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1996年年越しライブ「牛」のセットリストを今更雑に見てみる

サザンオールスターズの個人的リアルタイムを知らないライブを雑に振り返るシリーズ第7弾でございます。今回は1996年の年越しライブ「牛」のセットリストを振り返ってみようと思います。

 

例によっていくつかのブロックに分けて書いていこうと思います。



1.女呼んでブギ

2.Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)

3.マンピーのG★SPOT(年越し曲)

 

女呼んでブギでのスタートとなりました「いっちゃえ'89サザンde'90」〜「ホタル・カリフォルニア」まで演奏される時にはアンコール披露でアンコールの定番曲となっていた曲が1曲目というのは、当時としては意外な選曲、といった感じだったのでしょうか。特にこの前年に行われたホタルは製品化され、多くのファンの方に触れることが多いライブだと思われますし、尚更アンコールの印象があったと思われるのですが如何でしょうか…(あんた、誰に聞いているのよ)。

2曲目は「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」、ライブの定番ではありましたが、1990年の年越しライブ「歌うサザンに福来たる」以来6年ぶりの披露と歌うサザンまでの演奏頻度を考えるとお久しぶりな登場となりました。しかしそんな曲に容赦なく入るCM…まさに悲劇(?)(言いたいだけシリーズ)。

そして年越し曲となりましたはこの曲の歴史では珍しいヅラなしでの「マンピーのG★SPOT」。オネエ様の方々が登場されたと思いきや、桑田さん「ハッピーニューハーフ~」お正月からお疲れ様でございます(?)女呼んでと思いきやまさかのオネエ様でビッグスターの悲劇、という物語だったのですね(?)。

何て冗談は置いておきまして、この時の演出が、後のマンピーでのダンサーさん大量ご登場の演出の元祖的感じに結果的になったというのが興味深いですね。

 

4.いとしのフィート

5.メリケン情緒は涙のカラー

6.Tarako

7.奥歯を食いしばれ

8.タバコ・ロードにセクシーばあちゃん

9.Happy Birthday

10.海

 

MC明けはお正月と歌詞に入る「いとしのフィート」定番っぽい流れですが、年越し明けの演奏、と限ると1991年年越しライブの「闘魂!ブラディ・ファイト」とこの時だけなのですよね。また4~7の4曲は1984~85年のツアー「大衆音楽取締法違反“やっぱりアイツはクロだった!”実刑判決2月まで」以来12年ぶりの披露となりましたね。後にもまた触れますが、この時のライブタイトルがシンプルに97年の干支である「牛」でしたし、その干支が1周する「12年」というのが頭にあったのかもしれませんね。またこのライブ以降も含めてライブ1曲目で披露されたことのある曲が4曲(フィート・メリケンTarako・海)あるというのも偶然になりますが、ライブ1曲目メドレー風になっているのも面白いですね。

海でこのブロックを締めるというのも良いですね。牛と同じく漢字一文字繋がりでしょうか。ちなみに海の年越しライブでの披露は現段階でこのライブのみとなっています。

 

11.Young Love(青春の終わりに)

12.胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ

13.Moon Light Lover

14.Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)

15.汚れた台所(キッチン)

 

このブロックは分かりやすく1996年に発売されたアルバム「Young Love」のコーナーとなっていますね。1996年はアルバムやシングル「愛の言霊~Spiritual Message」の大ヒットに夏のスタジアムツアー成功と端から見ますとサザン充実の年といえますし、その振り返りと感謝、と全面に出したコーナーだったといえるのではないのでしょうか。

一方で「Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)」「汚れた台所(キッチン)」の流れは次のサザン、所謂「さくら期」の活動を暗示したかのようでそういった曲達でコーナーを締めているのが何とも意味深ですね。まあ未来を知っているからそう見えてしまうのでしょうけど…。

そういえばこのライブでは原さんコーナーがありませんでしたね。やるとすればこのコーナーで「恋の歌を唄いましょう」辺りが最有力になっていたのでしょうが、夏との被りを避けた結果だったのか、「平和の牛歌」一応歌唱パートがあるからそれで良い、という判断だったのか分かりませんが無かったのは残念でしたね。

 

16.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN

17.瞳の中にレインボウ

18.古戦場で濡れん坊は昭和のHero

19.欲しくて欲しくてたまらない

20.悲しみはメリーゴーランド

21.怪物君の空

22.愛の言霊~Spiritual Message

23.平和の牛歌

 

アコースティックバージョンで「エロティカ・セブン」が披露されましたね。ホタルでも演奏していたとはいえ、ギターを持つ原さんが見れたサザンのライブは現時点でこれがラストになるのでしょうか…。ちなみに15~17の流れは風まかせ繋がり(汚れた台所→エロティカ)からのセブン=7=七色=レインボウという(エロティカ→瞳の中~)歌詞繋がりな連想ゲーム的メドレーだったのでしょうか…(これこそ偶然でしょうに)。

18~21はアルバム「KAMAKURA」からの選曲でしたね。ちょうど年明け1997年の1周前の丑年1985年発売のアルバムでしたし、「牛」繋がりでの選曲だったのでしょうか…。序盤の12年ぶり演奏曲コーナーといい、ある意味でサザン史上最も干支を意識したライブ(意識されられる、ともいえるかもしれません(それは私だけ?))だったのかもしれません。何より本編ラストがこのライブの為に作られたオリジナルソング「平和の牛歌」ですから…。

話は前後してしまいますが、煽りコーナーの中で愛の言霊が始まるまで桑田さんがギター持ちというのも珍しいですね。愛の言霊もドカンと盛り上がる曲ではありませんし、煽るというよりは魅せるライブ、という感じがあったのでしょうか。ラスト曲の平和の牛歌というのにもいえるのかもしれませんが、夏のツアー「Southern All Stars Stadium Tour 1996「ザ・ガールズ 万座ビーチ」」と同じくYoung Loveをライブの主体に置いている中で同じような内容のライブにしない(同じく愛の言霊を本編ラストにしない)という差別化を図っていたのかも知れませんね。

 

En1.希望の轍

En2.夕方Hold On Me

En3.Oh!クラウディア

 

一転してアンコールは王道、といいますか定番曲のオンパレードですね。まずは「希望の轍」、言葉はいりませんね。そして「夕方Hold On Me」、言葉はいりません(?)…とは流石に2曲続けては許されませんので(?)、トリビアをいいますとこのライブの23年後、2020年の配信による年越しライブ「ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」でのアンコール2曲の流れが全く同じなのですよね。そして年明けの2021年は「丑年」という…。良く出来た話でございますでしょう(?)。

ラストは「Oh!クラウディア」、ブラディ・ファイトに続いて年越しライブの締め曲となり、また初めて複数回年越しライブで締めを担当する曲となりましたね。この辺りで年越しライブのラスト=Oh!クラウディアという認識が出始めたのでしょうか。ちなみに後の「晴れ着DEポン」・「ひつじだよ!全員集合!」でもライブのラストで演奏され4回そのポジションを担当することになります。

この曲が終わると番組の企画でウッチャンナンチャン内村光良さんがサプライズ登場、この時内村さんは桑田さんによりステージから客席に落とされてしまいますが、後にこの事を内村さんとの飲みの席でしきりに反省していたということでした(所謂余談)。

そういえば内村さんがコント番組で扮していたことのあるキャラクターには「ミル姉さん」という牛のキャラが…。全て繋がったところで締めたいと思います(?)。

 

 

さて雑に振り返ってみました。改めて見ていますと夏のライブとの差別化とどこまで意識していたかは分かりませんが、牛(丑)の繋がりを感じさせる年越しライブだったと思いますね。このライブ以降1985年に大衆音楽取締法違反ということで実刑判決を受けていた(?)「メリケン情緒は涙のカラー」や「奥歯を食いしばれ」あたりの曲は時々演奏される準定番曲枠に入った感がありますし、そういったメンバー全員ハタチを2度も越えたからこその出せる「渋さ」によってスポットを浴びたのではないのでしょうか。

また翌年のよりマニアックなセットリストとなった「おっぱいなんてプー」へのフラグといいますか、そこへいきなり向かう前の、王道なセットリストだったと言えます万座ビーチの間にある繋ぎ、といいますかある意味でクッションとなったライブ、という見方も出来るのではないのでしょうか。別な言い方をすれば「Young Love」と「さくら」のアルバム、時期を繋ぐサザン史において歌舞伎町ライブとはまた別な転換期にいた存在だったのかも知れませんね…。