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1999年ライブツアー「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」セットリストを今更雑に見てみる

リアルタイムを知らないライブを雑に振り返るシリーズ第5弾でございます。今回は1999年のライブツアー「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」を振り返って見ようと思います。

 

例によっていくつかのブロックに分けて書いていこうと思います。



1.JAPANEGGAE

2.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

3.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN

1曲目は1984-85年「大衆音楽取締法違反“やっぱりアイツはクロだった!”実刑判決2月まで」以来14年ぶりのご登場となりました「JAPANEGGAE」でございましたね。あの演出と原曲以上に「和」の雰囲気を纏ったイントロがよりアルバム「さくら」のツアーであることがより強調されると共に今までのサザンと違う、というのを示す1曲目になったのではないのでしょうか。

といいつつも「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」~「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」という2~3曲目で早くもいつもの、というとちょっと悪い意味になってしまうかもしれませんが、=サザン的な選曲ではありますね。とはいえ3曲目という序盤にエロティカというのはこの時が唯一で珍しい例ではあるのですが。

何と申しましょうか…。この2曲はドームツアーというのも影響した選曲であるという気がしますね。さくらを中心に今までのサザンから脱却したニューサザンを…というライブではありますが、やはり5万人を収容するライブということもあり、不特定多数といいますか初めて生のサザンに触れるような人もいらっしゃるような幅もあるかと思いますし、その当たりのバランスとしてイメージに描きやすいサザンを1つの掴み(クッション)として持ってきたような感じも受けますね。特にエロティカは当時一番売れたシングルで一番売れたベストアルバム(海のYeah‼︎)にも収録されているといった知名度の高さを示す要素も選曲に至ったように思います。

 

4.SAUDADE~真冬の蜃気楼~

5.YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~

6.爆笑アイランド

7.NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH

8.01MESSENGER~電子狂の詩~

9.CRY 哀 CRY

10.唐人物語(ラシャメンのうた)

ここからはアルバム「さくら」のコーナーになりますね。アルバムから最初に選曲されたのは「SAUDADE~真冬の蜃気楼~」。アルバム曲とはいえ春のツアーに冬の曲というのは意外かもしれませんが、秋に発売され、春にツアーをスタートした、という中で飛ばしてしまった冬をここで回収と考えますとちょっと納得するといいますか、その冬に行われたAAA1998「オールリクエストショー」で同じ4曲目でさくらの曲から最初に披露された…という流れを踏襲したとも見える選曲ですね。

アルバムの好きな曲ファン投票1位「YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~」、さくらの中ではポップよりな「爆笑アイランド」を経て、アルバム1曲目である「NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH」師匠のお出ましでごさいます。ある意味ここからさくらワールドのスタートとも受け取れるのかもしれませんね。アルバムの1曲目はツアーにおいて傾向的には、中盤〜終盤の煽り1曲目あたりに配置されることが多いのですが、この序盤のコーナーにしかもそれに続くのが「01MESSENGER~電子狂の詩~」「CRY 哀 CRY」とロック色の強いアルバムの中でも濃いめな、前年の「スーパーライブin 渚園『モロ出し祭り~過剰サービスに鰻(ウナギ)はネットリ父(チチ)ウットリ~』」でのCRY 哀 CRY〜Computer Children〜01MESSENGERの流れを再現するような選曲になっているなど、意図的にここから今回はいつもと違うライブというのを「見せ付けている」(突き放しに来ているともいえるのかもしれません)感じが漂っているのですよね。何と申しましょうか…秋に狂い咲いたさくらが春に再び暴れるように咲いたような感覚といいますか…。

とはいえ、01MESSENGERのミッション・インポッシブル合体アレンジなど、サザン的お遊びといいますか茶目っ気を残しているのが、らしいところではあると思いますね。今見ますと演出とはいえラストに銃口を向けられるのが大森さん、というのが意味深に見えてしまいますね…。

コーナーの締めは原さんボーカルの「唐人物語(ラシャメンのうた)」まさに春といいますか、清涼剤のような爽やかさと春の温かさが合わさったような締めとなった感じがありますね。

 

11.マイ フェラ レディ

12.胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ

13.Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)

14.汚れた台所(キッチン)

15.愛無き愛児~Before The Storm~

 

メンバー紹介を経て、「マイ フェラ レディ」ですよ。最近ようやく気が付いたのですけど、overtureで流れているメロディは勝手にシンドバッドだったのですね。

次の「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」から前作のアルバムである「Young Love」のコーナーに入る訳ですが、この胸いっぱいの愛と情熱をあなたへというポップな曲からそういった流れに繋げるのかと思いきや、「Soul Bomber(21世紀の精神爆破魔)」「汚れた台所(キッチン)」「愛無き愛児~Before The Storm~」とYoung Loveの暗部といいますか、さくらにも繋がっているようなテーマ・曲調のナンバーを持ってくる、というのがまさにセオーノという素敵な春の大瀬をひっくり返したライブを表しているようにも思えてしまうのです。だからこそ胸いっぱい〜のポップさが際立つといいますか、敢えて悪い言い方をすると、偽りの光といいますか、暗さを強調するための意図的に浮かせたような選曲にも見えてしまうのですよね。もちろんこのいつものサザンと違う雰囲気の中で1つの安心感といいますか、給水ポイントのようなある種のやさしさを持った1曲になったとも思います。

 

16.私の世紀末カルテ

17.愛の言霊~Spiritual Message

18.PARADISE

19.ブリブリ ボーダーライン

20.GIMME SOME LOVIN'~生命果てるまで~

21.開きっ放しのマシュルーム

22.マンピーのG★SPOT

23.みんなのうた

24.イエローマン~星の王子様~

 

後半パートは「私の世紀末カルテ」からスタートしましたね。各地ごとの替え歌と金原さんのバイオリンもあってある意味で一番原曲と離れたアレンジになったといえるのではないのでしょうか。個人的にはドーム公演というのもあったのか毎回野球ネタがあったようで嬉しい(?)。

そして「愛の言霊~Spiritual Message」「PARADISE」とおそらく制作時アレンジに試行錯誤で時間のかかったであろう(?)2曲続けてご登場でございます。…何と申しましょうか、この2曲の繋ぎは意味深な感じがありまして…。愛の言霊の「戦をしたり 罪犯したならば ぼくもまたそれを繰り返すのか」からの核をテーマにしたPARADISE、というのが偶然なのか意図的なのか…というまた絶妙なところを付いているのですよね。言霊と「二度と帰らぬ魂の叫び」というところもまたそういう繋がりを思わせてしまうのですよね。同時にある意味でYoung Loveというアルバムとさくらというアルバムの流れがここで重なったともいえるのかもしれません。

「ブリブリ ボーダーライン」から煽りコーナーという認識でよろしいのでしょうか。だとすると「さくら」のツアーの煽りが「世に万葉の花が咲くなり」に収録されている曲で始まる、というのも素敵ではありませんか(?)。ブリブリさんがさくら曲に挟まれているというのもまた。

はい、そこのあなた「開きっ放しのマシュルーム」先輩への歓声の大きさに戸惑わないの(?)。1997年年越しライブ「おっぱいなんてプー」でも披露と世紀末に思わぬ脚光を浴びたといえますでしょうか。一説では、1985年に大衆音楽取締法違反による実刑判決を受け、おっぱいなんてプーでようやく12年ぶりに娑婆に出た後セオーノで春の逢瀬を楽しんでいたとも言われております(?)。

一転して「マンピーのG★SPOT」「みんなのうた」と、ここは一見すると今までのサザン、とも取れるかもしれませんね。2〜3曲目のところでも書きましたが、いつも以上に客層に幅があったかと思いますし、そういったところを念頭に置いた選曲だったかもしれません。

しかし本編ラストに控えている「イエローマン~星の王子様~」を見ますと前座、といってしまうと失礼ですが、あくまで主役はイエローマン、というような立ち位置にいる気がするのですよね。ある種さくらとイエローマン、そしてこのセオーノというライブに呑まれてしまった感じがあるのですよね。特にマンピーさんは今の自由さを手に入れ爆走しているような雰囲気とは違う、ライブ定番だけどまだどこかキワモノでまだどこか抑制されている良い意味で立ち位置が定まりきっていないところがある今見ますと貴重なものだったりするのかもしれませんね。まあ「夏は魂だってYellow」ですから、単にイエローマンに変身するために必要な要素だったのかもしれません(?)。

そして本編ラストはそのイエローマン、あのサーカスのようなステージはサザン的ではありますが、同時にさくらワールドの締めといいますか、まさにさくらの狂い咲きといった感じもありますね。秋のさくらを春にリリースされたイエローマンがまたもう一度咲かせたといいますか、ツアー名を含め何か色々なものをひっくり返したり咲かせたり、あのサザンとしての時期と世紀末というタイミングにマッチした曲であり演出だったのかしら…と。

そういえば、イエローマンを始め、ブリブリ、GIMME SOME〜、みんなのうたと腕を動かす曲総動員でもありましたね。突き放すだけでなく、こういった形で客席側ともコミュニケーションを測っていこうとしていたのも寄り添う、とはまた違うニューサザンの新しい形を模索していた選曲だったのかもしれませんね。イエローマン発売当時、桑田さんが「この曲で東京ドームの5万人が腕を振る姿を想像しながら作った」というような内容の話をしていたのも、そこに繋がるものがあったのかしら…と今更ながらに思ってしまったりするのです。

 

En1.My Foreplay Music(5月9日の福岡ドーム2日目公演以降)

(3月24日~5月8日公演までアンコール1曲目は「ニッポンのヒール」)

En2.LOVE AFFAIR~秘密のデート

En3.希望の轍

En4.素敵な夢を叶えましょう

さてアンコールでございますね。ツアー前半のアンコール1曲目は「ニッポンのヒール」後半は「My Foreplay Music」と変わっていましたね。ニッポンのヒール先輩はその後ライブでは演奏させずということになってしまい、図らずともこのツアーで初披露された後輩(?)爆笑アイランドにそのポジションを譲った形になってしまいましたね。

「LOVE AFFAIR~秘密のデート」「希望の轍」の流れは後に、とはいえ定番となったLOVE AFFAIRと大定番希望の轍という、ここもいつものサザンという感じがありますが、アコースティック編成のライブ以外では意外と珍しいアコースティックアレンジのLOVE AFFAIRと新たに歌詞を付け加えた希望の轍という、普通にはやらない、というのが定番曲にアレンジを加えるからこそ、より新しいサザンを見せたいというのが伝わってくる感じがあるように思います。

ラストはアルバムの締めと同じく「素敵な夢を叶えましょう」。原曲の「秋」ではなく「暗い夜空にまたひとつ「春」が流れた」、ある意味ここでさくらというアルバムタイトルを回収したように思います。

 

さて雑に振り返ってみました。改めて見てみますとニューサザンを掲げつつも今までのサザンとニューサザンの狭間で非常に揺れていたライブ、ともいえるのかもしれませんね。

もしドームツアーでなくアリーナツアーだったら、もしくはアルバム発売直後の秋からスタートのツアーだったら、というところでも恐らくかなり変わっていたと思うのですよね。アルバムに収録もライブでは演奏されなかった「BLUE HEAVEN」「SEA SIDE WOMAN BLUES」「湘南SEPTEMBER」と夏というよりも秋よりの曲ですし、さくら(春)と秋の混沌がより示されたライブになったのかもしれませんし、一方でそうなるとイエローマンは誕生せず終盤も全体の構成自体もまた変わったかもしれないという、何と申しましょうか…夏のイメージで語られるサザンが「春」と「秋」という夏ではない季節に翻弄されていたそういった意味でも特異なライブだったといえるのかもしれませんね。



さて話は変わりますが、今日はサザンデビュー44周年の日ですね。こんな日にセオーノで良いのかとも思いつつ、「44」という数字とそういう空気の読めなさが私らしいと言うことにしてくだされば(?)。

改めましてサザンオールスターズデビュー44周年おめでとうございます。各ソロ活動を楽しみにしつつ、サザンのある日常を大切に楽しく過ごしたいと思います。