適当文集

140文字でも書けそうな事を引き延ばして雑に書くところ

2000年年越しライブ「ゴン太君のつどい」のセットリストを今更雑に見てみる

リアルタイムを知らないライブを雑に振り返るシリーズ第4弾でございます。今回は2000年の年越しライブ「ゴン太君のつどい」を振り返って見ようと思います。

 

例によっていくつかのブロックに分けて書いていこうと思います。

 

1.メリケン情緒は涙のカラー

2.ネオ・ブラボー!!

3.希望の轍(年越し曲)

1曲目は1997年年越しライブ「牛」以来の演奏となった「メリケン情緒は涙のカラー」師匠でしたね。1曲目は初でございますね。2000年はTSUNAMIから茅ヶ崎ライブという非常に大きな流れがあり、その余韻がまだ残った中での年越しライブで横浜がテーマのご当地ソング、とはいえアルバム曲であるこの曲を持ってきたというのが、突き放すという訳ではありませんが、ある意味夏の茅ヶ崎とはまた違う、もう1つの地元としての冬の横浜というところを強調したかったのかもしれませんね。もしくは盛り上がりから一歩引いた通常運転としての1曲目といいますか…。

2曲目は「ネオ・ブラボー!!」。ライブで最初に演奏された1991年の「THE音楽祭 -1991-」で本編ラストに演奏されて以降はライブの1~2曲目で演奏されていますし、後半ではきつい曲なのでしょうか…このライブ以来22年演奏されていませんね。

3曲目は「希望の轍」。年越し曲であり世紀を跨ぐ曲として披露されました。夏の茅ヶ崎ライブでの1曲目演奏といい、何となくこの曲の立ち位置がライブ定番曲の1つ、というところから少し変わってきた瞬間なのかも知れません。

 

4.真夏の果実

5.女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)

6.OH, GIRL(悲しい胸のスクリーン)

7.逢いたくなった時に君はここにいない

8.BLUE HEAVEN

9.Moon Light Lover

10.慕情

ここからはライブ前に発売された「バラッド3~the album of LOVE~」コーナーですね。

真夏の果実」を序盤に歌うのは非常に珍しいですね。しかもギター+スタンドマイクという初期のライブ披露スタイルですから、より珍しさが際立つと言えますでしょうか。

「女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)」から「逢いたくなった時に君はここにいない」までの3曲はバラッド3の選曲であると同時にアルバム「Southern All Stars」からの選曲でもありますね。このコーナーではバラッド3の選曲期間に発売されたアルバム「Southern All Stars」から「さくら」までのアルバム収録曲から最低1曲は選曲されていますが、「Southern All Stars」からは3曲と多めに選曲されていますね。結果的に、ではありますがここでこのアルバムにスポットが当たった、といいますか、真夏の果実、そしてコーナーとしては別ですが、その前に演奏された希望の轍も1990年の曲ですし、アルバムと言うよりは1990年にスポットが当たっているのが興味深いですね。今10年経って若過ぎた日が妬ましいのか、あれから10年も忘れられたBIG WAVEなのか気になることです(?)。

個人的には「逢いたくなった時に君はここにいない」での桑田さんの歌詞に合わせた手の動きがとても好きだったりします。

「BLUE HEAVEN」・「Moon Light Lover」と後のライブでも定期的に演奏される曲ですし、桑田さんお気に入り枠でもありそうですね。桑田さんセレクトベストの「Happy」とも被りが多いですし、尚更そういった感じも受けますね。

コーナーラストの曲は「慕情」。個人的には「歌う日本シリーズ1992〜1993」のようなラスト曲の位置よりもこういった中盤のコーナーの締めでご登場されるのが好きですね。

 

11.唐人物語(ラシャメンのうた)

12.夏の日のドラマ

13.よどみ萎え、枯れて舞え

14.ゆけ!!力道山

15.欲しくて欲しくてたまらない

16.Computer Children

17.イエローマン~星の王子様~

原さん曲はバラッド3に収録されたこともあるのか「唐人物語(ラシャメンのうた)」でしたね。原さんボーカルの新曲が出た時以外は基本的に「私はピアノ」「そんなヒロシに騙されて」「鎌倉物語」の3曲から選曲される傾向が強い中で結果的に珍しい選曲となりましたね。ただ一方で新曲である「チャイナムーンとビーフン娘」が歌われるチャンスを逃してしまう形となってしまいましたが…。珍しい選曲といえば弘さんボーカル曲の「夏の日のドラマ」ですね。ほぼ「松田の子守唄」が披露される中でこの曲ですから、唐人物語と同じくバラッド3収録というのが大きかったですね。この2人の選曲というところでは、ある意味1番レアなライブだったのかもしれません。

「よどみ萎え、枯れて舞え」からは少しコアな如何にも年越しライブといった選曲になりますでしょうか。よどみ先輩も女神達への情歌と同じく1990年のツアー「Southern All Stars 夢で逢いまSHOW」以来のご登場とこのライブで演奏された曲の中ではお久しぶりな曲となりましたね。

「ゆけ!!力道山」は世紀を跨ぐライブで、20世紀の、そして桑田さん自身の幼少期のスターを歌った曲を演奏したというのは興味深いものがありますね。

「欲しくて欲しくてたまらない」「Computer Children」とKAMAKURA収録曲から連続演奏されましたね。こう見ますと、このコアなコーナーは打ち込み曲が中心ですね。TSUNAMI茅ヶ崎ライブ、もしくはバラッド3でサザンを知った方にこういうサザンもあります、という紹介を兼ねていたのかもしれませんね。

コーナーラストは「イエローマン〜星の王子様〜」。ライブ終盤で演奏されることが多い曲ではありますが、今回と茅ヶ崎ライブでは中盤のこの位置で演奏されていますし、2000年のイエローマンさんのライブにおける立ち位置というのが、中盤のコアなコーナーで演奏される曲になっているのが面白いといいますか、ファンと所謂世間の認知・ライブでの(この当時としての)温度差を2022年の今から見ますと興味深いものがありますね。

 

18.私の世紀末カルテ

19.この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~

20.HOTEL PACIFIC

21.匂艶THE NIGHT CLUB

22.勝手にシンドバッド

23.ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)

24.マンピーのG★SPOT

25.みんなのうた

序盤のバラードコーナーもあってバランスを取ったのか、煽り前にバラードではなくアコースティックな2曲を並べていますね。「私の世紀末カルテ」はもちろん替え歌での披露。1999年の「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」の時よりもどこか暗めな替え歌が多く、世相を歌っているといいますか、後の「どん底のブルース」に繋がった、もしくは原形になったのかもしれません。

そして新曲の「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」が初披露であると同時に2022年現在最後の演奏となってしまいましたね…。

2000年リリース曲繋がりである「HOTEL PACIFIC」から所謂煽りコーナーに突入となりました。「みんなのうた」まで割とスタンダードといいますか、ストレートな選曲でありますが、このライブから2008年の「真夏の大感謝祭」までは「ボディスペ・マンピー・シンドバッド」のトリオと「マチルダ・ミスブラ」のコンビを分け、どちらかを中心に煽りコーナーを組むという形になりましたね。

また珍しいのは、そのトリオである「ボディスペ・マンピー・シンドバッド」の3曲の並びを変えているところですね。煽りで演奏されながら本編ラストではない「勝手にシンドバッド」は1991年の音楽祭以来で、これ以降も2005年の「ROCK IN JAPAN FES.2005」のみというかなり珍しい流れとなっていますね。

そんなライブの本編ラスト曲は「みんなのうた」。2000年はTSUNAMIの大ヒットに始まり、茅ヶ崎ライブの開催、そして21世紀へ向かう…という1年になりましたし、その締めとなるライブの煽りの最後にみんなのうた、というのが、まさにみんなのうたであるサザン、を表しているのではないのでしょうか。

 

En0.虫歯のブルース~インディアン狂想曲[MEDLEY]

(31日のみ追加演奏)

En1.太陽は罪な奴

En2.LOVE AFFAIR~秘密のデート

En3.TSUNAMI

En4.歓喜の歌

(31日以外演奏)

アンコールは最終日のみ「虫歯のブルース~インディアン狂想曲[MEDLEY]」からスタートしましたね。このライブでの披露が現時点では最後と考えますと、追加されたのは良かったですね。

太陽は罪な奴」は1999年の年越しライブ「晴れ着DEポン」での年越し曲であり、西暦が2000年代に変わるというところでの大役を担った曲でもありますね。そんな曲がこの世紀を跨ぐライブでしかも仕切り直しのアンコール(31日を除けば)1曲目に披露されるというのが、繋がっている感じがあって良いなと思います。

ラストは「TSUNAMI」。2000年を締めるならもうこの曲しかありません。

「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」もですが、この時のアンコール披露曲は全て90年代後半以降の曲になるのですよね。2000年に焦点を当てつつも1995〜2000年のサザン活動期の総括も同時にしていたようにも見えますね。



さて雑に振り返ってみました。改めて見てみますと基本的には年越しライブらしいお久しぶりな曲もありつつも、バラッド3コーナーの存在が軸になった、といいますか夏の茅ヶ崎ライブと差別化を図るには大きかったのではないのかと思います。後の2004年年越しライブ「暮れのサナカ」の序盤が似たような構成となりましたが、それまで所謂バラード曲を1コーナーとして連続で披露する、ということはなかったので、形としては新しいものになったのではないのでしょうか。 また上記しましたが、煽りコーナーを定番曲中心としつつもそれまでのある種固定されていたと言えます演奏順を変えるなど、TSUNAMIから茅ヶ崎ライブ、バラッド3までの流れで入ってきた人達に眼を向けつつも、それ以前のファンにもマンネリにならないバランスを取ったライブとなったのではないのでしょうか。

私個人としても非常に好きなライブの1つで、もし何か1つ好きなライブを製品化出来るということになれば、このライブを真っ先に上げると思います。あ、もちろんそこはTBS版ではなくWOWOW版でお願いしますよ(?)。