所謂桑田さんソロアルバム「孤独の太陽」のコンセプトと同じ形で作られた曲ではありますが、「孤独の太陽」収録曲にあったような「怒り」や「毒」はない、といいますか、良い意味で不惑を越え、中年と呼ばれる年齢になったからこその「愚痴」・「ぼやき」の側面が強い曲になったということではないのでしょうか。前回のアルバムが「Young Love」で、この曲のリリースがデビュー20周年を迎える直前のタイミングということもありましたし、だからこそ若さから年を重ねてのリアルさが出たのかしら…と。それにサザンと共に年を重ねたファンも共感しやすい感じも出たのかしらとも思うのです。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・シークレットライブ’99 SAS 事件簿in歌舞伎町(1999年)
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
ソロでも
・ライブ in 神戸&横浜 2011〜年忘れ!! みんなで元気になろうぜ!!の会~(2011-12年)
で演奏されていますね。
ライブではそれぞれ替え歌バージョンとして披露されています。特にセオーノでは各会場で歌詞が変わるという非常に凝ったことをしていますね。でも最後7番の歌詞はそのままなのがまた良いのですよね。歌舞伎町ライブは最後にドラムが入ったりとバンドサウンドっぽくなっているアレンジも良いですよね。少ししか見れないのが残念ではありますが。
個人的には原曲バージョンでライブで聴いてみたいなあ…と。何と申しましょうか…。あの1998年に世に出たあの歌詞そのものと時代がまさに世紀末という雰囲気を纏っている感じがありまして、その一種の生々しさがとても好きなのですよね…。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では10位

 

12.SAUDADE~真冬の蜃気楼~

秋にリリースの「さくら」に真冬とタイトルに入る曲が収録とはいよいよ混沌を極めておりますね(?)。しかし季節を網羅する中で、所謂「真夏」を外して来ているのが、それまでのサザンイコールというイメージからの脱却を狙っていたことが伝わってくるといいますか…。
希望の轍」に「君だけに夢をもう一度」、「HOTEL PACIFIC」といった曲の歌詞に使われていますが、(サブとはいえ)タイトルに「蜃気楼」が使われているのは現段階でこの曲が唯一となっていますね。
真冬、といいつつもあまり冬のような寒さを感じないといいますか、曰くラテン歌謡曲的ということであるとのことで、歌詞に出て来る土地がブラジルですから、そういった歌詞からの雰囲気が寒さを感じさせにくいといったところでしょうか。
歌詞といえば補足もまた多い曲ですね。タイトルである「SAUDADE」、「イエマンジャー」に「アフォシェ」と。補足にはありませんが「コルコバードの丘」ともちろん分かる人には分かるのでしょうが、ブラジルが舞台ということを分かりやすく伝えようという意図も多少はあったのでしょうか。何となくこのブラジルが舞台の詞、というのもある種「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」的なガイドブック等を参考にした作詞だったのかしら…と。
キラーストリートの「セイシェル〜海の聖者」も逃避行ではありませんが、異国曲ともいえますし、一種のシリーズ物としても聴けるのかもしれません。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・暮れのサナカ(2004-05年)
・ひつじだよ!全員集合!(2014-15年)
・“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎(2019年)
また
Act Against AIDS’98 オールリクエストショー(1998年)
で披露されていますね。曲のテーマ故か年越しライブか春のツアーで披露、という形になっていますね。そしてリクエストがあったとはいえ、AAAでは「唐人物語(ラシャメンのうた)」と共にセオーノツアー前に演奏されていますね。ベストアルバム「海のOh, Yeah!!」にも収録され「さくら」の中ではライブ登場数も多めではありますし、桑田さんのお気に入り曲なのでしょうか。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では2位

 

13.GIMME SOME LOVIN'~生命果てるまで~

アルバムに1曲はあります、ライブでの煽りパート担当枠ソング、といったところでしょうか。
歌詞のテーマは所謂「SM」でございますね。この曲以前にも桑田さんソロアルバム「孤独の太陽」収録の「エロスで殺して(ROCK ON)」で歌われていましたが、何と申しましょうか…。エロスで殺しての方がどちらかといいますと女王様(S側)を主に書いているのに対して、この曲はやられる方(M側)の様子だったり心境を書いていたりと若干目線が違う感じがあるのですよね。この頃はサザンとソロの違い、というところをある程度明確に分けていましたし(といいつつ「私の世紀末カルテ」という当時としてはちょいと扱いがソロよりな曲が「さくら」に収録されてはいますが)、サザンは「M」、ソロは「S」という違いで区別していたのですね(?)(しかし私は何を解釈して書いているのだろうか…)。
サウンド面でも桑田さんがギターリフから考えた、とインタビューで答えていましたし、ある程度ロックサウンドを前提として作っていたこともあるのか、生音でシンプルな作りだったエロスで殺してと比べても、電圧が高めな感じになっているのも、歌詞のテーマは同じであっても切り口が違うというのがまた面白いですね。電流マッチですね(?)(それSとMは関係無い)。
ライブでは
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
での1度のみの披露に現段階では留まっていますね。昔の個人サイトには確かサビで腕を上げ下げするという振りがあった…と書いてあった記憶があるのですが、今それを覚えている方はどれだけいらっしゃるのでしょうか…。となりますとセオーノは「みんなのうた」・「ブリブリボーダーライン」・「イエローマン〜星の王子様〜」にこの曲と客席が腕を動かす曲が煽りコーナーに総登場でもあったのですね。新しいサザンを見せる、というのもありましたし、その中でどう楽しんでもらう・参加してもらうか…という試行錯誤が同時に見えたような気がします。
あと超が付く個人的お話になりますが、この曲歌うのがとても楽しいのですよね…。いつも車の中で急にテンションが上がっている変人でございます。変人物語(蛇足)。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では11位

 

14.SEA SIDE WOMAN BLUES

この曲好きなのです…(のっけから自分の話かい)。そういえば2008年の「真夏の大感謝祭」の時にライブで聴きたい曲の投票があったのですが、その時に投票したのはこの曲だったのでした…と思い出すなど。
所謂ムード歌謡、というものなのでしょうか(あまりそういうのが分からないおじさん)。ムード歌謡がそうなのかは分かりませんが、この曲にはハワイアンのイメージがあるのですよね。でも歌詞は江ノ島に片瀬川と実はお久しぶりのご当地ソングなのですよね。「悲しくて酔えないこともある 涙を浮かべた水割りのせいだよ」のフレーズがとても大好きでして…。「Young Love」の後に出た「01MESSENGER~電子狂の詩〜」のB面曲だったではないですか。何と申しましょうか…Young Loveという「若さ」では出せなかった「おじさんの哀愁」のようなものが新しい、といいますかメンバー全員が不惑となった「リアルなサザン」感があったように思うのですよね。「私の世紀末カルテ」も近いものがあるのかもしれませんが、そういった、リアルさ、不惑さが「哀愁のサザンオールスターズ」というまた新しい1面を作ったのかもしれませんね。
桑田さんも敬愛する前川清さんもこの曲をカバーしていますね。しかもプロデュース・編曲は斎藤誠さんですから、ほぼサザンみたいなものですね(?)。といいますか前川清さんに提供する為に作られたようなカバーになっていますのでこちらも必聴でございます(ビートたけしさんバージョンも音源化待っておりますよ(それ用にレコーディングされているバージョンがあるのかは分かりませんが))。
ライブでは
茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~(2000年)
・真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~(2004年)
・キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」(2018年)
と披露されていますね。6月末のラララのおじさんは夏と言うには微妙ですが、夏の単発ライブで演奏される傾向がありますね。面白いのはこの3回とも演奏に入る前に桑田さんが「好きな曲」と紹介してから演奏が始まるのですよね。いや、もうそれ大好きではないですか。もっとライブで演奏しても良いのよ(?)(大いなる個人的願望)。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では13位

 

15.(The Return of)01MESSENGER~電子狂の詩~(Album Version)

明らかにこれまでとは違う新しいサザンへの挑戦、という思いが色濃く表れているのではないのでしょうか。それが前年までの所謂「Young Love」期までの活動とあまりにも差を付けすぎたこともあったのか、それをこのアルバム「さくら」まで引きずってしまった感がありますね。ある意味「さくら」というアルバムを象徴した曲ともいえるのかもしれません。
パソコンやネットに対する危機感はこの12年前に発売されたアルバム「KAMAKURA」に収録されている「Computer Children」の世界観に近いものがあるように思います。もちろん12年経ってアップデートされているところはありますが。
桑田さんはインタビューで「レコーディングを終わらさないこともできる可能性のある曲」と述べていて歌詞もアレンジもいじり倒せると。シングル版はもう完全に古くなってしまった、リリースの段階でも既に古くなっていたという反省があったとも話しています。ただこれはある意味でパソコン・インターネットの発達の流れとも繋がる気がするのですよね…。どんどん新しい機種が出て、アップデートされている…。そのスピードについていけない方がいるのと同じでそういったネットをテーマにした曲に対して古さを感じるというのが何ともシンクロ感があるといいますか、そういった世の流れに流されながらも世に居続けるサザン(桑田さん)という存在だったりを重ねられるというといいますか…。
ちなみに2000年になったらまた新しい形で世に出すと思います。とも話していましたが、ご存じの通りそちらは実現せず。
ライブでは
・おっぱいなんてプー(1997-98年)
・スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』(1998年)
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・おいしい葡萄の旅(2015年)
と演奏されていますね。2000年以降のニューバージョンを示唆しながらもセオーノ以降はライブからも遠ざかり…という状況となっていましたが、「おいしい葡萄の旅」で16年ぶりに演奏となりました。この時に自虐も込めてか「ライブの感想でいらないと言われてしまうコーナー」と始まった中の1曲として披露されていますね。「でもやりたい曲」ということも話していましたし、あれはきっとアップデートされた2015年の、まさに「(The Return of)」01MESSENGER~電子狂の詩~、だったのでしょう、きっと。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では14位

 

16.素敵な夢を叶えましょう

この曲も編曲が島健&サザンオールスターズの名義となっていますね。先に島健さんの名前がありますので、「マイ フェラ レディ」と同じく島健さん主体の編曲だったことが窺えますね。ちなみに前回のアルバム「Young Love」のラスト曲である「心を込めて花束を」は編曲にサザンのクレジットがなく、ピアニストの宮川泰さんの名があるように、2作続けてアルバムのラスト曲は少しテイストを変えた、といいますかサザン主導にしていないというのが興味深いですね。
歌詞に「耳を澄ませば風のSaxophoneが泣いている」とあり、その後に間奏でサックスが入りますが、これについて島健さんは、まだ歌詞が出来てないサックスセクションが間奏に欲しい、と桑田さんからあったそうですが島健さんとしてはサウンド的に唐突感があったようで、それでも桑田さんからの要望ということでそのアレンジをレコーディングした際にプレーヤーにも戸惑いがあったらしいのですよね。そこで桑田さんにサックスセクションがある必然性のある歌詞にして欲しい、という話をしていてあの歌詞が生まれた、ということがあったそうです(2010年11月27日夜遊びより)(私の要約は下手ね…)。
遠い昔、もう17〜8年前になりますでしょうか…。動画サイトにこの曲の動画がアップされていた時にコメントの1つで「サザンの夢って何だったんだろうね」という一言があったのですよね。その一言が印象に残っていまして…。確かに「お互い素敵な夢を叶えましょう」なのですよね。サザン側から見ての聞き手(ファン)の夢を叶えましょう、というメッセージはラストの「南十字に戯れる星座(ほし)に願いを」でわかりますが、聞き手から見たサザンの夢、というのは興味深いといいますか…。こういったところから私のアホらしい考察をしてしまう病のきっかけになったのかもしれませんね…と今更ながらに。
その動画がアップされていたライブでもある
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
の1度きりの披露となっていますね。この時春のツアーということもあるのか、「暗い夜空にまたひとつ秋が流れた」の「秋」を「春」にして歌っておりました。
何と申しましょうか…。20周年の夏ライブであった「スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』」のラスト曲であった「旅姿六人衆」、そしてその20周年に発売されたオリジナルアルバム「さくら」のラスト曲であり、その20周年の集大成といえますセオーノツアーのラスト曲となったこの「素敵な夢を叶えましょう」…。時代がどんなに変わっても、それまでのサザン(の集大成)と新しいサザンというある種対比されるライブの中でも、ファンやスタッフといった自分たちに関わっている全ての人への「感謝」だけは変わらない…そしてそれは今も同じである…というのがとても伝わってくるのですよね…。
発売当時公式サイトで行われたさくら人気投票では4位

 

アルバム前後のシングル曲編

1.世界の屋根を撃つ雨のリズム

シングル「BLUE HEAVEN」のB面としてリリースされました。
発売前に、ネット配信企画「01MESSENGER」では「トルコ行進曲とは似ても似つかない音楽」という仮題で披露されていましたね。歌詞も出てくるフレーズで同じものはありますが、完成版とは「似ても似つかない音楽」でしたね(?)(言いたいだけシリーズ)。企画「01MESSENGER」が8月で「BLUE HEAVEN」が11月のリリースですから、この放送の後、1~2ヶ月で変わっていった…というのが興味深いといいますか、その間について考えますと面白いと思ってしまいますね。
歌詞は基本的に語感を重視したような一見意味は無いような感じになっていますね。その中で1ヶ所「僕を見て、絵に描いた僕の家、 誰も知らない雲の上、踊ろう」というフレーズだけは意味がありそうなセリフ風になっている部分がありますね。歌詞全体を見ますと「僕」はここでだけ使われており、それ以外は「我は」「俺と」という一人称になっているのですよね。別人なのか、はたまた同じ人物で「僕」は過去の自分のことなのかもしれません。どちらにしましても「僕の家」は世界の屋根を撃つ「雨」が降る更に上にあるということになりますし、「家」は天国や希望、夢といったポジティブなもので、それを拒むように降る「雨」がサビに出てきます、「贈賄」「収賄」「狂乱」などといったネガ寄りな単語を指し、それが屋根(自身や住む世界)に降ってくる、というような意味を持っていたりするのでしょうか…。…もしかしたら所謂クスリによる幻覚だったりするのでしょうか…。前作のアルバム「Young Love」では「マリワナ伯爵」というストレートなタイトル曲を作っていたので、敢えてそうとも取れるような曲にしたのかもしれません(100%妄想ですが幻覚は見ておりません(?))。
ライブでは
・おっぱいなんてプー(1997-98年)
・ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」(2020-21年)
の2度、いずれも横浜アリーナでの年越しライブでの披露となっていますね。しかも中盤から終盤の煽りコーナーの間といいますか、ポジションも割と似たようなところにいるのがまた面白いですね。
個人的にはアウトロが「マンピーのG★SPOT」のライブ版で披露されるイントロ前のOvertureに似ているように感じておりまして、世界の屋根→マンピーの流れがいつかライブで演奏されないかしら…と密かに思っております。
そういえばシングルA面の「BLUE HEAVEN」もライブにおいては関東から出たことのない曲となっていますが、こちらは横浜から出ていないと、更に狭い世界にいるのですよね。つまり世界の屋根とは横浜アリーナの屋根のことだったのです(?)(オチがBLUE HEAVENと同じでいいのか)。

 

2.イエローマン~星の王子様~

「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)〜素敵な春の逢瀬〜」のツアースタート(3/24)とほぼ同時のタイミングでリリースされました(3/25)。
結果的にはサザンの90年代シングルの中では1番売れなかったことで(約10万枚)、売れなかったシングル、だけどライブでは盛り上がる定番曲となった…といった曲になりますでしょうか。ちなみに2005年の再発盤によって売り上げが10万枚に届いたということです。
歌詞は桑田さんが風邪(インフルエンザだったような)になった際に書かれたらしいですね(締め切りの関係でそうなったらしい)。
曲を作る際に「この曲で東京ドームの5万人が手を振るシーンが頭にあった」ということですが、きっちりそういった曲に仕上がっただけでなく、現在まで4度行われたドームツアーのうち、実に3回披露されていますし、セオーノの時だけでなくドームツアー向けの曲として定着しているのが流石といいますか、昔何処かで見ました「世紀末の勝手にシンドバッド」というのをまさに表わしているように思うのですよね。
サウンド面ももちろん「さくら」の続編といいますか、その流れの中で作られた曲という感じはありますが、「さくら」の繊細さの中にもう少し自由さ、良い意味でのお遊び感が漂っているように思えるのが違いといいますか、イメージのサザンに近付いた感じがありますね。
タイトルの「星の王子様」は、さくらのラスト曲である「素敵な夢を叶えましょう」の最後のフレーズ「南十字に戯れる星座(ほし)に願いを」にかけたところもあるのでしょうか…(「星座(ほし)」→「星」=ファン、その王子様(南十字)(憧れ・愛すべき存在)=サザン的な)。
ライブでは、
・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(1999年)
・晴れ着DEポン(1999-2000年)
茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~(2000年)
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
・SUMMER LIVE 2003「 流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」〜カーニバル出るバニーか!?~(2003年)
・真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~(2004年)
・みんなが好きです!(2005-06年)
・ひつじだよ!全員集合!(2014-15年)
・“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!︎(2019年)
更にイベントではありますが
・伊豆だらけのローラ(2000年)
で披露された公演もあったようですね。
野外ライブでも演奏されていますが、どちらかといえばドームツアーや年越しライブなど室内の公演で披露されることが多いですね。「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」のように、モニターでの黄色演出だったりと室内だからこそより映える演出がしやすい、といった要素があるのかもしれませんね。
この翌年の「HOTEL PACIFIC」もそうですが、この時期の間近のライブの為に作られた曲が、そのライブ限定でなく、その後の定番として残り続けているところが実は1番凄いところだったりするのかもしれません。

 

3.夏の日のドラマ

イエローマン〜星の王子様〜」のB面にして、ドラムの松田弘さんがボーカルを取った曲になりますね。弘さんがボーカルを務める曲はシングル「太陽は罪な奴」のB面である「君に贈るLOVE SONG」以来、約3年ぶりですが、「君に贈るLOVE SONG」は弘さんの作詞作曲ソングであり、桑田さんが作った曲のボーカルを務めるのは1982年のシングル「チャコの海岸物語」B面の「翔(SHOW)〜鼓動のプレゼント」以来17年ぶりとなります。これは当時の宣伝の1つにもなっていましたね。何と申しましょうか…。チャコの海岸物語イエローマンも色物寄りといいますか、そういう扱いをされる曲でもあるではないですか…。そういうクセのあるA面だからこそ、B面は爽やかなハイトーンボイスを持つ弘さんボーカル曲を収録することで、バランスを取るというような効果を狙ったのかもしれませんね。
その弘さんボーカルに合わせるかのように、曲調も爽やかな、この「さくら」の時期では珍しいラブソングに仕上がっていますね。この2年前には弘さんのミニアルバム「DRMS」がリリースされていますが、このアルバムは全編ラブソング、といいますか男と女の物語といったアルバムですので、もし「DRMS」に桑田さん提供曲があったら…という見方も出来るのではないのでしょうか。
ライブでは、
・ゴン太君のつどい(2000-01年)
で披露されていますね。「バラッド3~the album of LOVE~」に収録された、というのも大きいかと思いますが(そういえばバラッド3ですと「TSUNAMI」と「LOVE AFFAIR~秘密のデート」の間というとんでもないところに収録されていますね)、やはり20世紀と21世紀という世紀を跨ぐ年越しライブというのもありましたし、桑田さん以外のメンバーボーカル曲も改めてライブで披露しよう、というのもあったのかと思いますね。ちなみにサザンのライブで「松田の子守唄」以外に弘さんボーカル曲が披露されるのも(公式サイトで確認出来る限りでは)、この時の「夏の日のドラマ」が唯一という(「平和の牛歌」などは除く)、そういった意味でも実はかなりレアなケースだったりするのですよね。

 

ブログ用おまけ

1.涙の天使に微笑みを

サザンのサナカ(露骨な暮れのサナカオマージュ)にリリースされた原さんソロ6年ぶりのシングルですね。シングルがリリースされた1997年は関口さんがアルバム「UKULELE CALENDAR」、弘さんがミニアルバム「DRMS(ディルムス)」とそれぞれがソロ作品を出していますし、サザンと並行しながらソロも作っていたというのは、また興味深いといいますか、サザンとソロ作品が互いに刺激し合っているような感がありますね。そういえば桑田さんが早川義夫さんに「アメンボの歌」を提供したのもこの1997年でしたね。こう考えますとまた興味深い1年だったといいますか…。
曲はさくらサウンドといいますか、繊細さを感じますね。アルバム「さくら」に収録されました原さんボーカル曲である「唐人物語(ラシャメンのうた)」もそういった雰囲気を持ったサウンドの曲という感じがありますし、さくらのアルバム曲の1つに「涙の天使に微笑みを」がサザン曲として存在した世界線があったのかもしれませんね。とはいえ唐人物語が歌詞に「桜」とあるように春の曲、こちらは「秋の日に鳴らす口笛」と「秋」という単語があるように秋の曲(リリースも11月ですね)と、そういった季節の対比に結果的になっているのも不思議な縁があるといいますか、さくら期らしいといいますか…。

ネット配信企画「01MESSENGER」では原さんと俵万智さんとの対談があり、その中で「最初歌詞は原さんが書いたのかと思った」という発言がありました。私も最初そう思いましたが、「星屑砂漠」や「面影ワルツ」は桑田さんぽい…と感じたことを思い出してしまいました。
所謂朝ドラ「甘辛しゃん」の主題歌となりました。これ以降、原さんを原しゃんと呼ぶ方が増えたとかそうでもなかったとか…(?)。
ライブでは
サザンでは
・スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』(1998年)
ソロでは
・Mothers' Love(1999年)(イベント)
原由子スペシャルライブ2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」(2023年)
とサザンとソロ両方で演奏されていますね。1998年の渚園でも披露されていますが、基本1曲目披露の原さん枠をサザン名義ではなくソロ名義にしてしまうのもたまにあることではありますが、20周年ライブという周年でサザン名義ではなくソロ、というのが変化球、ではありませんが一筋縄ではいかない、といいますか、どこかこの時期、そしてこの翌年までのサザン自身を投影している選曲にも見えてしまうのですよね…。
ただサウンドから見ますと「さくら」ですし、次の「CRY 哀 CRY」から始まるコーナーを考えますと、この曲になるかしら…というのも同時にあったりするのですよね。

 

以上でごさいます。…しれっと1曲おまけが増えていますね。まあ単行本になる時にはそういったものが必要になりますから(?)。

さてうっかりと思い付きで始めてしまいました、この機会もようやく終了でごさいます。

なんだかんだで続いてしまいました。でも大変なのでもうやりません(?)(誰も望んでいないから大丈夫よ)。

最後に自分自身に一言だけ言わせて下さい。(勝手に設定したとはいえ)3日に1度の更新を19曲分続けたあんたは(多分)偉い(たまにはそういうことを言いたいおじさん)。

 

サザンオールスターズ1999年・2003年・2008年ライブのメドレーコーナーを今更雑に見比べてみる

1999年年越しライブ「晴れ着DEポン」・2003年ライブツアー「SUMMER LIVE 2003「流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~」・2008年「真夏の大感謝祭」と10年の間で3度の長尺メドレーコーナーがライブのセットリストに組み込まれている時期がありましたね。
今回はそのメドレーコーナーに勝手にスポットを当てて、また適当な事を書いていこうと思います。
まずは3つのメドレーを振り返ってみましょう。

 

 

晴れ着DEポン

1.せつない胸に風が吹いてた
2.C調言葉に御用心
3.Bye Bye My Love (U are the one)
4.Happy Birthday
5.君だけに夢をもう一度
6.マチルダBABY
7.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
8.爆笑アイランド
9.チャコの海岸物語
10.そんなヒロシに騙されて
11.松田の子守唄
12.涙のキッス
13.あなただけを~Summer Heartbreak~
14.LOVE AFFAIR~秘密のデート
15.THE END〔THE BEATLES
16.希望の轍
17.思い過ごしも恋のうち
18.いなせなロコモーション

 

ミレニアムメドレーと題されていましたが、その名に相応しい曲が並んでいる、といったところでしょうか。
その中で1曲目が「せつない胸に風が吹いてた」というのが、何と申しましょうか…。1999年→2000年になる、というタイミング、20周年を越えてなおバンドが続いているというサザンの「歩み」をメドレーという形で改めて見せるというスタートにはぴったりだったのかしら…と。
C調言葉に御用心」を挟みまして(そういえばC調さんはこの3回のメドレー全てにご登場されていますね)、「Bye Bye My Love (U are the one)」~「爆笑アイランド」までの曲はデジタル寄りの曲が続いていますね。その中では「マチルダBABY」と「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」という終盤の定番コンビがここでご登場というかなり珍しい選曲となっていますね。ある意味でこの2曲がメドレー内でしれっと演奏されてしまうというのが、ミレニアムメドレーの大きな特徴であり目玉だったのかもしれませんね。特にマチルダさんは中盤&ギター持ちという超レアバージョンですから尚更そう思ってしまうのかも知れません。
SE勝手にシンドバット(?)からの「チャコの海岸物語」~「松田の子守唄」という人名メドレー(?)に入りましたね。松田の子守唄は歌舞伎町ライブでも披露されていますが、この前後の披露は「ブラディ」「真夏の大感謝祭」とこの2回ともメドレーコーナーでの披露なのですよね。メドレーに入れやすい曲なのでしょうか。逆に言えばフルバージョン披露の歌舞伎町ライブが珍しいパターンだったということなのでしょうか…。
涙のキッス」・「あなただけを~Summer Heartbreak~」・「LOVE AFFAIR~秘密のデート」の並び、何ですかこれは(?)(何ですかその言い方は)。この3曲がメドレー内でしれっと演奏されてしまうというのが、ミレニアムメドレーの大きな特徴であり目玉だったのかもしれませんね(使い回すな)。場面によっては真夏の大感謝祭の「いとしのエリー」・「真夏の果実」・「TSUNAMI」に近いような使い方になったのかもしれませんね。また「世に万葉の花が咲くなり涙のキッス)」・「Young Love(あなただけを~Summer Heartbreak~)」・「さくら(LOVE AFFAIR~秘密のデート)」と曲が収録されているアルバム順にもなっているというのも、歴史を感じさせてまた良いですよね…。
1曲、ビートルズの「THE END」がその曲名通り終わり…と。思わせてからの「希望の轍」。ベタといえばベタなのかもしれませんが、その演出をしっかりやってくるあたりがミレニアムということなのでしょうか。今の轍さんの立ち位置ですとメドレー内で披露、というのは想像しにくいですので、これもレアだったのかも知れません(過去では1991年年越しライブ「闘魂!ブラディ・ファイト」でのメドレー披露がありましたが)。
思い過ごしも恋のうち」~「いなせなロコモーション」で締めと歌舞伎町ライブの中盤の流れを投影しつつ(ダンサー演出含め)終わらせるのが、翌年のTSUNAMI茅ヶ崎ライブの流れまでを含めた、1999~2000年という2年間の流れを暗示した年越しライブのメドレー、という感じがするのですよね…。

 


SUMMER LIVE 2003「流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~

1.当って砕けろ
2.お願いD.J.
3.C調言葉に御用心
4.朝方ムーンライト
5.夜風のオン・ザ・ビーチ
6.素顔で踊らせて
7.タバコ・ロードにセクシーばあちゃん
8.女流詩人の哀歌
9.吉田拓郎の唄
10.アミダばばあの唄
11.夕陽に別れを告げて
12.私はピアノ
13.My Foreplay Music
14.涙のアベニュー
15.思い出のスター・ダスト
16.シャ・ラ・ラ
17.わすれじのレイド・バック

 

続いては2003年のメドレーを見ていきましょう。
1978〜85年までに発売された曲で構成されていますね。確か当時の特設サイトだったでしょうか、新しいファンの方々にサザンの歴史を見てもらう意味合いもあったのでは…といった解釈が載っていたのが印象に残っております。
スタートは「当って砕けろ」。25周年企画として「勝手にシンドバッド 胸さわぎのスペシャルボックス」が発売されていましたし、そのB面曲であるこの曲からメドレーが始まる…というのも、そういった歴史を見てもらいたい・聞いてもらいたいということだったのかもしれません。
その「当って砕けろ」から「お願いD.J.」「C調言葉に御用心」「朝方ムーンライト~夜風のオン・ザ・ビーチ~素顔で踊らせて」までの流れはアルバムの収録曲で見ますと「熱い胸さわぎ10ナンバーズ・からっとタイニイ・バブルスステレオ太陽族」というアルバムの流れにもなるのですよね。この辺りの並びは意識していたのでしょうか…?。その中でステレオ太陽族から3曲続けて演奏されています。特に「夜風のオン・ザ・ビーチ」は1982年の「愛で金魚が救えるか サザンオールスターズ PAAPOO ツアー'82」以来21年ぶりの演奏でもありました。
同じくお久しぶり曲となりますと、「女流詩人の哀歌」は「青年サザンのふらちな社会学(ツアーTHE NUDE MAN)」以来20年ぶりの演奏でした。
今回のメドレーである種の目玉は「吉田拓郎の唄」になるのではないのでしょうか。当時療養中であった吉田拓郎さんに向けての歌詞に変更されていますね。1985年もこの2003年も背景は違いますが、こういったタイミングでのこの歌の歌詞を比べるのもまた興味深いのかもしれません。そしてこの曲と「夕陽に別れを告げて」のKAMAKURA曲に挟まれる形で「アミダばばあの唄」が演奏されるというのが面白いですね。映像で明石家さんまさんが登場されますが、そのKAMAKURAのCMに出演していたのが…というのは狙っていますよねえ…。
終盤は「涙のアベニュー〜思い出のスター・ダスト〜シャ・ラ・ラ」と横浜ソングメドレーという形で横浜が舞台になっている曲が続けて演奏されていますね。2014年年越しライブ「ひつじだよ!全員集合!」ではこの並びでフルバージョンで披露されていますので、ある種11年越しの完全版的扱いだったのかも知れません。
ラストは「わすれじのレイド・バック」、25周年の感謝と共に「ひとりひとりを抱きしめたいのさ」。あまりにも綺麗で素敵なメドレーの締めだったのはないのでしょうか。
。そして結果的にですが、1999年と2003年のメドレーは「FIVE ROCK SHOW」で発売したシングル曲が最後を飾ることになりましたね。


真夏の大感謝祭

1.女呼んでブギ
2.いとしのフィート
3.お願いD.J.
4.奥歯を食いしばれ
5.ラチエン通りのシスター
6.TO YOU
7.C調言葉に御用心
8.働けロック・バンド (Workin' for T.V.)
9.松田の子守唄
10.Hello My Love
11.朝方ムーンライト
12.思い出のスター・ダスト
13.夏をあきらめて
14.Oh!クラウディア
15.東京シャッフル
16.そんなヒロシに騙されて
17.あっという間の夢のTONIGHT
18.メリケン情緒は涙のカラー
19.顔
20.Bye Bye My Love(U are the one)
21.メロディ(Melody)

 

流石だツアーと同じく、1978〜85年までに発売された曲で構成されていますね。「青山通りから鎌倉(KAMAKURA)まで」のメドレーという表現がまた良いのですよね…。
その通りメドレーの1曲目はアマチュア時代から演奏されている「女呼んでブギ」からスタートします。そして「いとしのフィート」と青学時代に大きな影響を受けたリトル・フィートから曲名(と曲調)を拝借した曲を演奏するというのがらしいといいますか…。同時にこの流れから時系列で曲を演奏していく、というのが分かるような形になっていますね。
「お願いD.J.」と「C調言葉に御用心」、「朝方ムーンライト」そして「思い出のスターダスト」は前回に引き続き、といいますか、C調さんはこの3度のメドレーで唯一全てで演奏されていますね。「茅ヶ崎ライブ2023」では久しぶりに大サビの「砂の浜辺で〜」の部分が歌われていましたが、この間はちょうどその部分はフル演奏でもカットされていたので、そういった影響もあったりしたのでしょうか。
このメドレーの目玉はやはり「働けロック・バンド (Workin' for T.V.)」でしょうか…。爆笑問題太田光さんに選曲に悩んでいる話をしたところ、この曲が聴きたいです(好きですだったかもしれません)、と言われ結果採用となった、というのもあると思いますが、「無期限活動休止」を発表したこの時期と、曲を作った当時のテレビの仕事に疲れ切って離れていた時期とが不思議と何処かでリンクした感じがあったのが選曲に繋がったのかしら、とも思うのですよね…(演奏もほぼフルバージョンに近い扱いでしたし)。それにライブ演奏は「サザンオールスターズがやってくるニャーニャーニャー」以来28年ぶりと現段階でもサザンの中では最長ブランクを記録しているのですよね。それ以外にも「Hello My Love」は27年ぶり、「東京シャッフル」は23年ぶり、「顔」は20年ぶり、とお久しぶり祭りでもあったのですよね。
そして「松田の子守唄」「そんなヒロシに騙されて」の共演(?)も晴れ着と同じでしたね(連続はしていませんでしたが)。
ラストはKAMAKURA収録曲でサザンの第1期活動ラストシングルでもある「メロディ(Melody)」でした。9月ではありませんが、無期限活動休止前の8月末に聴く、「今宵雨のSeptember」や「泣かないでマリア いつかまた逢える」には特別な響きがあったように思うのですよね…。

 

 

と3つのメドレーを振り返ってみました(ここまでが長いのよ、あんた)。
こう比べますと、当たり前ですがそれぞれ色が違いますね。晴れ着のメドレーはやはり年代を絞っていないこととミレニアムの特別感からかライブ定番曲も多いのが特徴ですね。流石ツアーは25周年ライブということでの(バラエティ部分も含めつつ)それまでのファンに向けた部分とTSUNAMI以降入って来たファンの方へサザン初期の曲を聴いて貰おう、というのが絶妙にマッチしたメドレーといったところでしょうか。大感謝祭は30周年の中での初期を振り返りつつ、無期限活動休止ということが頭にあったからなのか20年以上演奏していなかった曲をここでやる、というある種サザンの清算的メドレー、といった感じになりますでしょうか…。
そしてこの大感謝祭以降はメドレーコーナーは(現時点では)行われておらず、1曲1曲を聴いてもらう、というスタイルになっていますね。この辺りは歴史の長さと曲の多さがあるので、その時のどう曲を聴いてもらうか…が何となく見えて来るのが面白いと思うのですよね。


何となくでございますが、メドレーはサザンの歴史を見てもらいたいタイミングで披露されやすい傾向があると思うのですよね。今、サザンのレコーディング中ではないですか…。アルバムでしたら違うとは思いますが、まだ45年の周年時期ですし、シングルやEPだったりしましたら、それに伴うツアーではそろそろまた新旧様々な方々に向けてメドレー披露があるのでは…とも今回書きながら思ってしまったのでごさいました。

 

と、今回はメドレーコーナーについて雑な振り返りでございました。