去年行われました桑田さんのLIVE TOUR 2022「お互い元気に頑張りましょう!!」の1曲目は「こんな僕で良かったら」、でしたね。それを踏まえた上で桑田さんの歴代ライブセットリストを眺めていたのですが(あんた、踏まえていなくてもいつも眺めているでしょう定期)、ふとあることに気が付きまして…。
それは今回の5倍返しツアーと前回のツアーである「BIG MOUTH,NO GUTS!!」の1曲目と2010年の「宮城ライブ ~明日へのマーチ!!~」と「ライブ in 神戸&横浜 2011~年忘れ!! みんなで元気になろうぜ!!の会~」のアンコール1曲目の流れが同じ、「それ行けベイビー‼︎」→「こんな僕で良かったら」ということです。もちろん偶然なのでしょうけど、ちょっとだけ都合の良い解釈、という名の意味を勝手に感じてしまったので、それについて今回は書いていこうと思います。
まず今回のライブ1曲目の流れですが、ビッグマウスツアーのそれ行けベイビー‼︎は何と申しましょうか…。久しぶりとなった有観客ライブで姿を現す、となった時のスタートの曲としてこの曲を選んだというのが、2010年の紅白歌合戦に出演したあの瞬間と重なる部分を感じたのですよね…。もちろん2010年と2021年では状況も何もかもが違うというのはありますが、このライブでの1曲目を見た瞬間にそれ行け~は桑田さんが世に出る時に隣にいる曲、というのが共通している感じが強かったのですよね…。そして出だしの「適当に手を抜いて行こうな」は観客はもちろん、メンバー・スタッフそして何よりも桑田さん自身へに向けた一言だったのかもしれません。「それ行け!!男の子!!(ベイビー)」「それ行け!!女の子!!(ベイビー)」そして「それ行け!!ボク!!」ですもの…。
翌年の5倍返しツアーのこんな僕で良かったらは、始まる前の演出がまず対照的でしたね。ビッグマウスツアーの威風堂々で入場、ステージ中央へ向かう前に客席の四方に向けて一礼し定位置に、と久しぶりの有観客ライブで丁寧に、一方で何処かまだ距離を測りかねているような少しある種の戸惑いも感じられるオープニングからの、いやこのツアーを経たからこそ出来たとも言えるのかも知れない、あのバーの演出からの扉から桑田さんが表れ歌い始まる、というどこか余裕と遊び心があるスタートというのが、こう比べますと対照的な感じがするのですよね…。桑田さんもそれ行け〜のギター持ちスタイルからこんな僕~のハンドマイクスタイルという披露方法の違いもあって尚更、動と静というような違いを感じるのですよね。
またこの2曲ともライブで一部替え歌がされていましたね。それ行け~は「適当にBIG MOUTHで行こうな ボチボチNO GUTSでいいじゃん」とこんな僕~は「今日は最後まで付き合って」と歌っていましたし、そういった替え歌を入れやすいというのも1曲目に選曲された要因だったのかもしれません。
アンコール1曲目の宮城ライブでのそれ行け~とみんなで元気になろうぜ!!の会のこんな僕~も流れとしてはこれに近いものを感じるのですよね。宮城ライブでのそれ行け~は何と申しましょうか…まだ紅白でのあのシーンの記憶、そして何よりも震災の傷跡がまだ生々しく残っている中で、自らの歌とギターの音を仕切り直しのこの場面で届けるというのが、何と申しましょうか、1曲目の「青葉城恋唄」とはまた違う意味でのスタートを持っているように思えたのですよね…。このライブでは(夜遊びライブという形はありましたが)久しぶりの長時間ライブということもあり桑田さんの負担軽減もあったのか、桑田さんがギターを持つ場面というのが、いつもよりも少なく、青葉城恋唄・原さんとのアコースティックコーナー・明日へのマーチ、そしてこの時だけなのですよね。アコースティックコーナーは少し特殊なのでそこを除いた、そのギターを持つ瞬間の曲の並びを見ますとメッセージが込められているといいますか、想い寄り添うような曲達なのですよね。その寄り添い方というのも徐々に寄っていくといいますか、共に歩んでいくような順番になっている感じがあるのですよね…。
そしてみんなで元気になろうぜ!!の会のこんな僕~ですが、良い意味での開放感といいますか、まさに年末を感じさせるような選曲だったと思うのですよね。特にこのライブは結果的にアルバム「MUSIC MAN」のツアーが無かったこともあるのか、恒例の横浜アリーナ年越しライブだけでなく、神戸でもライブを行うという珍しい日程となっていましたし、2ヶ所とはいえツアーのような形でライブを行えたことについてとファンの方々に逢えた、という感謝と少しの照れ隠しからこのタイミングで「こんな僕で良かったら」という曲名に思いを載せたのかしら、と思ってしまったのですよね。このライブでは特に1曲目がまさにそのそれ行け~というのもありましたし、「涙の雨はもう止んだ」からの「雨が止み雲が流れゆく」という流れがもちろんこのライブの世界感の中で1本に繋がっている要素になっていると思うのですが、同時に宮城ライブからこのライブへの繋がりを感じる1つになっていると思うのですよね…。故に2011年と2021~22年の2つに共通する何かを勝手に感じてしまったといいますか…。
それ行け~が良い意味でどうしても地に足が付き過ぎている(?)曲という事もあり、より自由さとハネた音を持ったこんな僕~というのが、こういった続きの流れとしてのバランスが良い感じがあるのでしょうか。
曲名がまた1つその違いと続きを表わしているといいますか、「それ行けベイビー!!」というのが、ボクと歌詞にありつつも聞き手(ファン)に向けているのに対して、「こんな僕で良かったら」というのが自身(桑田さん)を指しているというのが、またそういった絶妙なバランスにしている感じがあるのですよね…。
1曲目(アンコール1曲目)というある種何でも出来るポジションでおそらく偶然とはいえこういった流れの選曲になった、というのは意図的でも意図的でなくても面白いと思ってしまうのですよね…。
という訳で結局はまとまりを欠いたままの文章となってしまいましたね(まあいつものこと)。こんな僕の文章で良かったら、です(?)(締め方に悩んだ上のお寒い締め方)。