適当文集

140文字でも書けそうな事を引き延ばして雑に書くところ

2005年ライブツアー「みんなが好きです!」のセットリストを今更雑に振り返ってみる

趣味関連で何故かずっと覚えている言葉や一文というものがあると思うのですが、私の中でそれに該当する1つが「FILM KILLER STREET (Director's Cut) & LIVE at TOKYO DOME」のブックレット桑田さんインタビューの「リハーサルからツアーの最後までセットリストが変わっていない」話なのです。この頃にサザン好きとなった私には当時そのことが珍しいということが分からず、あまりピンとこない話ではあったのですが、サザンを知っていくにつれ、なるほど…と感じるようになっていたのです。

そんな「みんなが好きです!」のセットリストを改めて何となく振り返ってみたくなってしまい筆を取った雑文でございます。

 

セットリストに沿って、何となくコーナーになっていると思われることで区切りまして書いていこうと思います。

 

1.Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)

2.My Foreplay Music

3.希望の轍

まず最初のMCに入る前、スタートの3曲を振り返ってみます。

1曲目は「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」スタートの定番曲ともいえますが、実はライブ1曲目は「歌うサザンに福来たる」以来実に15年ぶり、2014年の「ひつじだよ!全員集合!」でライブ1曲目起用単独1位となるのですが、この時は「女呼んでブギ」と並んでいたのですよね…というのは余談です。

Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)~My Foreplay Musicと2曲続けてアルバム「ステレオ太陽族」からの選曲となりましたが、初のドームツアーで前回のアルバムツアーでもある1999年「Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~」では「JAPANEGGAE」~「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」とアルバム「人気者で行こう」から2曲続けていましたし、1つ過去のアルバムからメドレーのような形でライブをスタートさせるというのは、偶然なのかも知れませんが面白いですよねえ…。また新しいサザンを模索していた時の人気者で行こう、2枚組の所謂「大作」アルバムを完成させてのステレオ太陽族、というのは当時のサザン、桑田さんの心境と言うと大袈裟ですが、ちょっと意味深な感じがあったり無かったり。

そして3曲目は安定の「希望の轍」。サザンとしては初めて年越しライブが絡むアルバムツアーで、この頃はライブ3曲目が年越し曲というのがイコールになっていましたし、年越しとこの後MCを挟んで4曲目から「キラーストリート」の世界に入る1歩手前という2つの区切りがある、と考えますと、それを任せられる曲としてはベストだったのかな…と。

スタートは所謂定番と言いますか、良い意味で演者もやり慣れた、客席側も聴き慣れた3曲とも言えますし、2枚組30曲のアルバムということでスタートからもしかしたらキラーストリートのナンバーをやるのでは…というある種の期待と不安をまず意図的に消そうとしたところもあったのではないのでしょうか。

 

4.神の島遥か国

5.セイシェル ~海の聖者~

6.愛と死の輪舞

7.JUMP

8.愛と欲望の日々

9.別離

10.ごめんよ僕が馬鹿だった

11.リボンの騎士

キラーストリートコーナーその1、といったところでしょうか。

先行シングル「BOHBO No.5」との両A面シングル曲でもありました「神の島遙か国」からこのブロックはスタートしました。結果的にキラーストリート収録のシングル曲は、この曲と「愛と欲望の日々」、そして本編ラストの「BOHBO No.5」の3曲だけでしたね。まあ愛と欲望の日々からがアルバムの先行シングルだった、と思えば納得出来るような…。「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」はサザン活動再開・25周年シングルという単独感がありますし、「彩~Aja~」と「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」は前年2004年の「真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~」・「暮れのサナカ」で共に同じような位置で演奏されていましたし(彩は3・4曲目、スターとジュリアはセットで煽り頭)、使い方がそこに限られてしまうタイプの曲なのかな、と。3回続けて同じようにはしたくなかったという事だったのかも知れませんね。

ここの8曲は比較的キラーストリートの中でもポップな部類に入るタイプの曲が多い印象ですね。その一方でポップさが被らないといいますか、(「八月の詩」や「LONELY WOMAN」を演奏しなかったように)曲のテイストが被らないように配置しているように感じましたね。

 

12.YOU

13.海

14.栞のテーマ

15.Bye Bye My Love(U are the one)

ここは海のYeahコーナーといいますか、世間のイメージする夏のサザンメドレーともいえるコーナーになりますでしょうか。

所謂ライブ定番といえる曲達ではありますが、「YOU」と「海」は2003年の「建長寺ライブ」でも演奏されてはいますが、ファンクラブ限定・なおかつ放送されず(製品化も2010年)という事で、実質「茅ヶ崎ライブ」以来5年ぶり、「栞のテーマ」は「シークレットライブ’99 SAS 事件簿in歌舞伎町」以来6年ぶり、「Bye Bye My Love(U are the one)」は「晴れ着DEポン」以来6年ぶりと実はちょいとお久しぶりな方々でしたね。

この前後のアルバムツアーである、セオーノでは「Young Love」、おいしい葡萄の旅では「KAMAKURA」と過去のアルバム曲を連続で演奏するブロックがありました。今回はオリジナルアルバム単体というよりも夏曲を集めたまさにベストアルバム「海のYeah!!」からのチョイスという感じになりましたね。

栞のテーマはアルバムのライターノーツの中で「ひき潮〜Ebb Tide〜」のところで名前を挙げていましたし、そういったところでの選出だったりしたのでしょうか…。

これは「ROCK IN JAPAN 2005.」への出演の影響もありそうですね。「TSUNAMI」以降からキラーストリートまでの間にサザンへ興味を持った方向けにとも見えますし、この後の2ndキラーストリートコーナーをより引き立たせるための対比として良い意味での前座といいますか、その間の混沌の渦に呑まれていく感じが美味なる多面体としてのサザンを味わえるように今見ますと思えますね。

 

16.からっぽのブルース

17.恋するレスポール

18.夢と魔法の国

19.キラーストリート

20.限りなき永遠の愛

序盤のキラーストリートコーナーが表の陽であるとしたら、このコーナーは裏の陰、といえますでしょうか。こういう形でキラーストリートが2枚組のアルバムということをライブでも再現している感が良いですよねえ。

アルバムの1枚目の1曲目、始まりの曲である「からっぽのブルース」でこのコーナーが始まるというのもより強調感があるといいますか、先程までの空気が一気に変わったというのが画面越しでも伝わってきますね。

このコーナーがみんなが好きです!というライブの「核」になっていると思います。ここの魅せる、といいますか、演者がやりたいことをしているのが、(勿論喜ぶ方もいますが、声を挙げるということではなく)客席側を黙らせる、特にドームの5万人が沈黙とともにステージを見る、というのも演者としてはまた盛り上げるのとは違う快感があるのかな…と。

改めてこう流れで見ますと、緩急というのは大事だと…。野球で160キロのボールを投げても投げ続ければやがて打者に捉えられてしまうように、一辺倒にならないようにコーナー毎にうまく押したり引いたりをしているように感じますね。最初のキラーストリートコーナー以降はアンコールまで、4~5曲をセットに色の違うブロックを組み合わせて構成しているのも、メリハリをきっちりと付けていたのかな…と思います。

 

21.ロックンロール・スーパーマン~Rock'n Roll Superman~

22.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)

23.マチルダBABY

24.イエローマン~星の王子様~

25.BOHBO No.5

煽りコーナーが新曲で始まり新曲で締める、というのもアルバムツアーならでは、という感じがあって良いですよね。今ではすっかり常連としてベテラン感を出しています「ロックンロール・スーパーマン~Rock'n Roll Superman~」先輩のライブ初陣と初々しい感じがありますね(?)。流れもあるのか次の「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」師匠も煽りでは珍しくギター持ちでしたね。逆の流れでおいしい葡萄の旅でも登場されていますし相性は良かったのですね。

前回のアルバムツアーの本編ラストであった「イエローマン~星の王子様~」の次にラストとして「BOHBO No.5」が来るのも前回と繋がっている感じがあって好きな流れです。RIJ2005では「勝手にシンドバッド」の次というポジションでしたし、急遽シングルにしたというのも頷けますね。

個人的にはからっぽのブルースから続けて、ここのBOHBOまでの流れが、製品版でのドームの密閉された巨大な空間と合わさって漂ってくるダーク感のようなものがあって大好きなのですよね…セオーノやその後のドームツアーとはまた違う何かを感じてしまったりするのです…。

今から見ますと煽りに「マンピーのG★SPOT」が入っていないのが、珍しいといいますか新鮮といいますか…。ただこの2003~05年の煽りを見ますと、「ボディスペ・マンピー・シンドバッド」と「ミスブラマチルダ」の2つの組み合わせどちらかを起用するというのが傾向としてあるのですよね(暮れのサナカ3曲目にマンピーというのはありましたが、あくまで煽りの中での話と言うことで…)。ライブの大定番ではありましたが、扱いといいますか明らかに立ち位置が変わったのは、2013年の「SUPER SUMMER LIVE 2013「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」」と個人的には感じておりまして、そうなる前の2003~05年という時代の煽りの模索といいますか、期待に応えつつも同じ事はしないように…と組み立てている感じが伝わってくるのが結構好きだったりするのですよね…。

 

En1.勝手にシンドバッド

En2.TSUNAMI

En3.LOVE AFFAIR~秘密のデート

En4.心を込めて花束を

アンコール頭でいきなりシンドバッドというのは珍しいですよね。次の「TSUNAMI」への流れを見ますと、この年ちょうどそのシンドバッドからTSUNAMIまでのシングルが12cm盤として再販されていますし、それを踏襲した流れだったのかしら…と(Big Star Bluesでの大復活祭の時のようなovertureも「フリフリ’65」のシングルにライブテイク音源が収録されていたのもあったりしたのでしょうか…)。よくよく考えますと2005年は8年ぶりのオリジナルアルバム「キラーストリート」発売が最も大きいトピックスであったと思うのですが、ROCK IN JAPAN出演にこの44枚のシングル再販となかなかなトピックスが続いていましたねえ…。そういうことも引っくるめたセットリストと考えると一度も変えなかったのは奇跡、と桑田さんが仰っていたのも分かる気がしますね。

ラストは「心を込めて花束を」。キラーストリート収録ではないこの曲を持ってくるのは、おや…と思いましたが、でも何となく「限りなき永遠の愛」も「ひき潮〜Ebb Tide〜」もライブのラスト、という感じがあまりイメージ出来ないのですよね。勿論最後に来てもおかしくはありませんし、その方がよりアルバムツアーの締めに相応しいとは思うのですけども、みんなが好きです!というライブの締めと見ると何処かズレを感じてしまうといいますか…。

おそらく私の中でこの2曲は悲しみや終わり感が強い曲になっているのだと思うのです。(毎度のことではありますが)所謂解散説もありましたし、マイルドな曲で…というのがあったのかもしれません。

みんなが好きです、の最後に心を込めて花束をというのが、こちら側へのプレゼント感があって、そういった意味ではこのツアー名の締めとしては良かったのかも知れません。

…前にふと思ったのですが、歌詞のパパとママが、「パパ(Disc1)とママ(Disc2)に花束を」、とキラーストリートへのお疲れ様を表していたら面白いな…と。

 

ライブの振り返りとしては以上でございます。

 キラーストリート収録曲のライブ演奏についても少し…。

このライブでは30曲中15曲、アルバムから演奏されましたね。

演奏されなかった15曲を見てますと、上記しましたが9曲は涙の海から愛と欲望の日々までのシングル収録曲となっていますね。やはりそこで区切っていた感じなのでしょうかね…。残りの6曲は、

・山はありし日のまま
・殺しの接吻~Kiss Me Good-Bye~
・八月の詩
・Mr.ブラック・ジャック~裸の王様~
・The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage” & “Soba”~キラーストリート(Reprise)
・ひき潮~Ebb Tide~

 となっておりますね。

「八月の詩」は翌年の「THE夢人島Fes.2006 WOW!! 紅白! エンタのフレンドパーク Hey Hey ステーション …に泊まろう!」の1日目で、「Mr.ブラック・ジャック~裸の王様~」は夜遊びライブで演奏はされましたが、残りの4曲は未だ披露無し、となっております。

ただ2019年の「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」では候補として「殺しの接吻~Kiss Me Good-Bye~」が上がっていましたし、このライブで彩が15年ぶりに演奏されるなど、「今」の方がライブでキラーストリート曲が演奏される感じが何となくあるような気がします。勿論アルバムツアーで見れることがベストなのでしょうが、時を得て演奏される、というのが時を駆けるよという感じがありませんか(?)。そういうところでもしかして…の期待をある意味で持たせてくれるというのが、初めて買ったCDということもあり、キラーストリートというアルバムに特別な偏愛を抱いている身としては楽しみだったりするのですよね…。

 

…というささやかなる偏愛(?)を晒したところで締めたいと思います。 

 

桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」の感想のようなものを

3月7日に配信されました桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」をうっかりこっそりと見ておりました。その感想のようなものです。

まだ見逃し配信期間ということで、毎度のことではございますが、曲順や内容等々だらだらと書いておりますので、未視聴の方には思いっきりネタバレとなっておりますので、その辺りどうかご注意下さいませ…。

 

さて私は今回も応援団枠の配信の方へお邪魔させて頂いておりました。開場時間に配信サイトへアクセスしますと、アルバム「がらくた」が頭から流れておりましたね。君への手紙のあたりで画面が切り替わり、ブルーノート東京の正面の映像が。そこから扉が開き店内へ…。

会場では既にサポートメンバーの皆様が待機しておりましたね。そこへ桑田さんがやって来てステージへ。椅子に腰掛けギターを抱え始まったのは…。

 

1.ソバカスのある少女〔ティン・パン・アレー

何とカバー曲からのスタートとなりました。ソロでは過去に「さのさのさ(洒落男)」「Xmas LIVE in 札幌(きよしこの夜~OVERTURE~サンタが街にやってくる)」「宮城ライブ ~明日へのマーチ!!~(青葉城恋唄)」と持ち歌ではない曲スタートがあったので、珍しいという訳ではありませんが不意打ち感はありましたね。

何と申しましょうか…。サザンでの配信ライブでの「YOU」と「ふたりだけのパーティ」がどうしてもタイトルからある種の意図を感じさせてしまうところがありましたが、ソロでは敢えてそれを避けようとしたのではないのでしょうか。もしくは配信ライブも3度目になりますから、ここで1つ遊びを入れたくなってしまったのかもしれませんね。

桑田さんのギターから始まりましたが、オリジナルのようなテンションでしれっと軽妙に歌ってしまうところが流石といいますか、この方には勝てないなと改めて思った次第でございます(別に勝とうとしている訳ではない)。まさに静かな春の戯れというライブ名に相応しいスタートだったのではないのでしょうか。

 

2.孤独の太陽

カバーが続くのか、持ち歌へ行くのか…というところで不意に始まった感がありました。

1994年の「さのさのさ」ツアー以来実に27年ぶりとなる演奏にも驚きましたが、まさかこの2曲目、持ち歌として実質1曲目のこの位置に来るとは…。

しかも当時の放送版でも製品版でもこの曲はカットされていたので、初めてライブ映像として配信された瞬間でもあるのですよね。

青いライトに照らされて歌う桑田さん。なるほど…孤独の太陽とは青い太陽なのですね(?)つまり大洋ホエールズ…(違います)。孤独な街並みはBlueと歌う曲もありますし、そういう認識なのかもしれませんが(思い付いて書いて見たものの繋がっていない)。

所謂ソーシャルディスタンスの世の中で孤独という言葉が入るタイトル曲をここで持ってくるのが、サザンでの配信ライブ1曲目だった「YOU」や「ふたりだけのパーティ」とはまた違うリアル感といいますか未だ収束の見えない苦しみを代弁しているように感じたりもしましたね。一方でブルーノート東京というサザンでの横浜アリーナとはまた違ったステージだからこその、おひとりさま感だったりあなた独りの為の太陽としての桑田佳祐、という風にも捉えられるような、2つの感覚が同時に訪れる不思議な時間でしたね。

…そういえば桑田さんやさしい夜遊びでよく孤独のグルメの話をされていますが、まさか孤独のグルメ孤独の太陽的な連想で今回セットリストに入れていたりして…。

 

3.若い広場

次いきます、という一言と共に聴き慣れたイントロが。一気に安心感が出たといいますか。

「若過ぎた夏でさえ 今よりも愛のそばにいた」からの若い広場という流れですから、過去を思い返すといいますか、1つの物語になっている気がしますね。

照明が一気に明るくなったのと「肩寄せ合い~」のところでスタッフの皆様の姿が映ったこともあり、青い照明と孤独の太陽というタイトルとの対比といいますか陰と陽が表現されていたように思いました。

「都会の隅」「夜の酒場」まさにブルーノート東京で歌うにはぴったりなフレーズがあったなあ…と。

 

MC

桑田佳祐です、とちゃんと名乗りをするのは珍しいですよね(?)。大好きな場所で大好きなメンバーと…というのが桑田さんらしくて良いですよねえ。少し大人っぽい感じで、というのが今宵のキーワードになりそうです。

 

4.DEAR MY FRIEND

イントロと共に桜が映っておりましたね。

まさに今の季節にぴったりな1曲。過去には2008年の「石垣島ライブ」・2010年の寅さん武道館イベントと2度演奏されていますが、今回も含め全て3月に歌われていますね。何と申しましょうか…3月曲としての役割を全うされているといいますか…。

今ご時世的に卒業式が縮小されたりもしくは中止になったりという状況の中で、もしこの配信ライブを見ている卒業を控えている学生の方がいらっしゃれば、この曲が桑田さんからの卒業プレゼントになって欲しいと思いましたし、そんな想いを桑田さんも持っていたりするのかな…と思ってしまったりするのですよ…。

 

5.こんな僕で良かったら

「ライブ in 神戸&横浜 2011~年忘れ!! みんなで元気になろうぜ!!の会~」以来10年ぶりの演奏とちょいとお久しぶりの登場でしたね。

この曲は歌いそうな予感はありましたね。このライブのある意味でキーワードといえます「大人」の雰囲気にあうジャズな曲として頭に浮かんでおりましたね。

何となくアメリカン・エキスプレスのCMを思い出してしまい、そちらをずっと頭の片隅に置きながら見ておりました。あの時期がちょうど初めてリアルタイムでのソロ活動を見ていたもので思い出深いのですよね…。

「波音のスウィングに揺れながら 幸福に逢いにゆこう」…いや、逢いに行く前にもうすでに今幸福に逢えておりますよ…。

 

6.愛のささくれ~Nobody loves me

初演奏となりました「この夏、大人の夜遊び in 日本で一番垢抜けた場所!! supported by ニッポンハム / Billboard Live 10th Anniversary」以来(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017含め)皆勤ですね。愛のささくれ大好きおじさんとしては嬉しい(?)。

「張り裂けそうな前のボタン」…あら、もう胸元が開いていらっしゃるじゃありませんか(?)。

何と申しましょうか…如何にも桑田佳祐の書く世界感だと思うのですけど、サザンで作るのとは多分違う、まさにソロ名義での作品であるというのが強く感じる曲なのですよね。

「体良く フラれて 愛のささくれ」のささくれを最後ささくれぇー↑と上げる歌い方が、がたくたツアー新潟初日公演で見た時に近くて個人的に嬉しかった場面ですね(?)。

ところで夜明けのスムージーには、こんな僕で良かったらでご登場されたパパイヤとバナナは入っていたのでしょうか(?)。

 

7.簪/かんざし

「がらくたツアー」と同じピアノの導入があってから入る形になっていましたね。

桑田さんも座ったままではありましたが、ここで初めてギターを外し、ハンドマイクで歌っておりましたね。まさにグランドピアノの為にある曲という感じでしたね。

CD音源やがらくたライブよりもテンポが少し遅めでよりしっとりと歌っているような印象ですね。

多分表現としてはおかしいですし、うまく伝えられないと思うのですけど、このライブの簪は物凄い血が濃い「死」を感じるのですよね…。

 

8.SO WHAT?

ヘリコプターの音が。となるとこの曲しかありません。

意外な選曲、とも思ったのですが、これまたブルーノートの雰囲気にぴったりで…。

何と申しましょうか…。愛のささくれでは女性の誘いに失敗し何も成し遂げていないのに対して、この曲は良いのか悪いのか成し遂げているという対比の間に「死」(簪/かんざし)があるのが、興味深いといいますか、画面越しだからこそ多分普段ライブを見ている時には気が付かないところに不意に気付いてしまったりするのですよねえ。

ラストにSo what?をもう一度歌ったかと思っていましたら「This is the end」と締め。まさに、といったところでしょうか。

 

9.東京ジプシー・ローズ

テンポが遅めでしたね。特にサビが分かりやすくスピードダウンしていましたね。流れと会場に合わせた感じでしょうか。

ラストのラストでは「Singing sha la la la Rock & Roll And sha la la la Baby Doll In sha la la la 東京ブルーノート」とビルボードライブの時と替え歌。毎箇所替え歌していたビルボードライブと比べて数を減らしたのは、ビルボードの後「盛り上がると思ったのにあまり反応がなった」というような内容の振り返りをしていたことが残っていたのでしょうか…。

今回はSO WHAT?からのこの曲でしたが、2016年の「ヨシ子さんへの手紙~悪戯な年の瀬~」では逆の流れではありましたがこの組み合わせで演奏されていましたね。繋げやすい曲なのでしょうか。

 

10.グッバイ・ワルツ

Overtureのキーボードを弾く深町さんの手がまた素敵でしたね。

DEAR MY FRIENDで映っていた桜が今度は逆光で画面に再登場されておりました。

いやあアレンジが重い…重い…。何と申しましょうか…東京の湿気たっぷりな重さとは違い、低気圧の影響で受ける頭痛のような体にずっしりとくる重さを物凄く感じまして…。

ただその一方で桑田さんのボーカルは少し余裕があるといいますか、良い意味で曲の雰囲気に完全に飲まれていないような、CD版とはまた違う作っていないどこか物語を俯瞰しながら歌っている感じが曲のアレンジとボーカルがまた絶妙なバランスで釣り合いを取っていたなあ…と。

こんな僕で良かったらとこの曲で歌詞に出てくるワルツは全く違うものだと思うのですが、それを「僕」と「俺」の一人称の違いでより表わしているようにふと思っておりました。

私、グッバイ・ワルツがとてもとても大好きな曲でして、去年の夜遊びでの生歌で演奏された時も思わず立ち上がってしまうほど喜んだ物でしたが、またそれとは違う喜びがありましたね。

実はこの曲に少しもやもやした思い出がありまして…2011年夜遊びでの「33回目のデビュー記念日に勝手にひとりで生歌スペシャル」でも演奏されたのですが、聴いた時この歌で震災を絡めた替え歌パートがあったのですよね。その時は好きな曲&ライブという形では初披露ということもあり「何故この曲で…?」という思いがあったのですね。まあ後で色々と解釈したり意図を掴もうと考えるタイプなので、一応の納得はしていたのですが、やはり少しうーん…という気持ちが残っておりまして。その年の年末「元気になろうぜ‼︎の会」の時も歌ってはいましたが、ライブに行っていない&当時はWOWOWに入っていなかったということで、タイミングを逃してしまっていました。だから、なのかもしれませんが、もやもやを払拭したというよりも、沁みたといいますか言葉に出来ない思いをまた抱いてしまった訳で…。

2021年3月7日、グッバイ・ワルツは私の中でより特別な曲となりました…。

 

11.月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)

おぼろ月(東京ジプシー・ローズ)・蜉蝣月(グッバイ・ワルツ)と月が歌詞に登場する流れからラストにやってきたのはやはりこの曲でした。

2曲目の孤独の太陽ともある種タイトルが真逆ともいえますし(月と太陽、孤独と複数形、月と太陽が最初か後に付くかもありますね)、MCを挟んでいるとはいえ流れとしては一区切り、という解釈にもなりますでしょうか。

この位置で歌われるのは何となく予想しておりましたね。サザンでの配信ライブでは「シャ・ラ・ラ」「Ya Ya(あの時代を忘れない)」というコーナーの締めには比較的強めな曲が続いていましたし、ここはソロでも踏襲しそうだな…と。ソロでそのポジションとなるとこの曲になりそうと思いまして(ヨシ子さんへの手紙で一度この位置での演奏は経験がありますから尚更そう思ったのかもしれません)。

簪に続いてこの曲もハンドマイクで歌っていましたね。ただこの時はギターを掛けたまま、左手で持ちながらでしたね。このスタイルがまた良くて…。いつものラフな衣装とは違う、シックなシャツとベストの渋い衣装と相まって、更に映えたように思います。

MVのスーツ姿も思い出しましたが、良い意味で老けたと言うと失礼でしたが、きっちり10年の年齢を重ねているからこその格好良さに歌唱だったのではないのでしょうか。だからこそ「二度とあの日の僕には 戻れはしないけど〜」がよりリアルな言葉として届いたのかな…と。

 

MC

ここでメンバー紹介が。サザンの時と同じくソロ回しでのメンバー紹介となりました。配信ライブでのお約束、となりつつありますね。誠さん、桑田さんの紹介の時にくわた、くわたけいすけ~と桑田を2回言いますとミドルネームに聞こえてしまいますよ。

次はカバーコーナーへとのことです。

 

12.かもめ〔浅川マキ〕

カバーコーナーの1曲目は浅川マキさんのかもめでした。音楽寅さんや夜遊びの生歌での演奏は何度かありましたが、バンドメンバーとライブ形式で、というのは確か初でしたね。

一輪の花にスポットが当たっていましたが、別に桑田さんの横にも花が。そちらはその後もステージにいらっしゃっておりましたね。ただこの曲の歌詞通りの花だったとすると、ずっとステージにあるのはちょっと意味深で怖いですよね…w。

そういえば以前文春の連載で浅川マキさんに付いて触れていた回で締めに、彼女のような「純」な弾き語りライブをしたい、と書いておられましたね。今回がその「純」なライブ、となっているのかは分かりませんが、何となくこのライブはこの曲を、浅川マキを歌うために開催したようにこの曲を歌う桑田さんを見た時に強く感じてしまったのですよね…。それだけ生き生きとしていたように見えたのです。

 

13.灰色の瞳〔加藤登紀子長谷川きよし

大好きな2人の大好きな曲です、と。コーナーと言っていたのでもう2~3曲は続くと思ったのですが。

2人曲ということでTIGERさんとのデュエットとなりましたが、「偉大なる歌謡曲に感謝~東京の唄~」での新宿そだちとあちらはライブではありませんが、2回も桑田さんとデュエットするというのも珍しいことではないのでしょうか。それほどシンガーとしてのTIGERさんへの信頼が厚い、という裏返しになるのでしょうが。

大人のライブを、というキーワードがまさにぴったりなカバーでしたね。所々映像も灰色になるのがまた良かったのですよね…。

 

14.東京

そんな雰囲気の前奏があったとはいえ、ここで東京さんは不意打ちなどでは済みませんね(?)。よりインパクトがあった気がします。

元々こういう曲ではありますが、今、このご時世を過ごしておりますとよりダークさが響くといいますか…。そしてがらくたツアー東京ドーム公演でも感じたのですが、画面越しでも東京で歌われる東京はどこか漂う空気感が違うなと…。

間奏は桑田さんのギターだからこその曲ですし、そこが大きいのは分かっているのですが、敢えてギターなしのボーカルに集中したテイクもいつかは見てみたいわね…とこのステージで見まして思った次第でございます…。でも誠さんがあの間奏弾くのは(畏れ多いという意味で)多分嫌がるだろうなあ…w。

 

15.SMILE~晴れ渡る空のように~

少し曲紹介のMCが入りましたね。本日皆様の前で初めて歌わせていただきます…と。

事前に公式Twitterで告知のあった(夜遊びでも匂わせてはいましたが)この曲の初披露はこのタイミングでしたね。多分この辺りとは思ってはいたのですが。

MCを挟んでいるとはいえ、東京からこの曲へというのはほうほう…となっておりました(?)(謎目線シリーズ)。東京は雨降り、から晴れ渡る空のように、と変わるのが良いですよね…。今のところ開催するということですが、去年の延期から今年もし100%万全でオリンピックが行われる世界線になっていたらこれほど美しい流れはないとは思いますが。

発表から1年経ってリリースなしの初披露となりました。いつもは新曲に関しては先にライブで聴いても、その後聴き込んでいないとこれという感想を紡げないタイプなのですが、夜遊びで毎週のように流れているのを1年聴いて、のライブだったので全体を把握していないけど分かる・口ずさめるといういつもと感覚が違ったのですよね…。そのような中で「ここから未来を始めよう」のフレーズが今までよりも入ってきた、といいますか、きっと今日から始まるのだろうな…と素直に思ってしまったのですよね…。その未来で「SMILE~晴れ渡る空のように~」にお逢いしたいな…と。その日がいつか何処かで来ることを願っております。

 

16.明日へのマーチ

東京は雨降り、のちに晴れ渡る空となり、それは遙かなる青い空となるのです…という1本のストーリーになっておりますね。やはり桑田さんは天気の子だったのでしょうか(?)。よく雨を降らせますからね(?)。

冗談はさておき(?)東京とある意味でそれを中心としている曲という流れの後、「願うは遠くで生きる人の幸せ」の歌ですから。遠くが東北ではなく東北を含めた全てのまさに遠くの人たち全てにSMILEを届ける3月(マーチ)になったような…。笑顔の架け橋としての明日へのマーチだったように思いました。

 

17.大河の一滴

所謂煽りコーナーに入ったと見てよろしいのでしょうか。煽り頭のこのポジションで使われそうなイメージがあったのですが、この位置での起用は今回初でしたね。

還暦から高齢者となったこの5年間をどの位置でもどの広さの会場でもきっちりと支えるまさにいぶし銀な曲になりつつありますね。まさに黒の円熟ですね(?)。

間奏の台詞部分はもうTIGERさんとのコンビ芸となった感がありますね。今回はコーラスに田中雪子さんも参加されていますし、女性2人のシュラバ★ラ★バンバな台詞展開(?)になるのでは…と密かに期待…おっと予想していたのですがそんなことはなく(当たり前…いや、当たり前なのだろうか…)。

 

18.スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)

ここで来ますかKUWATA BAND。デビュー35周年あめでとう(?)。

KUWATA BAND代表といえばすっかりこの方になりましたね。

Lennonが流れる Rock Cafe」ならぬ「Kuwataが歌う Jazz Club」といったところでしょうか(?)。しかしスケベと連呼する曲でありながらもブルーノート東京の雰囲気にぴったりなのですよね。終盤のここで披露されるというのがまたニクいといいますか、大人な雰囲気といいつつ、桑田佳祐の一面であるエロ枠をきっちりとかましてくるお約束は外さないところは流石ですね。何と申しましょうか…年齢を重ねることからこそ出てくる良さといいますか、曲自身が共に年齢を重ねて洗練されてゆくことで違和感無く溶け込んでいったような印象ですね。

「Woman,Say!! Yeah.」の所謂ファンとのコール&レスポンス部分をサポートメンバーの皆様全員とソロ回しのような形で行うという無観客ならではの試みが。配信ライブだけのお遊びなのかもしれませんが、有観客になった時でも試して欲しいですね。深町さんと角田さんあたりの返しは生で是非拝見したいものです(?)。

 

19.真夜中のダンディー

スキップ・ビートからの年齢を重ねることで違う味わいを見せる曲メドレー(長い)素晴らしかったですね…。しかし21時前に真夜中とはまだちょいと早いですね(?)。

途中「Get Back」を弾いていたのですね。Twitter実況を眺めつつのライブ鑑賞はこういう事が分からない身としては利点の1つですよね。

「夢も希望も〜」のところはやはり(?)カットでしたね。また1つ消えたのは嗚呼このフレーズだった…と替え歌したくなりますね(?)。そうなるとヨシ子さんへの手紙初日でのフルバージョン歌唱はレアですよねえ。

個人的に「Brother」のコーラスを片手でピアノを弾きながら、もう片手はマイクを握りながらしていた片山さんのあの一瞬は物凄く大好きです(?)。

曲の終了後、桑田さんの今回のライブについてのインタビュー映像が流れ、この曲で本編は締めとなりましたね(映像にいく直前よく見ると桑田さんが立ち上がっているので、締めの形は作っていたようですが)。

 

20-21.Iko Iko〔Dr.John〕~ヨシ子さん

こちらから曲名のところは公式のセットリストに乗っとって…。

映像がライブ会場に戻ると既に皆様はスタンバイ。アンコール行きます、と桑田さん。

ここで三度のカバーが。洋楽ナンバーは今宵初でしたね。Dr.Johnさんといえばレンタルショップのサザンのコーナーに並んでいるでお馴染みの(?)(私の住んでいる地域だけでしょうか…)サザンカバーオムニバスCD「All of mid-summer blossoms」で「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」をカバーしておりますので気になる方はチェックです(?)。

最初音の雰囲気で神の島遙か国が始まるのかと思いました(?)。Twitterで同じことを思った方が何人がいらして安心しました(?)。

何と申しましょうか…桑田さんが洋楽を歌う時の声良いですよね。やはり日本語と発音が違う影響があるのか、こう唐突に洋楽が入りますとその違いが分かるといいますか。今まで英語分かりません、で洋楽ライブはあまり多く見ていなかったのですが(「Acoustic Revolution」は好きで何度も見てはいるのですが)、もう少し本腰を入れて見てみようかと思いました。

…と思っていたところでヨシ子さんが。Iko…アイ子と聞き間違ってしまったのでしょうか(?)。しかし本体の方はノーリターンでございましたが。

メドレー形式となりましたが、TIGERさんと田中雪子さんのコーラスに洋楽感があり、違和感無く繋げるのに大きな役割を果たしていたように思いました。

2016-17年のソロでは全てのライブで本編ラスト、という良くも悪くも固定されたポジションでの演奏でしたが、アレンジやライブコンセプトもあったのかと思いますが、今回の演奏でもっとセットリストの中を自由に動けるようになったのでは…と。

 

22-23.君をのせて〔沢田研二〕~悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)

またもやカバーに戻り、登場しましたはジュリーでございます。まさかブルーノート東京→東京→TOKIO→ジュリーという連想があったのでしょうか(?)。

曲調や照明も相まってここで一息、といいますか、あのヨシ子さんの次、ということですから持ち歌よりもカバー曲で仕切り直す方が続けるには良い、という判断だったのでしょうか。

曲が終わると照明のキラキラ感が。もうあの曲しかありません。

ここでようやくやって参りました。ライブ連続演奏記録(ROCK IN JAPAN FES.2002などのイベント関係は除く)はまだまだ途切れそうにはないようで。

悲しい気持ちがアンコールで演奏されるのは今回が初めてでしたね。1曲目・序盤・中盤・煽りと本当にどこでも使われるまさにユーティリティプレーヤーです。

この曲がソロデビュー曲というのは、周知の事ですが、君をのせても沢田研二としてのソロデビュー曲だったのですね。今回どちらを先に歌おうと考えたのかは分かりませんし結果的にそうなっただけなのかもしれませんが、敢えてデビュー曲通しをメドレー形式でぶつけてくるところに、桑田さんのジュリーへのリスペクトと、共に現役であるならこそのある種歌手として勝負するという矜持のようなものを感じてしまうのですよね…。

 

24.明日晴れるかな

最後の曲はすっかりライブのラスト曲として定着したこの方でした。

1人弾き語りのような形で始まるのが、近年のライブでのアカペラスタートを踏襲している感がありますね。

コンセプト自体が違うものではありますが、サザンでの「勝手にシンドバッド」や「みんなのうた」のように明るく締めるのではなくバラードである意味いつも通り終わる、というのが所謂サザンとソロの違いといいますか(会場の違いも勿論あると思いますが)、より寄り添ってくれているような感じがありましたね。

明日へのマーチもそうなのですが、桑田さんの描く未来は明日なのですよね。SMILEのここから未来を始めよう、と全てがここで繋がって締まるのが、まるで長い時間を掛けて完成した1本の映画を観ていたかのようないつものライブとは違う感覚を持ったところでいつの間にか曲は終わっておりましたね。

 

曲が終わると、桑田さんが立ち上がり、春まだ遠くが流れる中、再度のメンバー紹介を。

素晴らしい春をお迎え下さい。お身体に気を付けて。というあいさつとともに、またブルーノート東京でお逢いしましょう。ここはお酒も食事も凄くおいしいですよ。と締め。エンドロールが流れライブは終了となりました。

 

 

さて雑に振り返って見ましょう。

今回の大きなところはやはりカバーになりますでしょうか。上で何だかんだと怪文書のように(?)書いてはみましたが、結局のところは桑田さんが歌いたい曲を歌った、というそれだけの理由だったような気がしますね。だってあれだけ生き生きと楽しそうに歌う姿を見ますとねえ…w。配信ライブだからこそある意味客席の様子を伺う必要がない、好きな曲を自由に歌ってやる、という思いもあったのかもしれませんね。

持ち歌で見ますと、2000年以降の曲が多かったですね。だからこそより孤独の太陽インパクトが大きかったように思います。

夜遊びで「Blue〜こんな夜には踊れない」を忘れていた…とおっしゃっていましたが本当に忘れていたとは…w。そもそもがシングル曲の悲しい気持ちを除くと「Keisuke Kuwata」から1曲も選曲されていなかったという。まさかアルバムの存在自体をお忘れに(?)。

冗談は置いておきまして、キャリアの後半曲中心で構成しても当たり前ですがきちんと成立するのですから恐れ入ります(?)。

 

毎回思うことですが、このような状況の中配信ライブを開催して下さり、桑田さんを始めサポートメンバー・スタッフの皆様本当にありがとうございました。

また1つ大切なものを頂いてしまいました。この静かな春は忘れません…。

 

豊崎愛生 配信ワンマンライブ「Dive/Connect @ Zepp Online」の感想のようなものを

2月16日に配信されました豊崎愛生さんの配信ワンマンライブ「Dive/Connect @ Zepp Online」をうっかりこっそりと見ておりました。その感想のようなものです。

 

別な方々のライブ感想を見てしまった方ならご存知かもしれませんが、基本だらだらと書いていますのでどうかお許しを…。

 

さて配信ライブでありますが、サザン以外での視聴はこの豊崎さんのライブが初でございました。そもそもが豊崎さんのライブに足を運ぶ・リアルタイムで見る(製品版はもちろん買ってみておりますが)というのが今回初めてでございました。

私は実際にライブに足を運ぶ時何故かいつも数日前から謎の緊張をしてしまうのですが、この配信ライブでもそんな状態になっておりました(面倒くさいおじさん)。

そんなこんなで当日諸々を終わらせ、パソコンの前でうろうろしながらその時を待っていると、ナビゲーターのダイスケさんの声が。今回のライブスペシャルサポーターである、クラムボンのミトさんを紹介し、少しのトークの後、画面が切り替わりライブスタートとなりました。



1.letter writer

画面が切り替わると既に豊崎さんとバンドメンバーの皆様はスタンバイした状態。一音目は「募る想い 届けたくて」…と豊崎さんの声とともにスタートしましたはこの曲でした。

グリーンのライトが当たるというのが1曲目の幕開けとしてはシンプルで良かったですね。

もちろんこの曲を歌う予想はしていましたし、歌詞と今現在の状況のリンク、それに対しての豊崎さんのメッセージ、このライブを行う意図としてのある種の心境と言いますか色々な想いがあっての選曲だったと(もちろん勝手に)思うのですが、頭からやられてしまいましたねえ…。早くも泣いてしまいました。

収録で画面越しではありますが、リアルタイムで初めて「生」としてお邪魔したライブとなった、ということもありまして込み上げてくるものが多すぎましたね…。2度ほどイベントという形では生でお姿を観ることはあったのですが、改めてあの豊崎愛生が歌っている…笑っている…ということを感じてしまいましてねえ…これは言葉には出来ないです…。

2021年の2月16日、letter writerは私の中でまた1つ特別な曲となりました…。

 

2.猫になる

letter writeから繋げてこの曲のイントロへ。「こんばんは豊崎愛生です。今日は楽しみましょう」と。

この曲も特に好きな曲の1つだったので、まだ涙が止まり切らない状態でございました。

letter writeの時はステップは踏んでいたり少し動いたりもしていましたが、基本的に中央から大きく動かなかったのとは逆に左右に動いていたのが、ギャップと言いますか対称的になっていて良いな…と。

終盤の「二本足で立ってやる」のところで豊崎さんの足下を映すカメラワークがベタなのでしょうけどやはり好きなシーンになってしまいますね。

 

3.ぼくを探して

もう…どうして私の好きな曲ばかり続いてしまうのでしょう…(大袈裟)。涙も枯れ果ててしまいますよ(?)。

また一転してセンターから動かずに歌っておりましたね。この辺りは動と静のメリハリを付けていたのでしょうか…。

アウトロあたりで映った豊崎さんの横顔マッチ感が良かったですね。ベストワンシーンの1つだったのかもしれません。

個人的に豊崎さんの歌声は一人称「僕」が似合うと思っておりまして、ここまでの曲も一人称が全て「僕」なのですよね。何と申しましょうか…声優でもラジオパーソナリティでもない歌手としての豊崎愛生さんになる一つの要素であるような気がしまして…。そう思ってしまう私にはこのライブの僕の流れも意図的に見えてしまうのですよね…。

 

4.フリップ フロップ

ここでようやく涙が落ち着いた感じがあります。

何となく1曲目はこの曲かな、と予想しておりました。

「はっと気付いたんだ 今日も手紙が届いてる時間だ」…、1曲目で手紙が確かに届いていましたね(?)。「ココロ・オンライン」というフレーズが配信オンラインライブにピタリと嵌る感じがありますね。

 

MC

最初のMCとなりました、普段は声優をしていますと、改めて声優としての自己紹介がありましたね。バントメンバーの紹介もここで行っておりました。

歌手デビューして12年になりますと話された時にはバンドメンバーの皆様が拍手。可愛い(?)。

このライブのキーワードの1つとして「歩き続ける」と挙げておられました。

 

5.love your life

あれ…、ライブだとこんなにテンポ速かったでしたっけ…。散歩といいますかスキップしている感がありましたね(?)

ここで初めて一人称が「私」の曲が来ましたね(「僕」も入りますが)。MCで声優としてのご自身の紹介をしていましたが、そこからの歌手デビュー曲を歌う流れが綺麗だったように感じました。

私自身、ラジオで豊崎さんを知りまして、そこから運良く歌手活動のスタートからを追うことが出来たこともあって、声を聞いてからのこの曲という流れで色々と思い返してしまいました(まだ早い)。

 

6.ランドネ

MCで話されていたように歩く曲が続きましたね。

「目指す先は 地図にない場所 誰もぼくを止められやしないのさ」…このライブで聴いて今の豊崎さんに一番合うフレーズなのかな…とふと思ったりもしてしまったり。

今回ライブが終わってから何故か頭の中でよく再生されるようになった曲になりました。元々好きなタイプの曲であったのですが、今回で無意識のうちに感じ方が変わったのかも知れませんね(そういう感覚がたまにあるのです…)。

 

7.ポートレイト

バラードに行く前の意図的に作るあのライブ独特の「間」が好きなのですよねえ。バラードのどの曲が来るのか、と考えたり、敢えて無になって待ち構えたりと出来るのも個人的にやってしまったりするのもので…。

その「間」の後、やってきましたはこの曲。まあまたちょっと泣きましたよね(?)。

うーん何と申しましょうか…。曲や歌詞に、といいますか、この曲を歌う豊崎さんのお姿に思わず…という感じでしょうか。正直この感覚は初めてだったので、不思議な経験をしたというかさせていただいたと言いますか…。

「ある愛の唄」…豊崎さんはいつもどんな曲を思い浮かべているのでしょうか…。

 

MC

楽しんでますかーと。

ここでもう1つのテーマとして「幸せ」を掲げておりましたね。

そんな「幸せ」を詰め込んだセットリストになっているとのこと。

あなたの心を小さい幸せでいっぱいに出来ればとも話されておりましたね。

 

8.Uh-LaLa

盛り上がっていきましょう、と始まりましたはこの曲。

イントロが長めになっていましたね。ライブという感じがします(?)(今更)。

ラストのUh-LaLa…は囁くように歌っていたのが印象的でした。

MCを挟んでこの曲とポートレイトで感じたあの感覚が良い意味で薄れ、ライブを見る楽しむに再び集中出来るようになったな…と(正直に申しますとリアルタイムで見ていたときの記憶がその影響か若干薄くなっておりまして…)。

 

9.オリオンとスパンコール

繋げてこの曲へ。どの方でもそうなのですが、盛り上がりが続く楽しさと同時にもう少しで終わってしまう寂しさ、をこの辺りで感じ始めておりました。

しかし夏の曲から冬の曲へ季節を飛ばしてしまうとは(?)まあ歌うのはあきさん、ですからね(?)

最初の方でしたでしょうか、頭を抑えながら歌うあのお姿が大好きです。

関係ありませんがラジオネームの一部にオリオンを使っている身としては別な意味での嬉しさがありました…w(しかし未だおかえりらじおには採用の縁は無く…w)。

 

10.walk on Believer ♪

暗転中に一歩二歩前に出ていた豊崎さんの姿を見た時にもしかしてあの曲…?と思った瞬間にイントロが。そういう冴えがライブ中に1回は働くものですね(?)。

何と申しましょうか…。少し走っているようなテンションだった前の2曲から、また歩く曲に戻ったといいますか。

「ヘイ!」のところで左腕を高く上げるところがとても格好良かったです。思わずイケメン…と呟きました(?)。

今回のライブで聴きたいな、と何となく思っていた曲の1つだったので、聴けて良かったなあ…としみじみと。

 

11.Dill

また間が長く取られていると思いましたが、ここでDillとは…。スーパーサポーターにミトさんを呼んでいたこともあり歌うとは思っていましたが、結果的に新曲前の実質ラスト曲に近いポジションに来るとは意外でした。

曲全体が重心が重いといいますかアレンジがどっしりとしていた印象があります。オリオンとスパンコールに続いて頭をもさっとしながら歌うシーンが見れまして、もう悔いはありません(?)。

光の反射が雨のようにカメラに写るのは意図した演出だったのでしょうか。あれも良かったですねえ。

 

MC

楽しいと豊崎さん。無観客ではありますが、みんながずっとそばにいたような気がしますとも話されておりましたね。

そして残るところあと1曲になったと。あっという間でしたね。

ここで新情報としてアルバムを制作中と発表されましたね。

 

12.それでも願ってしまうんだ

おかえりらじおでも話していました、新曲の初披露となりました。

アルバムリード曲になるとのことですね。

作詞がUNISON SQUARE GARDENの田淵さん、作曲がクラムボンのミトさんとのことですが、ライブスタートの曲であるletter writerを田淵さんが作詞作曲、新曲を除いてラストのDillがミトさん作曲と、お二人の曲が最初と最後にライブで配置されているのが偶然だったのかもしれませんが縁を感じますね。

曲の感想ですが、まだありません。私はいつも初めて新曲を聴きますと「こういう感じなのね…」としか浮かばないのです。何度も聴いて初めて言葉になるといいますか…。その時まではこのライブでの想いを忘れずに持ち続けたいと思います。

アウトロでラララのコーラス音源が重なっていきライブ配信は終了となりました。

 

ライブ終了後は豊崎さんとミトさんとのトークが。ライブが1時間と少々くらいの時間でしたが、トークも同じくらいの時間だったのではないのでしょうかw。おふたりが盛り上がりすぎて何とか進行しようとするダイスケさんお疲れ様でございました…w。



ライブを振り返りますとキーワードで挙げていました「歩き続ける」と「幸せ」の2つがしっかりコンセプトになっていたように思います。MCが割とコンパクトだったのは、終了後にトークパートがあるというのもあったかと思いますが、歌手としての豊崎愛生さんを全面に出すライブという側面もあったのでは…と(Dive/Connectというのがそのようなライブをコンセプトにしているのかもしれませんが)。

…ちらっと書いたのですが、私一応歌手デビューの時から豊崎さんを好きで居続けているのですが、ライブに行ったことがなかったのですね…(A&Gオールスターで生の豊崎さんを見ることはあったのですが)。もちろん行きたい気持ちはあったのですが、勇気がなかったもので…。ようやくAT livingのライブ後くらいから、「次は必ず…」と思っていたのですが…ちょうどその後豊崎さんのライブが開催されない時期になってしまいました。まあそれを後悔するというよりも、勇気が出るタイミングが遅いのは運命だった仕方ない…と思うタイプではあったのですが。

しかし今回のライブで本当は心の奥底では後悔していたのだなと…。だからこそ本当に嬉しかったし泣いてしまったのですね…。

本当に今回のライブは私にとって特別になりました。改めて豊崎愛生さん・バンドメンバーやスタッフの皆様、本当にありがとうございました。忘れません。そしていつか必ずお逢いしましょう。

 

1990年代のサザンオールスターズライブ本編ラスト曲を雑に振り返ってみる

少し前にこのような内容のツイートをしておりまして…「渚園以降のアンコール前ライブ本編のラスト曲、イエローマン(セオーノ)・勝手にシンドバッド(歌舞伎町・晴れ着)・マンピー(茅ヶ崎)・みんなのうた(ゴン太)とほぼかぶりなく選曲されているのは意図的な感じがありますわね…この4曲が揃って煽りコーナーに並ぶのが25周年の流石ツアーになるのは面白い」…と。

そこで80年代まで割とありました本編バラード締めが無くなり、盛り上がる曲で本編を締めるように完全に固定された1990年代の10年に期間を広げて、また適当で都合の良い解釈を付けて1つ書いてみようかという駄文でございます。

 

ではまずは本編ラスト曲をまとめて出してみましょう。対象としたのは、1990年の「Southern All Stars 夢で逢いまSHOW」から1999年年越しライブの「晴れ着DEポン」までのライブです(いつものようにTV・ラジオという番組用ライブやソロ・イベントは集計から除いております)。

 

Southern All Stars 夢で逢いまSHOW(みんなのうた

・歌うサザンに福来たる(いなせなロコモーション

・THE音楽祭 -1991-(ネオ・ブラボー!!

・闘魂!ブラディ・ファイト(勝手にシンドバッド

南天群星 北京で逢いましょう(勝手にシンドバッド

・歌う日本シリーズ1992~1993(勝手にシンドバッド

しじみのお味噌汁コンサート(エロティカ・セブン EROTICA SEVEN)

・ホタル・カリフォルニア(勝手にシンドバッド

Southern All Stars Stadium Tour 1996「ザ・ガールズ 万座ビーチ」(愛の言霊~Spiritual Message~)

・牛(平和の牛歌)

・おっぱいなんてプー(01MESSENGER~電子狂の詩~)

・Se O no Luja na Quites(セオーノ・ルーハ・ナ・キテス)~素敵な春の逢瀬~(イエローマン~星の王子様~)

・シークレットライブ’99 SAS 事件簿in歌舞伎町(勝手にシンドバッド

・晴れ着DEポン(勝手にシンドバッド

 

やはり、といいますか14回中6回は勝手にシンドバッドが本編ラストに来ておりますね。ただ北京と歌う日本シリーズはセットリストがほぼ同じ、また歌舞伎町・晴れ着の連続シンドバッドは晴れ着が歌舞伎町のセットリストを下敷きにして選曲しているという側面もあるかと思いますので、この2セットは実質1つとしても良さそうな感じがありますね。まあそのようにカウントしてもトップになるのですが。

しかし最多とはいえ決してシンドバッド一辺倒ではないというのが分かりますね。夢で逢いまSHOWから万座ビーチまで連続でセットリスト入りしてはいますが、年越し曲として序盤やアンコール、ラスト1つ前とうまくポジションを変えて起用していますね。定番としては歌いつつもマンネリにならないようにしている感じでしょうか。渚園の製品版のインタビューで終盤の流れを見るといつのサザンのライブか分からない、というような発言を桑田さんがしていましたが、セットリストに組み込みつつもワンパターンにならないような近年の起用に近い使い方をしていた、となりますでしょうか。

そのシンドバッドが本編ラスト以外に演奏されたり、お休みの時にはその時期の新曲が締め曲として起用されるというのが割とはっきりしている、というのが90年代の大きな特徴ではないのでしょうか。

この時の新曲として披露されたイエローマンエロティカ・セブンが締めとしてはその1度だけでしたが、ライブ終盤の煽り曲として定着していきましたが、これは会場やパターンの変化も大きいように思います。

イエローマンは4回行われたドームツアーで3回(セオーノ・みんな好きです・ふざけるな)演奏されるなど、ドーム曲として使われるようになった感がありますね。ダンサー大量登場やライトや映像の演出など広い室内映えしやすい、ミス・ブランニュー・デイやマチルダBABYのデジタルサウンドみんなのうたマンピーのG★SPOTあたりのサザン盛り上げサウンド(急に雑な説明)どちらにも繋げやすい、もしくはその2つの派閥の間を取り持つ役として優秀な扱いなのでしょうね。そりゃ自分で僕はイカすでしょと言ってしまうわけです(?)。

エロティカ・セブンは2008年の大感謝祭でホタル・カリフォルニア以来久々に煽り枠に起用されて以降、この枠に定着するという珍しい道を辿っていますね。これはマンピーのG★SPOTが本編ラスト曲に定着したのと関係がありそうですね。マンピー→シンドバッドの流れはあっても、シンドバッド→マンピーの流れがない(間にボディ・スペシャルⅡが入っての流れはゴン太君のつどいで1度ありましたが)ということで、代わり、というわけではありませんがマンピーに繋ぐまでの流れの中に入りやすい、なおかつ知名度があって盛り上がる、ということでコンビとして再びスポットが当たったということでしょうか。なるほど地獄の果てで墜ちたアダムとイヴとはエロティカ先輩とマンピーさんのことでしたか(?)この部分がライブでカットされてしまうのは関係性がバレないようにするための必然だったのですね(?)。

2000年以降も愛と欲望の日々BOHBO No.5が新曲ラスト曲として歌われることもありましたが、90年代1度も本編ラスト起用のなかったマンピーさんの大躍進によって構図が変わってしまった感じでしょうか。改めて見ますと90年代はある種今以上に挑戦と保守の狭間にいたことを感じてしまいますね。同時に少しズレますが90年代後半のホタル・万座・渚園のような所謂王道・牛・おっぱいのマイナーという両極端さは良い意味でそのバランスをある程度取っているように見える今のセットリストではもう見れないのかしら…とも思ったりもするのですね。

 

勿論本編のラスト曲だけで全て判断できるわけではありませんが、この本編ラスト曲というのはその時代を表している側面もあるように見えるのですよね(近年のマンピーの登場回数を見ると尚更)。

まあまたダラダラと書いてしまいましたが、結局のところは90年代ノリがどうもわかんないBroなのですよ…という締めでお茶を濁させて頂いてよろしいでしょうかね(?)

 

サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」の感想のようなものを

12月31日に横浜アリーナで行われましたサザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」の配信をうっかりこっそりと見ておりました。その感想のようなものです。

毎度の事ながら曲順も諸々もつらつらだらだらと書いておりますので、まだこれから見るところという方にはネタバレになってしまいますので、どうかC調言葉ならぬネタバレに御用心を(曲名に意図はありません…だってここまでは開催前に書いたのだもの(?))…。

 

私は前回と同じく応援団のサイトから会場最後列から見ている気持ちで(?)見ておりました。サイトへアクセスしますと流れていたのはSEA SIDE WOMAN BLUES、良い締めでした(早い)。SOMPOのCMが流れたりとライブ前の会場感が前回よりも増した感がありますね。

そんなこんなで開演前の諸注意アナウンスがあり、いよいよライブスタート…と思いきやサザンのメンバー登場の小芝居映像(失礼)が毛ガニ飯店の店主はケーガーイーツの配達員になったのは時の流れを感じますね(?)。そんな映像も終わり本当にライブ本番になるようです。



1.ふたりだけのパーティ

1曲目は夜遊びで桑田さんがヒントとして「少人数の宴」と発言した通りのこの曲でございました。「「流石(SASが)だ真夏ツアー!あっっ!生。だが、SAS!」~カーニバル出るバニーか!?~」以来17年ぶりのご登場が無観客年越しの1曲目というプレッシャーのかかる(?)場面での起用でしたね。

大人数での食事や飲み会などが好ましくないとされていることもあってか、曲名先行での選曲だったのでしょうか…。

ライブアレンジのイントロはなく原曲通り最初から桑田さんのギター全開でしたねえ。ラストにもう一度サビを歌う追加がありましたね。

前回6月の「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」ではYOUが1曲目でしたが、YOUからふたり、と相手に向いていた曲名から、共に、という意味に変わったような感じが、どこか良い意味での繋がりと対比を表わしているような気がしますね。

 

2.My Foreplay Music

ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)先輩に次ぐミスター2曲目(?)のご登場です。年越しライブに限定すれば、1999年の「晴れ着DEポン」、ツアーが絡んではいますが2005年の「みんなが好きです!」に続いて最多3度目の2曲目登板となりました。

ふたりだけのパーティから繋がっておりましたね。

「scratch」のところで桑田さんが引っ掻くような仕草をするのが好きなので今回も見ることが出来て嬉しかったです(?)。

 

3.東京VICTORY

地球の映像が画面に映って…とあの地球よく見ますと画面に映っていたというよりもCGっぽく浮き上がるように存在していたように見えたのですがあれは一体…?まさかあれがあの奇跡の地球というやつですか(?)。

最初のWow…がいつもよりも抑えめになっていたように聴こえました。最後のHeyもそんな風に聴こえたのでそういう今回はバランスにしていたのかもしれませんね。

バックの映像で様々なスポーツのアスリート、客席で「2020」の文字が登場したあたりかなり延期となった東京五輪を意識した演出でしたね。

しかし3曲目に起用されるとは、既に煽り・1曲目・紅白と僅か6年の間に経験されていますし、今のサザンを1番表わしている曲と言ってもいいのではないのでしょうか。

 

MC

…すみません亀が泳ぐ街でもないのに(?)トイレに行っていました…(そもそも亀が泳ぐ街ではトイレに行かない勢)。アンバサダーが未だに良く分からないと話していたのは覚えています。

 

4.いとしのフィート

MCで曲順を決めてない、誠次何にする?、などといつもの感じを出しつつ、ひろちゃん・ケガちゃん頼むよと言いつつ始まりましたは、大晦日お正月曲であるいとしのフィート師匠でございました。年越しライブではちょこちょこ演奏されるイメージですが、年越しでは何と1996年の「牛」以来のご登場でした。ちなみに年明け前の演奏という視点に限れば1984年の「縁ギもんで行こう」以来になるのですよねえ。

テレビは1チャンネルに決まっているけど、と配信ライブで歌うのは時の流れを感じますね。

 

5.恋するマンスリー・デイ

何と何とのご登場。ライブ演奏は1997年の「おっぱいなんてプー」以来、23年ぶりとなりました。

ユウコさんと歌詞に出る度に直接だったり、桑田さん越しだったりで映像に映る原さん。2番ではついにハラユウコの…とフルネームで歌うとは何とストレートを桑田さんが投げつけるのでしょう。全盛期の桑田真澄くらい速いストレートでした(?)(桑田違い)。

アウトロ前くらいでのコーラス2人の動きが好きです(?)。そして締めにさりげなく登場された星降る夜のHARLOTアウトロさん。おっぱいなんてプーと同じアレンジで綺麗好きのおじさんは嬉しかったですわよ…。

 

6.あっという間の夢のTONIGHT

ここで1つポップ寄りに戻した感がありますね。

晴れ着DEポン以来、年越しライブ曲のポジションを得た感があります。

ここからもまさにあっという間の夢のTONIGHTとなってしまうのです…。

 

7.君だけに夢をもう一度

この曲が始まったときは一瞬固まってしまいましたね…。何と申しましょうか…。私この曲が勿論好きではありますが、数年に1度急激にライブで観てみたい欲が出てしまう時がありまして、今回つい先日にまたその発作(?)が出てしまっていたため思わず、本当に…?という気持ちが。

そういえば誠さんの夜遊び代行回でこの曲を初めて聴いたときに深夜だったけど思わず桑田さんに電話をしてしまった、ということを話していたことを思い出しましたが、その曲を弾いているのはどんな気持ちだったのかとても気になりますね。

晴れ着のメドレー以来21年ぶりのご登場でしたが、フルでは「歌う日本シリーズ1992-1993」以来実に28年ぶりの演奏となりました。

 

8.夜風のオン・ザ・ビーチ

いやーこの曲の歌詞の通りまさに「言葉などじゃとても言えないほどに アナタ「達」は最高」ではないですか(?)。

2003年の流石だツアー以来でしたが、メドレーではなくフルでの演奏は「愛で金魚が救えるか サザンオールスターズ PAAPOO ツアー'82」以来実に38年ぶりになるのでしょうか…。

「まるでエボシ岩~波がかぶるよに」のところは何とODYさんが熱唱。後半の桑田さんと声が重なることを含めてここはとても良かったですね…。何かのタイミングでうっかりフルバージョンをカバーしてもいいのよODYさん(?)。少なくとも私は買います(?)。

 

9.LONELY WOMAN

泣きました…(6年ぶり2度目)。駄目よこの曲は…。

もしかしたら演奏されるかも…とは思っていましたが。「ひつじだよ!全員集合!」の感想のようなものにも書きましたが、やはり特別な曲なのですよ、私には。この前にもこの後にもお久しぶりな曲の皆さんとの邂逅がありましたが、今回の1番…いやもう順位には入らない、付けてはいけませんね。

サザンを好きになってリアルタイムでこの曲を2度聴くことが出来たというのはこの先忘れない、忘れられない大きな1つになりました。

 

10.Ya Ya(あの時代を忘れない)

正直に申しますとLONELY WOMANパワーにより、あまり覚えていないのです…(6年ぶり2度目、あの時はSAUDADE~真冬の蜃気楼~先生が被害者(?)に…)。

冒頭の英語語りはTIGERさんだったでしょうか…。そういうところはちゃんとTIGERさんアップで映さないと駄目よ(?)。

「戻れるなら In my life agein」と「目に浮かぶのは Better Days」の間くらいだったでしょうか。Better Daysにいた4人(桑田さん・原さん・関口さん・誠さん)の背中が一瞬1つの画面の中に収まる時がありまして、あれは良かったですね…この映像だけ鮮明に残っております。

 

MC

2度目のMCとメンバー紹介がありましたね。今回もソロ回しを交えながらのメンバー紹介でしたね。いつもの3時間超えのライブですとどうしても映像演出や長めのメンバー紹介コーナーが1つの休憩ポイントになっている感がありますので、2時間ほどのライブだからこそ出来るメンバー紹介なのでしょうか…。

そして次の曲なんだっけと始まる桑田さん。メンバーに尋ねると「オレ」と繰り返すばかり、最後にTIGERさんのまさに虎のような「オレ」で無事音楽寅さんは思い出したようです(?)。

 

11.愛は花のように(Ole!)

オレといえばこの曲でしょう。2001年ソロの古賀紅太ライブでも演奏されてはいますが、サザンのライブでは1996年の「ザ・ガールズ 万座ビーチ」以来24年ぶりに帰って参りましたね。それに加え実は年越しライブには初登場となりました(年を跨いだ歌う日本シリーズは年越し公演がなかったのもあります)。

今回の桑田さんの衣装が花柄の服だったのですが、この曲にぴったりとマッチしていてその為の衣装かと思ったくらいでございます(?)。

 

12.走れ!!トーキョー・タウン

スペイン語から英語ですよ。公式のセットリストには記載されていませんが日替わり(ツアーの前半)で演奏されていた1982年の「青年サザンのふらちな社会学(ツアーTHE NUDE MAN)」以来何と何と38年ぶりの演奏でございました。

間近の夜遊びや2019年年明けのB面・アルバム曲特集回でも桑田さんの反応が悪くなかったため、もしかして近いうちにお逢い出来るのでは…と思っていましたが、まさかの東京ではなく横浜での復活でしたか(?)。

バックの80年代感のあるゲーム的な映像が曲とマッチしていて良かったですね。ライトの使い方とここで初登場でしたダンサーさんの動きが2018年の第3回ひとり紅白での君に、胸キュンの演出っぽさを感じました。

 

13.世界の屋根を撃つ雨のリズム

そしてサザン語・桑田語ともいえる語感ソングに繋がる訳です。ライブの演奏は1997年のおっぱいなんてプー以来、23年ぶり2度目ですがこの曲(01MESSENGERの未完成版を除いて)横浜アリーナでしか演奏されたことがないのですねえ…。トーキョー・タウンから未だ横浜から脱出できないこの曲に持って行くとはなかなか罪な奴です(?)

アウトロの終わり方とラストのカメラが90度くらい動く演出がおっぱいなんてプーの時と同じなのが何か嬉しかったですね(?)。

 

14.栄光の男

屋根のない(蛇足)国立競技場の映像からこの曲へ。東京VICTORYの地球のような月が浮かんでいましたね。この流れ、なるほど栄光の男さんはお久しぶりな曲達をライブという陽の当たる場所へ連れ出してくれたのですね(?)。

前回はお休みでしたが東京VICTORYとともに今のサザンを象徴する1曲になりましたね。

ふともしかしてと思って調べたのでしたが、今回は14曲目、同じくマンピーの名が付いたライブ「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」では13曲目だったので惜しかった(?)。

 

15.はっぴいえんど

ここで今日始めて桑田さんがギターを持たずにハンドマイクでの歌唱でしたね。ギターを持ちそうなのですが、イカす仲間が奏でる音で歌うと考えれば愛の歌として完成される、ということなのですよねきっと。

2020年、実に色々な事があり過ぎた年ではありましたが、最後に精神的にはっぴいえんどになったな…と。

 

16.LOVE AFFAIR~秘密のデート

汽笛の音が聞こえてきましてさて煽りのスタートでございます、煽りコーナー頭でのスタートは演奏はかなり珍しいのではないのでしょうか。桑田さんの首に付いていたキスマークは首筋に夢の後とこの曲のフラグだったのですね(?)。

いつもよりもイントロのギターの音が大きかったような。ラストのBE MY BABY、桑田さんの中のブームはまだまだ醒めないようで(?)。

 

17.ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)

ジャズのようなスローなアレンジになって始まったボディスペさん。このまま行くのか…それともoverture的使い方なのか…と思っていると1番終わりであのイントロが2番からは正常に(?)戻りましたね。

2015年の「おいしい葡萄の旅」以来となったことで謎の進化を遂げてしまったようですね(?)。

ラストはAi Aiからの君のカラダはボディ・スペシャルと締め、そのまま次へ。

 

18.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN

前回に続きやって来ました黒い悪魔ことエロティカ先輩。デビルなガールさんが空を飛んでいらっしゃっていましたね。客席の上の方まで飛んでいるのも無観客だからこそできる演出ですよねえ。

地獄の果ては~のところはいつものように(?)カットでしたね。「一度キメたら止められぬ 中途半端な不良じゃない」とこんな形で再現しなくても(?)。

 

19.BOHBO No.5

2から7の5という数字メドレーを思わせる流れですね。年越しライブは何とみんなが好きですからひつじ、今回と発売以降皆勤賞となっておりますね。今後も年越し煽り枠として使われていくのでしょうか。…しかし前回のひつじの時と同じく最後のサビに入る前に次の曲へ…。なるほど2引く7だと5になってもマイナス5になってしまうので、曲の一部もマイナスになってしまったのですね(?)。

 

20.マンピーのG★SPOT

そして続けて始まりましたはやはりライブタイトルにも使われた、最早御大と言ってもいいマンピーさんでございました。

ヅラには「G」の文字以上に大きく「嵐」の文字が。そうです、嵐はやって来たのです(?)。更によく見ますと真夏の大感謝祭の鶴のようなものが。嵐の活動休止と自身達の

無期限活動休止を心情的に重ね合わせるところがあったのでしょうか…。

クレーンに乗る桑田さんや御神輿・ダンサー総登場といつも以上にお祭り感がありましたね。そしていつものようにカウントダウンが始まり年越しとなりました。私の環境ですと1分くらいのズレがありましたでしょうか。配信と環境に左右されほぼほぼと言いながらも(当たり前ですが)きちんと合わせようとするところはやはり流石ですね。しかしこのズレ

によってマンピーで年を跨ぐことになるとは、年越しジャンプもびっくりですね(?)。

年明けは恒例の一月一日を演奏。お祭り騒ぎのまま本編終了となりました。

 

21.希望の轍

冒頭の小芝居の続き映像からの、アンコール・年明け1発目はこの曲でございました。色々あり過ぎた2020年、2021年という道が希望に満ちていて欲しいというメッセージがあるのでしょうか…。

この曲もすっかりギター持ちがトレンドになりましたね。ある意味でバンドの、稲村オーケストラではなくサザンオールスターズの曲になった、という感じがありましてこれはこれで好きなのですが。

ラストはもう1度ピアノが来てというCD版に近い締め。濃いめな選曲の中でシンプルイズベストなのが逆に印象に残ります。

 

22.夕方Hold On Me

90年代ライブのアンコール大定番が、23年ぶりに年越しライブの会場に戻って参りました。テンポはかつてのライブよりも少しスローな原曲に近い感じになっていましたね。何と申しましょうか…。それが結果的にちょっと年齢を重ねた感じになったのが、何だか良いなあ…と思ってしまったのですよね。

アンコールで希望の轍→夕方Hold On Meはその23年前の牛以来のコンビでした。まさに丑年のスタートに相応しい並びになったのではないのでしょうか。



23.勝手にシンドバッド

最後に1曲、と春の海が流れ尺八を吹こうとする毛ガニさん。その尺八をホイッスルに持ち替えて始まるは勿論この曲。前回のみんなのうたに続いてバラード締めではなく、明るく締めるのも近いところでは「キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」」だったりとなかった訳ではありませんが、今だからこそのラストだな…と。

その前からもありましたが、灼熱のマンピーからライブの中でマンピーと勝手にシンドバッドを(恐らく意図的に)分けて配置するようになりましたが、結果的に大きな盛り上がりを2つ作れるようになったという事が、今回のようにシンドバッド締めが出来るようになり、よりセットリストを自在にされど読みにくくすることが出来るようになったのでは…と何となく感じてしまうラストでございました。

 

そしてライブは終了。改めてメンバーの紹介の後に全員が後ろに下がって閉演…と思いきやサザンのメンバーがもう一度ステージに登場再びの挨拶のあと、事前にアナウンスのありました花火の映像が。テロップが流れエンディングへ。終わりかーと油断していたら最後の最後にまた小芝居映像が。「毛ガニがサザンを辞めますように」と最早伝統芸になりつつある桑田さんの冗談で締めとなりました。

 

さて軽い振り返りを…。

今回は23曲と前回の22曲とほぼほぼ変わらずでしたね。定番はしっかりと抑えつつも今回は割合お久しぶりね曲が多い&その曲がまた珍しい面々でしたね。2度目の無観客ライブというところである意味で演奏しながら反応を伺う必要がないことで思い切った感じでしょうか…。勿論生で見たいという声もあるかと思いますが、今回披露されたことで、今後演奏されやすくなったような側面もあるのではないのでしょうか。アンケートもありますし、今後の動向に注目です。

原さん曲今回もありませんでしたね…。これが一番残念だったでしょうか。前回はシャ・ラ・ラがありましたが今回はデュエット曲もなしで完全に原さんボーカルがないというのはねえ…ただ裏を返せば有人ライブの時の原さん曲に大きく期待してしまうのですが。

 

このような形で再び配信ライブを開催されたことにただただ感謝でございます。サザンを始め、サポートメンバー・ダンサー・スタッフの皆様改めましてありがとうございました。

 

正直今年も厳しいだろうな…と個人的には思っているのですが、またいつかお逢い出来る日を焦らずに待ちたいと思います。

今年も、そしてこれからもどうかよろしくお願い致します。

 

マンピーという言葉のサザン的な立ち位置を何となく考えてみる

先日サザンオールスターズの年越しライブが無観客で開催されることが発表されましたね。ライブ名が『サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020 「Keep Smilin’〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜」supported by SOMPOグループ』と2013年の「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」以来7年ぶり2度目となるライブタイトルにマンピーという言葉が使われました。そもそも曲名がライブタイトルに使われること自体が稀ではありますが、2度目の登板というのはまさに異例といえるのはないのでしょうか。

そこで「マンピー」という言葉は今どのような位置にいるのだろうか…とふと思ってしまったので、無い頭で考えて見ましたというザ・雑文でございます。

 

まず思いますのは、「マンピー」という言葉をいい意味で軽く使いやすい面があるのでは…というところです。何と申しましょうか…「とりあえずビール」ではありませんが、とりあえずマンピーという単語をポンと出しますと、あっサザンだなと物凄く分かりやすい感覚といいますか、「マンピー=サザン」として良い意味でも悪い意味でも定着しているところがちょっと世の中に漂っている感じがあると思うのですよ。

この仮説をタイトルに当てはめますと、嵐を呼ぶマンピーは嵐を呼ぶサザンになりますし、それでも良かったのかもしれませんが、マンピーにすることでサザンという意味が伝わると同時に洒落に出来るという意味を付加できるようになったタイトルになったのではないのでしょうか。

しかもそのイコールサザンはある種多面体といえるサザンの顔の中でエロ、というよりも最も軽い印象となるのかと思います。

その軽いイメージのマンピーという単語を今回再びライブタイトルの一部に持って来た、というのは今年の6月25日に行われた無観客配信ライブが「Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~」というシンプルかつ、(6月当時の)今に寄り添ったある意味でサザンらしくない正統派なライブタイトルだったこと、そして今この年末の状況を踏まえたうえで、ある種の忘年会的な、といいますか敢えておちゃらけることで、例年の年末のような要素を少しでも持ってこようという考えがあったのではないのでしょうか。今回にも「Keep Smilin’」と付いていますが、前回は自然に笑いましょうという感じから、今回は笑わせる…いや、笑ってもっとBabyというような(?)より笑顔になって欲しい、という思いが照れ隠しとしてマンピーという単語に置き換えたのでは…と思ったりしてしまうのです。

要は恐らく一見重々しくなってしまったり、ある種物事として大きく見られてしまうことを意図的に落とす、たかがサザン(勿論「されどサザン」がある前提でのたかがですよ)と思わせる効果があるのでは…というのが、結論でございます。灼熱のマンピーもサザン復活という大きなトピックがある中で発表されたライブタイトルだったことを考えますと、そういったらしさになるのかなと。

一方でマンピーを引っ張り過ぎ押し出し過ぎでは、という意見も当然あります訳で…。他にも曲がたくさんありますし、マンネリ…とまでは言いませんが、ライブの予告と言いますか、予定調和になってしまうようなところもありますね。そして何と申しましょうか…本来軽い意味を持たせるような使い方をしているマンピーという言葉にある種の重さといいますか、何かを背負わせ過ぎているようにも見えてしまうように感じるところもあるのですよね。変に意味を持ち過ぎてしまったことで、その意味がイメージ化されたマンピーがある種の一人歩きを始めているような制御が出来ない怪物君化しているのかもしれません。

 

…いやでもマンピーさんからしたら自由に振る舞っているだけで、マンピーさんご自身にも意味は特にないのかもしれませんしそれが一番らしい気がするのですよ。

今回のライブタイトルも、ライブ大定番でありながら年越しライブ(が絡むツアーを含めて)には2004年「暮れのサナカ」以来出番がないことにいよいよ我慢できず、自身の年越しライブ起用をアピールすべくうっかりライブタイトルに出てきてしまった、くらいで捉える方が健全なのかもしれません(?)。

 

とりあえずまずはこのような煩悩を捨てて年越しライブを楽しみに待ちたいと思います。

 

湘南と野球~茅ヶ崎の海岸を走ったジャイアンツのエース・城之内邦雄~

以下は野球とサザンオールスターズが好き、というところから都合の良い解釈を多分に混ぜた文章である。

 

かつて慶應義塾大学野球部監督を務めた前田祐吉の著書「野球と私」には、社会人野球チーム日本ビール(現サッポロビール)の監督時代のとあるエピソードが載っている。

要約すると「春のキャンプを茅ヶ崎で行い、投手陣が海岸でのランニングをしている中、城之内邦雄という選手が帰ってこず、ようやく戻ってきたときには一人江ノ島の方まで走り戻ってきた…」という話である。

このエピソードは具体的にいつの話かまでは記されていないが、城之内は1958年に日本ビールに入社、前田は1959年に日本ビール監督に就任するも、翌1960年に慶大監督に転じることになるため、1958年か1959年の出来事であろう。

さて肝心の城之内の話がまだであった。城之内邦雄は後のこの日本ビールのエースとして活躍すると複数のプロ野球チームから誘いを受け、1962年読売ジャイアンツに入団。1年目に24勝を上げ新人王を受賞するなどの活躍を見せた。宍戸錠にあやかったエースのジョーと呼ばれV9時代序盤の投手陣の中心となった。1971年に一度引退するも、1974年にロッテオリオンズで現役復帰、同年限りで正真正銘の引退となった。

…というのが主な経歴である。

城之内であるが、投手となったのは高校時代のことである。身体をねじる所謂トルネード投法からのサイドスローという投球スタイルを確立したが、後に腰を痛め現役引退の引き金になってしまったように下半身にかなり負担のかかるフォームだったと思われる。一方で大きな脚の故障は無かったことから、城之内のフォームは茅ヶ崎の浜辺で基礎が作られたものと言えるのではないのであろうか。もしかすると城之内は茅ヶ崎が産んだエースなのかも知れない(城之内の出身自体は千葉であるが)。

もう1つ、入団時にジャイアンツの他に大洋ホエールズが熱心に勧誘していたという。もしホエールズに入団していればタイプは違うが同じシュートを武器に栄光の男こと長島茂雄を苦しめた平松政次のように立ち向かう側だったのかも知れない…。

しかしその長嶋のチームメイトとなった城之内はジャイアンツのエースとなった。1950~60年の水原茂監督を支えた投手陣は衰えから晩年・引退を迎えており、頼みのエース藤田元は肩痛、60年に29勝を上げた堀本律夫が11勝に留まるなど川上哲治が監督となったこの時期は苦しい投手事情であった。その中で城之内は2リーグ以降6人目であり最後の入団5年以内で通算100勝を達成している。他の達成者は金田正一杉下茂梶本隆夫稲尾和久杉浦忠錚々たる顔ぶれである。晩年は勝ち星が伸びなかったが、1969年には4回を投げた後、勝ち投手の権利の付く5回から金田正一にマウンドを譲った試合があった。これが金田の400勝の試合となった。上記した1974年にロッテオリオンズで現役復帰をした時の監督はその金田なのである。巡り合わせとは面白いとつくづく思うのである。

1年限りの復帰となった1974年といえばサザンオールスターズの栄光の男でもその場面が描かれている長嶋引退の年でもある。華やかなしかしファンが涙した引退の影で、茅ヶ崎育ちの寡黙なエースのジョーは静かにもう一度ユニフォームを脱いだ。



…と以上でございます。何故か野球関係はこういうテンションで書いてしまいますね。

私、元々この城之内邦雄が所謂V9時代のジャイアンツの選手の中で一番好きな投手だったのですよね。リアルタイムを見たことはないけど。それが1冊の本の中で茅ヶ崎という地名と共に名前が出てきたとなればこうなります(?)。

茅ヶ崎で育ったなどいうのはあくまで私の妄想なので信じないでください(?)。文化の日に文化の欠片もない実話を元にした偏愛のフィクション駄文ということでどうかお許しを…。