適当文集

140文字でも書けそうな事を引き延ばして雑に書くところ

サザンオールスターズの歌詞に「茅ヶ崎」と入る曲についてふと思った事を

桑田さんの出身地であり、サザンイコールともいえます街「茅ヶ崎」。デビュー曲である勝手にシンドバッドを始めとしていくつかの曲の歌詞にも登場していますね。そんな歌詞の中の茅ヶ崎にスポットを当ててみよう、という雑文でございます。


まずは歌詞に「茅ヶ崎」と入る曲を一覧にして見ました。公式サイトで検索する際には「茅ケ崎」と「茅ヶ崎」の2種類になるので気を付けましょう(?)。


「茅ケ崎」

勝手にシンドバッド

茅ヶ崎に背を向けて

HOTEL PACIFIC


茅ヶ崎

・雨上がりにもう一度キスをして

・八月の詩(セレナード)


5曲とはサザン=茅ヶ崎というイメージで考えますと意外と少ない…と言えるのでしょうか。ちなみに1983年、ザ・ナンバーワン・バンドに嘉門雄三名義で提供・歌唱している「茅ヶ崎は今日も黄色い」という曲もありますので、実質6曲ということになりますでしょうか。旅姿六人衆(?)(言いたかっただけシリーズ)。


発売年で見てみますと、「勝手にシンドバッド」「茅ヶ崎に背を向けて」が1978年のリリースで1983年に「茅ヶ崎は今日も黄色い」を挟んでいるとはいえ、次に茅ヶ崎が登場するのが2000年の「HOTEL PACIFIC」と実に21年間が空くことになりました。その間江ノ島やエボシ岩、湘南といった単語は登場してはいますが、やはり「砂混じりの茅ヶ崎」のフレーズが良い意味で強すぎたのもあるのかもしれませんね。まあここはまさに茅ヶ崎に背を向けていた、ということにしておきますか(?)。

結果的にではありますが、桑田さんの凱旋公演となった「茅ヶ崎ライブ~あなただけの茅ヶ崎~」に向けての新曲となった「HOTEL PACIFIC」で茅ヶ崎が歌詞に久々に登場、というこれ以上ない展開になりましたね。面白いなと思うのが、「茅ケ崎あたりのモーテルにゃ」と茅ヶ崎とその周辺を指しているというところですね。ストレートに表わすことに多少の照れがあったのか、単純に茅ヶ崎だけのご当地ソングではなく周りの地域全てが故郷、といったある種の青春ソングでもあるという考えがもしかするとあったのかもしれませんね。

良い意味でご当地ソングで終わらなかったことが現在まで長くサザンのライブ定番曲となっている要素の1つになったのかもしれませんね。そこがある種シンドバッドっぽさがあると同時にシンドバッドが如何にサザンのイメージを作るのに大きかったのか、改めて感じるものがありました。

次の茅ヶ崎登場曲は意外に(?)早く、2003年の「雨上がりにもう一度キスをして」でしたね。

面白いのがこの曲でも「茅ヶ崎あたり」なのですよね。しかも「茅ヶ崎あたりのローカル」ですから、HOTEL PACIFICのセルフパロディ的なフレーズにもなっている感がありますね。ちょうど「SUMMER LIVE 2003「流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~」が茅ヶ崎ライブ以来の野外ライブ(建長寺ライブは除いて)でサザン5人体制のスタートの年でもありますし、ある意味でHOTEL PACIFIC以上の原点回帰、という意識があったのかもしれません。同時にそれまでの曲と比べましてもさり気なさ、といいますか、これは「八月の詩(セレナード)」にも言えるのかと思いますが、あくまでメロディに乗りやすい単語としての起用という感じもありますし、サザン色が強い単語ではありますが、茅ヶ崎ライブ以降決定的になった感のあるサザン=茅ヶ崎イメージの固定化が逆に茅ヶ崎を歌詞に使いやすくした、という面があったのかもしれません。

一方でこの時期に固まっている、というのも茅ヶ崎ライブの余韻、ではありませんが、さくら〜キラーストリートというオリジナルアルバムの7年の間を思わせる感じがあって、この時期を振り返りながら茅ヶ崎という言葉を改めて見ますと興味深いな…と。


さて、何となく「茅ヶ崎」という単語から見てみましたが、茅ヶ崎という歌詞はスタート、もしくはリスタートというタイミングで登場しやすい、といえるのかもしれませんね。初期の茅ヶ崎は桑田さん自身が大学進学で茅ヶ崎から東京に出るようになったこともあったのか、距離が近いといいますか、住んでいる匂いを感じてしまうのですよね。一方で2000年以降は茅ヶ崎「あたり」・今夜茅ヶ崎に帰るなら、といった何処か抽象的、といいますか住んでいる匂いがしないのですよね。これは桑田さん自身が東京に暮らすようになって20年以上経っているというのもあるのでしょうが、その後現在までのサザン(桑田さん)と茅ヶ崎を見ますに、何処か少し離れていた故郷との距離がグッと縮まった瞬間(過程)を捉えた歌詞だったのかもしれませんね。


近年はまた歌詞に茅ヶ崎が入る曲はありませんが、また次にどのような曲に使われることになるのか楽しみにしたいところですね。

 

先日、桑田さんの新型コロナウイルス感染が発表されましたね。個人的にも色々と感情は生まれましたが、一番様々な想いを持っているのは桑田さんご本人ですし、それを思えば今はただ回復を願い祈るだけでございます。