先日サザンオールスターズの年越しライブが無観客で開催されることが発表されましたね。ライブ名が『サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020 「Keep Smilin’〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜」supported by SOMPOグループ』と2013年の「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」以来7年ぶり2度目となるライブタイトルにマンピーという言葉が使われました。そもそも曲名がライブタイトルに使われること自体が稀ではありますが、2度目の登板というのはまさに異例といえるのはないのでしょうか。
そこで「マンピー」という言葉は今どのような位置にいるのだろうか…とふと思ってしまったので、無い頭で考えて見ましたというザ・雑文でございます。
まず思いますのは、「マンピー」という言葉をいい意味で軽く使いやすい面があるのでは…というところです。何と申しましょうか…「とりあえずビール」ではありませんが、とりあえずマンピーという単語をポンと出しますと、あっサザンだなと物凄く分かりやすい感覚といいますか、「マンピー=サザン」として良い意味でも悪い意味でも定着しているところがちょっと世の中に漂っている感じがあると思うのですよ。
この仮説をタイトルに当てはめますと、嵐を呼ぶマンピーは嵐を呼ぶサザンになりますし、それでも良かったのかもしれませんが、マンピーにすることでサザンという意味が伝わると同時に洒落に出来るという意味を付加できるようになったタイトルになったのではないのでしょうか。
しかもそのイコールサザンはある種多面体といえるサザンの顔の中でエロ、というよりも最も軽い印象となるのかと思います。
その軽いイメージのマンピーという単語を今回再びライブタイトルの一部に持って来た、というのは今年の6月25日に行われた無観客配信ライブが「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」というシンプルかつ、(6月当時の)今に寄り添ったある意味でサザンらしくない正統派なライブタイトルだったこと、そして今この年末の状況を踏まえたうえで、ある種の忘年会的な、といいますか敢えておちゃらけることで、例年の年末のような要素を少しでも持ってこようという考えがあったのではないのでしょうか。今回にも「Keep Smilin’」と付いていますが、前回は自然に笑いましょうという感じから、今回は笑わせる…いや、笑ってもっとBabyというような(?)より笑顔になって欲しい、という思いが照れ隠しとしてマンピーという単語に置き換えたのでは…と思ったりしてしまうのです。
要は恐らく一見重々しくなってしまったり、ある種物事として大きく見られてしまうことを意図的に落とす、たかがサザン(勿論「されどサザン」がある前提でのたかがですよ)と思わせる効果があるのでは…というのが、結論でございます。灼熱のマンピーもサザン復活という大きなトピックがある中で発表されたライブタイトルだったことを考えますと、そういったらしさになるのかなと。
一方でマンピーを引っ張り過ぎ押し出し過ぎでは、という意見も当然あります訳で…。他にも曲がたくさんありますし、マンネリ…とまでは言いませんが、ライブの予告と言いますか、予定調和になってしまうようなところもありますね。そして何と申しましょうか…本来軽い意味を持たせるような使い方をしているマンピーという言葉にある種の重さといいますか、何かを背負わせ過ぎているようにも見えてしまうように感じるところもあるのですよね。変に意味を持ち過ぎてしまったことで、その意味がイメージ化されたマンピーがある種の一人歩きを始めているような制御が出来ない怪物君化しているのかもしれません。
…いやでもマンピーさんからしたら自由に振る舞っているだけで、マンピーさんご自身にも意味は特にないのかもしれませんしそれが一番らしい気がするのですよ。
今回のライブタイトルも、ライブ大定番でありながら年越しライブ(が絡むツアーを含めて)には2004年「暮れのサナカ」以来出番がないことにいよいよ我慢できず、自身の年越しライブ起用をアピールすべくうっかりライブタイトルに出てきてしまった、くらいで捉える方が健全なのかもしれません(?)。
とりあえずまずはこのような煩悩を捨てて年越しライブを楽しみに待ちたいと思います。