適当文集

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ロックンロール・スーパーマンと栄光の男についてふと思ったことを

近年のサザンオールスターズのライブでほぼ演奏されています「ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~」と「栄光の男」の2曲。

所謂ライブ定番曲となりましたこの2曲ですが、定番曲の宿命と言うべきか、そのご登場回数ゆえに一部でやり過ぎでは…という声が上がる曲の代表になりつつもあるといいますか…。

そんな2曲の立ち位置について考えて見たいと思います。

 

まず、何故ほぼ毎回ライブで演奏されるのか、ということですが、これはもう単純に好きだから、という一言に集約されてしまうのでしょう。

桑田さんの言う好きな曲、には2つのパターンがあると思います。1つは所謂音源として完成されたものを指す時、もう1つライブで歌い演奏するという好きの2つに分かれると考えられますが、この2曲は後者になると思います(前者に該当する曲は好きと公言していますが、あまりライブでは演奏されない「あなただけを~Summer Heartbreak~」のイメージです)。

最初に最初に「ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~」について考えて見たいと思います。まず第一にライブでの使い勝手が良いことが挙げられますね。3曲目・中盤・煽りの頭・アンコールというポジションで演奏されていることからもオールラウンダーな曲として重宝されていることが伝わってきますね。似たようなポジションの曲に「希望の轍」がありますが、ライブのラスト曲やまさかの(?)紅白出演を果たすなど、ライブでの便利屋からここ1番の重要なピースへと出世の道をまっしぐらですので、その後任ポジションに落ち着いた、というところでしょうか。

また桑田さん以外のメンバーも好きな曲というのも大きいかと思います。何処だったかは失念していますが(見つけたら追記します…)弘さんも好きと言っており、原さんも「ROCK IN JAPAN FESTIVAL.2018」のリハーサル時にこの曲が候補に挙がった際「絶対盛り上がるよー」と発言しており、好きかどうかは分かりませんがポジティブなイメージを持っていることは確かですね。

ここからメンバー自身が会場の雰囲気とともに士気も上がる曲、として捉えていることがライブの選曲に入れる傾向が高くなることに繋がっているのでは…と予想出来ます。

また特に2013年の活動再開以降はアンコールで演奏されることが多いのは、ライブが終わる前にサザンがバンドとして今この時代に奏でる象徴的な曲として、どこかサウンドに流れる多幸感とともに再確認しているのかもしれませんね…。

 

次に「栄光の男」について考えて見ます。基本的にはロックンロール・スーパーマンと立ち位置としては似ていますね。

ロックンロール・スーパーマンとの違いをあえて挙げるとすれば、何と申しましょうか…栄光の男はメンバー5人の曲、という側面が強いように思えますね。サウンド的にもロックンロール・スーパーマンと比べシンプルさがありますし、参加メンバーがサザン+誠さん&片山さんというのも、気心の知れたどこか学生バンドとしての雰囲気を残しつつも、年齢を重ねたからこその歌詞・音が、その時代時代の中で生きるサザンというある種2つの相反するものを絶妙なバランスで持ち続けているバンドを表わしている曲なのでは…と思ってしまったりするのです。そして5年という活動休止期間を経て、35周年というリスタートのタイミングで生まれた曲というのも1つ大きい気がしますね。

 

余談ですが、ロックンロール・スーパーマンでは「負けそうになったら おまじないはいつも「I'm a Rock'n Roll Superman.」」、栄光の男では「生まれ変わってみても栄光の男にゃなれない鬼が行き交う世間渡り切るのが精一杯」と歌っていますのが、何と申しましょうか…これから50代と60代に入る直前のタイミングで作られた歌のフレーズでどこか対称的であるというのが、興味深いと思うのです。

この50代60代直前の曲というのも大きい気がしますね。何と申しましょうか…結果的にロックンロール・スーパーマンは50代の、栄光の男は60代に入る・入った自分たちへの応援歌的な側面もあったのでは…と感じてしまいますね。ロックンロール・スーパーマンはおまじないは~というように自身を奮い立たせる曲で、栄光の男は何者にはなれない、良い意味で枯れた、自分たちの今を受け入れつつ進んでいく曲、と最近ふと思ってしまったりするのです…。

 

最後にこの2曲のライブでのご登場回数について、私自身はどう思うのかと聞かれてしまいそうですので、そのあたりについても少々…。

実につまらない回答となりますが、私は毎回演奏されても構わない派、になってしまいますでしょうか。

あくまで私の考えではありますが、ライブの選曲というのは基本的にその時歌いたい曲で構成されていると思うのですよね。その中にはファンの求める曲やライブ終盤の所謂「お約束」曲だったり演出・曲前後の繋がりで決まっていくもの、そしておいしい葡萄の旅での桑田さんのMCでの言葉を借りれば「SNSでいらないと言われてしまうコーナー」などあるかと思いますが、この2曲は自分たちがやりたい、自分たちのためのわがまま曲コーナーということで良いのかなー、と個人的には捉えているのですね…。

同じ曲でも、日付や会場、曲順や心境で曲の見え方が変わる時があるということをライブに行くようになってから実感するようになり、その感覚がほぼ毎回演奏されるこの曲たちで味わい易い、という個人的に思いがあるからかもしれませんが…。

かつての「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」や「夕方Hold On Me」のようにほぼ毎回ライブで演奏されていた時期のある曲もありましたし、そういうブーム的なものがあるのかもしれませんね。

 

と都合の良い解釈でまたまた雑文を書いてしまいました。ちなみにですが、だからこの2曲を毎回演奏して欲しい、という訳ではありませんよ。私の性格に起因してしまうのかどうしても肯定的に書いてしまいまして…。ということなので(?)うん?というところも多々あるかと思いますがどうかお許し頂ければと思います。